人の身にして精霊王

山外大河

文字の大きさ
259 / 431
六章 君ガ為のカタストロフィ

60 旅支度

しおりを挟む
「……エイジさん、ここは一体……どう考えてもビルの屋上から通じてそうな所じゃないんですけど。一体何がどうなったらこんな事になるんですか」

 少し気を抜いて感傷に浸っていると、エルが怪訝そうにそう訪ねてきた。
 エルが疑問を感じるも無理はない。エルの言う通り明らかにビルの屋上からは繋がらないであろう空間で、そして俺がそうした空間転移の類の精霊術を使えない事はエルが一番良く分かっていると思う。

「扉に差し込めば別の扉へと繋がるっていう、それこそ魔法みてえな鍵を貰ってな、それを使ってみたんだ。だからそもそも此処はビルとは全く関係のない場所の筈だ」

「貰ったって一体そんなの誰から……多分対策局の人からじゃないですよね? テレポートの魔術はある見たいですけど、そういう道具はなかったはずですし」

 エルは俺よりも対策局に出入りしている。故に事対策局の内部事情に関しては、俺よりも知っている事が多いだろう。故に対策局にそんな無茶苦茶な道具が存在していない事は察する事ができる。

「ああ。協力者がいるんだ。お前を助ける為に手を貸してくれている連中がいる」

「協力者……」

「対策局以外に魔術を使える人間がいる組織が――」

 そう言いかけた所で言葉が出なくなった。
 イルミナティの名を直接出さないようにと思って口にした文面だったが、どうも俺が思っている以上にイルミナティの男が使った術式の拘束力は強い物らしい。
 急に言葉を止めた俺に一瞬エルは戸惑いを見せるが、それでも何かに気付いた様に、しばらく間を開けてから俺に問う。

「もしかして、口止めか何かをするような精霊術……いや、魔術を掛けられたりしてます?」

「……よく分かったな」

「簡単ですよ……エイジさんが言葉詰まらせた時、なんていうんですかね……こう、違和感がありましたから」

 エルが言わんとしていることはよく分かる。
 互いが怪我を負うような危機に陥ったら、離れていてもそれが分かるように、こうして俺が俺の意思に反して言葉を止めた事も刻印を通じて伝わるのだろう。

「だから言えない事は無理に答えなくていいですよ」

「悪いな。何も教えてやれなくて」

「いえ。確かに気になることは沢山ありすぎですけど……知っても知らなくても協力してくれた人がいて、今無事にエイジさんとここにいる事に変わりはないですから」

 エルはそう言って笑みを浮かべる。
 もっともこの状況を作り出しているのがイルミナティの連中な訳で、言えばエルの心境は随分と変わってくるだろうけども。
 ……ああそうだ。色々と変わるだろうな。
 俺が知った協力者の情報全てをエルに伝えれば、おのずとエルにエル自身の事を告げなければいけなくなる。そこまで全て語る事によって彼らの行動を違和感なく話せるだろうから。
 そういう意味では俺が何も話せなくて、そしてエルがそれ以上の詮索をしてくれなくてよかったと思う。
 それが真実か偽りかは別として、どんな顔をしてエルに告げればいいか分からない。
 精霊がどういう存在かなんて、一体どう告げればいい。

「そうか。お前がそれでいいなら今は保留だ。話せる時になったら話すよ」

「はい」

 とりあえず今はエルの言葉に甘えて全てを先送りにする事にした。
 それを告げなければならない時が来るかどうかは分からないが。

「……それにしても、此処どこなんですかね?」

「分からねえ。この鍵をくれた奴は鍵で埼玉県位までは飛べるみたいな事を言ってたから、目的地ではない事は確かだと思うけど」

「目的地……あの世界に飛べるのは三日後だって言ってましたけど、こっちの世界に来た時みたいにどこかに行かないと行けないんですか?」

「ああ。例えば俺達が全員揃って池袋に辿りついたみたいに、その時々で異世界と繋がっている場所は何カ所かに固定されているらしい。で、次に精霊が出現する可能性があるのが三日後の山形県。だから目的地は山形県だ」

「山形県……確か玉こんにゃくが名物な所でしたっけ?」

「え? 玉こんにゃく? なにそれ?」

「詳しくは分からないですけど、しょうゆで味付けされたこんにゃくみたいな感じだったと思います。えーっと、なんで私が知っていてエイジさんが知らないんですか」

「いや、ご当地グルメとかあんま分かんねえし……」

 ……というか良くわかったな。エルのこの世界の適応力凄すぎるだろ。
 読み書きから現代機器まで使いこなし、そうした雑学まで頭に入れてるってのは、相当凄い事だと思う。
 それだけこの世界の居心地が良かったのかもしれない。だとすればそれはとても良い事だけれど、この世界を今から去らなければいけないという事に対する申し訳なさが増してしまう。
 ……まあちゃんと帰ってくる予定ではいるけども。

「勉強不足ですよ、エイジさん」

「お前が勉強しすぎなだけだよ……もし食うタイミングあったら食う? 食える所寄れたらだし、正直難しいかもだけど」

「食べます食べます」

「……体調悪いんじゃなかったっけ?」

「それはすこぶる悪いですけど……でもまあ食欲はあるんですよね」

「まあ、あるに越したことはねえよな」

 それは良い事だ。
 だけどそういう飯の話は一旦置いておこう。
 まずは状況とやるべきことの整理をしなければならない。

「で、とりあえず此処がどこかってのをまず把握する必要があんだけど……どうすっかな」

「携帯のGPSで確認できないですかね?」

「成程」

 ……エルの口から普通にGPSとかいう単語が出てくる事に複雑な気持ちになりながらも、ポケットから携帯を取りだしてみるが、まあ流石にこうなるという風な事になっていた。

「……画面割れてやがる」

 というか電源そのものがつかない感じ。多分さっきの戦いのどこかで壊れたんだと思う。

「なら仕方ないですね」

「エルの携帯は?」

「私今携帯持ってないです」

「……じゃあ携帯で位置確認は無しだな」

 そうなってくるとどうするべきか。
 とりあえず俺は出てきた部屋を見渡してみる。
 ……なんというか生活感のない部屋だった。
 ビルの屋上から繋がった一般住宅のリビングは、特別生活感のある様な家具は置かれておらず、簡素なテーブルなどが置かれているに留まっていた。
 だけどそのテーブルの上に、意味ありげに封筒が置いてあるのを見付ける。
 俺はそれを手に取り、封筒に掛かれた一文により、色々と察する事ができた。

「瀬戸栄治君へ……か」

「え? エイジさん当てですか?」

 ……どう考えたってイルミナティの人間が置いたものだろうと推測できた。

「まあとりあえず中見てみるか」

 俺は封筒を開いて中身の便箋を通りだす。
 そしてそこに記されていた文章はこういった物だった。

『キミがこの手紙をみているならば、おそらくキミはあの精霊を対策局から奪還してそこにいるのだろう。ひとまずはお疲れさまと言っておこうか。まず気になっているかもしれないから答えておくと、此処は埼玉県の市街地に程近い所にある住宅街だ、キミ達は此処からJRなりタクシーなり何でもいい。とりあえず山形県を目指してほしい』

 なるほど、マジで埼玉県か。
 俺の移動手段を対策局が把握していない事を考えると、とりあえず東京都から出られたのは大きい。
 そんな風に少し気を楽にしながら俺は続きを呼んでいく。

『とにかく次の精霊の出現は山形県全域だ。だから向こうに着いたら人気の少ない所にでも身を隠すのが賢明だ。例えば山の中とかな』

 ……まあ確かに極力人と接触する事を避けたほうがいい事を考えると、それが最善の手かもしれない。
 全世界共通で言える事だか、多発天災以降登山などのレジャー人口は圧倒的に減少している。今は危険だという認識が強いのだ。立ち入り禁止になっている所も多い。
 確か前に見たニュースを思い返す限り、山形県だと飯豊山辺りが立ち入り禁止になっていた筈だ。
 ……数日分の食料買い込んで山籠りでもするのが得策か。山小屋もあるし。

『さてここからが本題だが、あと数日間を過ごす為に必要となってくる物も多い筈だ。だからこちらの方で色々と用意いておいた。隣の和室に荷物を纏めてある。好きな物を持っていくといい』

 それはありがたい。どちらにしろあと数日分の物資と可能であるならば異世界に渡った後の物質。それを用意できるだけ用意しておきたかったから、その一部をイルミナティが用意してくれたのなら手間的にも予算的にも助かる。

「なんて書いてありました?」

 手紙はそこで終わっていて、それを折り畳んでテーブルに戻すとエルがそう訪ねてきた。

「目的地の確認とプレゼントのお知らせだ。隣の部屋に色々と用意してあるらしい」

 そんなやり取りを交わした後、俺達は隣の部屋に用意された物資の確認に向かうと、確かにそこにはプレゼントが用意されていた。

「缶詰ですね。あとミネラルウォーター」

「衣服にタオルに懐中電灯に救急箱……ってコレあれだな。災害時の避難セットに近いな」

 数日山に籠る可能性があり、そして異世界に行ったら完全にサバイバルだ。だからとても的を射たプレゼントだとは思う。
 これらをとりあえず用意されている空のリュックサックに好きなだけ詰め込んで行けという事だろうか。

「そういえば私缶詰って食べた事無いんですけどおいしいんですかね?」

「まあうまいよ。結構よくできてるっていうかさ……あ、これ俺好きな奴」

「私のご飯とどっちがおいしいですか?」

「エルが作った奴の方がうまいよ」

「なら良かったです」

 そう言ってエルは笑う。
 そりゃそうだ。缶詰ごときが勝てるわけねえだろ。

「まあとりあえず向こうの世界に行った時の分も考えて持てるだけ持っとこう。懐中電灯とかもまあ暗いだろうからあるに越したことはねえし……なあ、エル。救急箱いると思う?」

「いや、多分回復術あるんで大丈夫じゃないですかね?」

「まあそうなるよな」

「ところでエイジさん。そこの鞄もプレゼントって奴ですかね?」

「ん? ああ、なんかそれっぽいな」

 少し離れた所にボストンバッグが一つ置かれていた。

「何入ってんだこれ」

 俺はとりあえず中身を確認して……そして思わずファスナーを閉めた。

「え、エル……すげえの入ってた」

「凄いの? 一体何が入ってたんですか?」

「……札束」

 改めてファスナーを開き、中からそれを取りだして見せる。
 鞄の中に入っていたのはそれだけで、人によってはこのサイズの鞄にこれだけ? とでも思う奴もいるかもしれないけれど、それでも高校生がまず手にする事が無いであろう大金。
 ……現金百万円が今、俺の手に握られていた。

「……ほ、本物ですか? それ」

「こんな意味ありげに偽札置かれてたまるか……で、これも多分プレゼントっていう事でいいんだよな」

 とりあえずの逃亡資金。ある程度色々な行動パターンを想定してちゃんと現金まで用意してくれた訳だ。

「どうするんですかそれ」

「ありがたく貰っていこう。あればあるだけ役に立つ」

 もっとも異世界に行ってしまえば紙切れになるんだけど。

「とにかくこれで行動資金も調達できたわけだし、さっさと準備進めるか」

「はい」

「……エル。準備全部俺がやって、ギリギリまで休んでてもいいんだぞ?」

「いいんです、この位。それに……少しでも隣りに居させてください」

「……分かった」

 エルがそう言うなら。

「はい。じゃあ準備しますか」

 エルはそう言って笑って頷く。
 そうして俺達はリュックサックと百万円の入っていたバッグに荷物を詰め始めた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

処理中です...