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第2部
26.
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ナイジェルの件だが、と口を開くと、セスの瞳が鋭く光ったが、私は淡々とした態度で続ける。
「君は彼の素性を知っていた?」
セスはすぐには答えなかった。じっと、刺すような視線を私に向け、私も逸らさずに見つめ返す。沈黙の時間が続いた。
そうしていると、先に視線を逸らしたのはセスだった。
「なんだよ、素性って。」
声色に、冷静に話をしてくれそうな気配を感じる。
「彼が、故カサム小国の王子だということだ。いや、だった、と言うべきかな。」
セスは何も言わなかった。眉を潜め、驚いた表情はしているが。
知らなかった、ということなのだろうか。
「カノイル・ヘリヌ・ローディリウス。昨日、彼はそう名乗っていた。自分の首に十分な価値があるから、君とシノアは見逃せ、と。」
力が抜けたように再び膝を付いたセスは、枷の付いた両の手を石床に叩き付けた。鎖が大きく鳴る。
小声で「何だよそれ…。」と漏らすと、強く打ちつけて痺れているのか、両手が小刻みに震えた。
「無闇矢鱈に体を傷つけるな。破傷風にでもなられたら困るよ。シノアも、私も。」
セスは下を向いたまま、力無く上体を起こした。やはり、打ち付けた拳の小指側、小指球一帯に血が滲んでいる。
「本人が名乗ったとはいえ確認も必要だからね、少し身体を調べさせてもらったよ。」
口元を強く引き締めたセスに、「悪く思わないでくれ。」とひと言落とす。
「首に下げていた指輪に、故カサム小国王家の紋章が刻まれていたよ。」
「あの指輪…。」
「見たことがある?」
私が訊くと、セスは1度ちらりと私を見て、すぐに視線を逸らした。
見た覚えはあるのだろうが、話してくれる気は無いらしい。
「ナイジェルという偽名については、偶然、私兵の中に知っている者がいたよ。攻城戦の折り、王子を逃がし、殿を務めた屈強な親衛隊長が、その名前だったって。これはまだ裏付けが取れていないから、確かではないけれどね。」
その兵は、今回の捜査でナイジェルという名を聞いてすぐにその親衛隊長を連想していたが、彼は猛獣の如く帝国軍の兵士を薙ぎ倒し、そのまま城で討ち取られた上、容姿的特徴も当てはまらない為、別人だと思ったらしい。
攻城戦時の私はというと、既に味方兵に救出され、戦力にならない体になっていた為に帝都へ送り返されていた。その為、私は知らなかったのだが、攻城戦に参戦した者たちの中では有名な敵将だったらしい。
「先代皇帝の時代は、故カサム小国の王族は見つけ次第処刑し、その首を皇帝へ捧げるようにと言われていたが、現皇帝陛下はその令を既に撤回している。もし王子を見つけても、話し合いの末に和解できそうであれば名誉を回復し、高い身分が与えられたはずだ。」
「なぜそう言いきれる?」
「私がそうするべきだと進言したからだよ。」
これには陛下も納得し、賛同を得られた。
「温情で言っているわけではないんだよ。その方が合理的だからだ。」
セスは納得いかないようで、目を尖らせた。捕らわれた獅子は簡単には警戒心を解いてくれない。
「陛下が目指していらっしゃるのは、人と人が手を取り合う国だ。争うのではなく。出自や人種で差別されず、人が人として暮らせる国を作ろうと尽力していらっしゃる。私はそんな陛下を、全面的に支持している。元王子の遺体を故国の地にて、故国の方法で葬ることで、陛下はカサム人に敬意を表したことになる。そしてそれは、カサム人を乱雑扱う者たちへの牽制にもなり得るんだ。」
だから、と続ける。
「君たちを騙そうとしているわけではなく、私たちには私たちなりの理由がある、と言えば君も納得してくれるかな?」
セスは押し黙った。なかなか言葉にはしてくれないが、表情に出してくれる為に分かりやすい。
すぐに頷いてはくれなさそうだが、静かに聞いてくれているだけまだ良い方だ。あとは1人になった時に思考を巡らせてくれればいい。
私の志はともかくとして、本題を進めることにした。
「私が君に訊きたかったことは、ナイジェルの遺体をどうしたいかってことなんだ。」
セスが顔を上げた。その険しい表情には、疑念の色が見て取れる。
「私としては、先にも言ったように故カサム小国の王子として扱いたいのだけれど、でも、君は彼と家族のように過ごしてきたのだろう?君たちが望むのなら、孤児院の近くにでも…。」
「あそこはダメだ!」
急に声を荒げたセスに、自然と瞼が開き眉が上がった。
セスはこちらの反応を見てから、はっとして再び俯いたが、その様は今までで1番真に迫っていたように思える。
私は右手の指先で自身の顎に触れた。
「なぜ?」
「…なんでもだ。」
「君たちは、孤児院で家族のように過ごしたのではないのかい?ナイジェルもそこへ帰りたいと願っているとは思わない?」
「あんな場所…あいつに相応しくない。」
あんな場所。互いに協力し合い、努力して生きてきた場所をそんな風に言うだろうか。
仲が良く、子供たちも大切にしていたと聞いていた。なぜ、その場所を蔑むような言い方をするのだろう。
しかし、頑なに眉を潜め口を固く結んでいるところを見るに、きっと答えてはもらえないだろう。そして、そう考えてしまった自分に呆れ、軽く息を吐いた。
ただ決める事だけ決めればいいのに、彼らを知りたいと思ってしまっている。
彼らの境遇を想像してしまうせいか、それともシノアの仲間だからなのか。どちらにせよ、あまり情を移さないように気を引き締めなければと、人差し指でこめかみを指圧した。
「…そう。…まぁ、君がそう言うのなら。」
背もたれに背を預けると、セスがゆっくりと顔を上げた。その視線には未だ警戒の色が取れないが、最初ほど尖ってはいないように見えた。
「どうして俺に決めさせるんだ?」
「決定権は私にある。君には意見を求めただけだよ。」
「なんで俺に意見を訊く?」
「なんでと言われても…。」
碧い瞳が品定めでもするように見つめてくる。警戒を解こうとしてくれているのだろうか。
いや、私がナイジェルの仇であることに変わりはない。そう簡単にあの身体が重くなるほどの憎悪が拭えるはずがない。
「言っただろう。人が人として暮らせる国を造ろうとしている陛下を、全面的に指示していると。」
「人が、人として…?」
「人ひとりの葬儀を行うのに、家族の意向を訊くのは当然だろう?」
はっ、とセスは口角を上げた。
「綺麗事だ。あんたはそうやって甘い顔を見せて、相手を自分の思うように動かしたいんだろう。」
「甘いつもりはないけれど、それで君が意のままに動いてくれるのなら、それはとても効率的だと思うね。」
「あんたは相手を思いやるふりをして、自分のことしか考えてねぇんだ。」
「自分、というのは語弊があるね。私が考えているのは、国のことだ。身分や出自がどうであれ、互いに尊重し合える国にしたいんだ。その為には、奴隷なんて制度は廃止し、ちゃんと人として生きるべきだし、その為には、人種による差別をどうにかしなければならない。奴隷のほとんどは、戦争で勝ち得た土地の民だからね。」
本当は、故カサム小国の元王子が生きていたのなら、帝国側と和解をし、国政に関わってもらうのが1番の近道だった。
「利用するような言い方で気疎いかもしれないけれど、ローディリウス王子の葬儀をカサムで執り行うことができたら、さっき言ったように少なからず得があるんだ。」
「そんな簡単に皆の価値観が変わるかよ。そんなのはただの理想論だ。」
「そうやって諦めてしまうより、もがきたいんだよ、私は。」
元はシノアの為にと思ったことだったけれど。私を助けてくれたあのカサム人の少女が、少しでも理不尽な扱いを受けないようにと。
政治家は、兵士としての生命を絶たれ、せめて自分にできることをと考えた末に、師匠が繋いでくれた道だった。
話が途切れ、静寂な間が生まれた。
私が話したこと、彼がしてきたこと、何か1つでも心に引っかかれば良いと思った。
まだ年若い青年だ。この先の人生全てを、憎しみに浪費してしまうのはあまりに惜しい。
シノアだってそうだ。私を助ける為の死の覚悟など、しなくても良かった。
ひと言、ただひと言相談してくれたら。私は、シノアの望みをできる限り叶えてあげると、伝えていたのだから。
拳を額に押し当てた。また頭痛が始まる予感がした。
セスを戻そうと思った時、不意に、勢いよくノック音が飛び込んできた。
シノアの世話をしていた女性の使用人だった。目を見開き、肩を上下させている。
その表情だけで心臓が高鳴った。
「ご主人様、お嬢様がお目覚めになりました。」
「君は彼の素性を知っていた?」
セスはすぐには答えなかった。じっと、刺すような視線を私に向け、私も逸らさずに見つめ返す。沈黙の時間が続いた。
そうしていると、先に視線を逸らしたのはセスだった。
「なんだよ、素性って。」
声色に、冷静に話をしてくれそうな気配を感じる。
「彼が、故カサム小国の王子だということだ。いや、だった、と言うべきかな。」
セスは何も言わなかった。眉を潜め、驚いた表情はしているが。
知らなかった、ということなのだろうか。
「カノイル・ヘリヌ・ローディリウス。昨日、彼はそう名乗っていた。自分の首に十分な価値があるから、君とシノアは見逃せ、と。」
力が抜けたように再び膝を付いたセスは、枷の付いた両の手を石床に叩き付けた。鎖が大きく鳴る。
小声で「何だよそれ…。」と漏らすと、強く打ちつけて痺れているのか、両手が小刻みに震えた。
「無闇矢鱈に体を傷つけるな。破傷風にでもなられたら困るよ。シノアも、私も。」
セスは下を向いたまま、力無く上体を起こした。やはり、打ち付けた拳の小指側、小指球一帯に血が滲んでいる。
「本人が名乗ったとはいえ確認も必要だからね、少し身体を調べさせてもらったよ。」
口元を強く引き締めたセスに、「悪く思わないでくれ。」とひと言落とす。
「首に下げていた指輪に、故カサム小国王家の紋章が刻まれていたよ。」
「あの指輪…。」
「見たことがある?」
私が訊くと、セスは1度ちらりと私を見て、すぐに視線を逸らした。
見た覚えはあるのだろうが、話してくれる気は無いらしい。
「ナイジェルという偽名については、偶然、私兵の中に知っている者がいたよ。攻城戦の折り、王子を逃がし、殿を務めた屈強な親衛隊長が、その名前だったって。これはまだ裏付けが取れていないから、確かではないけれどね。」
その兵は、今回の捜査でナイジェルという名を聞いてすぐにその親衛隊長を連想していたが、彼は猛獣の如く帝国軍の兵士を薙ぎ倒し、そのまま城で討ち取られた上、容姿的特徴も当てはまらない為、別人だと思ったらしい。
攻城戦時の私はというと、既に味方兵に救出され、戦力にならない体になっていた為に帝都へ送り返されていた。その為、私は知らなかったのだが、攻城戦に参戦した者たちの中では有名な敵将だったらしい。
「先代皇帝の時代は、故カサム小国の王族は見つけ次第処刑し、その首を皇帝へ捧げるようにと言われていたが、現皇帝陛下はその令を既に撤回している。もし王子を見つけても、話し合いの末に和解できそうであれば名誉を回復し、高い身分が与えられたはずだ。」
「なぜそう言いきれる?」
「私がそうするべきだと進言したからだよ。」
これには陛下も納得し、賛同を得られた。
「温情で言っているわけではないんだよ。その方が合理的だからだ。」
セスは納得いかないようで、目を尖らせた。捕らわれた獅子は簡単には警戒心を解いてくれない。
「陛下が目指していらっしゃるのは、人と人が手を取り合う国だ。争うのではなく。出自や人種で差別されず、人が人として暮らせる国を作ろうと尽力していらっしゃる。私はそんな陛下を、全面的に支持している。元王子の遺体を故国の地にて、故国の方法で葬ることで、陛下はカサム人に敬意を表したことになる。そしてそれは、カサム人を乱雑扱う者たちへの牽制にもなり得るんだ。」
だから、と続ける。
「君たちを騙そうとしているわけではなく、私たちには私たちなりの理由がある、と言えば君も納得してくれるかな?」
セスは押し黙った。なかなか言葉にはしてくれないが、表情に出してくれる為に分かりやすい。
すぐに頷いてはくれなさそうだが、静かに聞いてくれているだけまだ良い方だ。あとは1人になった時に思考を巡らせてくれればいい。
私の志はともかくとして、本題を進めることにした。
「私が君に訊きたかったことは、ナイジェルの遺体をどうしたいかってことなんだ。」
セスが顔を上げた。その険しい表情には、疑念の色が見て取れる。
「私としては、先にも言ったように故カサム小国の王子として扱いたいのだけれど、でも、君は彼と家族のように過ごしてきたのだろう?君たちが望むのなら、孤児院の近くにでも…。」
「あそこはダメだ!」
急に声を荒げたセスに、自然と瞼が開き眉が上がった。
セスはこちらの反応を見てから、はっとして再び俯いたが、その様は今までで1番真に迫っていたように思える。
私は右手の指先で自身の顎に触れた。
「なぜ?」
「…なんでもだ。」
「君たちは、孤児院で家族のように過ごしたのではないのかい?ナイジェルもそこへ帰りたいと願っているとは思わない?」
「あんな場所…あいつに相応しくない。」
あんな場所。互いに協力し合い、努力して生きてきた場所をそんな風に言うだろうか。
仲が良く、子供たちも大切にしていたと聞いていた。なぜ、その場所を蔑むような言い方をするのだろう。
しかし、頑なに眉を潜め口を固く結んでいるところを見るに、きっと答えてはもらえないだろう。そして、そう考えてしまった自分に呆れ、軽く息を吐いた。
ただ決める事だけ決めればいいのに、彼らを知りたいと思ってしまっている。
彼らの境遇を想像してしまうせいか、それともシノアの仲間だからなのか。どちらにせよ、あまり情を移さないように気を引き締めなければと、人差し指でこめかみを指圧した。
「…そう。…まぁ、君がそう言うのなら。」
背もたれに背を預けると、セスがゆっくりと顔を上げた。その視線には未だ警戒の色が取れないが、最初ほど尖ってはいないように見えた。
「どうして俺に決めさせるんだ?」
「決定権は私にある。君には意見を求めただけだよ。」
「なんで俺に意見を訊く?」
「なんでと言われても…。」
碧い瞳が品定めでもするように見つめてくる。警戒を解こうとしてくれているのだろうか。
いや、私がナイジェルの仇であることに変わりはない。そう簡単にあの身体が重くなるほどの憎悪が拭えるはずがない。
「言っただろう。人が人として暮らせる国を造ろうとしている陛下を、全面的に指示していると。」
「人が、人として…?」
「人ひとりの葬儀を行うのに、家族の意向を訊くのは当然だろう?」
はっ、とセスは口角を上げた。
「綺麗事だ。あんたはそうやって甘い顔を見せて、相手を自分の思うように動かしたいんだろう。」
「甘いつもりはないけれど、それで君が意のままに動いてくれるのなら、それはとても効率的だと思うね。」
「あんたは相手を思いやるふりをして、自分のことしか考えてねぇんだ。」
「自分、というのは語弊があるね。私が考えているのは、国のことだ。身分や出自がどうであれ、互いに尊重し合える国にしたいんだ。その為には、奴隷なんて制度は廃止し、ちゃんと人として生きるべきだし、その為には、人種による差別をどうにかしなければならない。奴隷のほとんどは、戦争で勝ち得た土地の民だからね。」
本当は、故カサム小国の元王子が生きていたのなら、帝国側と和解をし、国政に関わってもらうのが1番の近道だった。
「利用するような言い方で気疎いかもしれないけれど、ローディリウス王子の葬儀をカサムで執り行うことができたら、さっき言ったように少なからず得があるんだ。」
「そんな簡単に皆の価値観が変わるかよ。そんなのはただの理想論だ。」
「そうやって諦めてしまうより、もがきたいんだよ、私は。」
元はシノアの為にと思ったことだったけれど。私を助けてくれたあのカサム人の少女が、少しでも理不尽な扱いを受けないようにと。
政治家は、兵士としての生命を絶たれ、せめて自分にできることをと考えた末に、師匠が繋いでくれた道だった。
話が途切れ、静寂な間が生まれた。
私が話したこと、彼がしてきたこと、何か1つでも心に引っかかれば良いと思った。
まだ年若い青年だ。この先の人生全てを、憎しみに浪費してしまうのはあまりに惜しい。
シノアだってそうだ。私を助ける為の死の覚悟など、しなくても良かった。
ひと言、ただひと言相談してくれたら。私は、シノアの望みをできる限り叶えてあげると、伝えていたのだから。
拳を額に押し当てた。また頭痛が始まる予感がした。
セスを戻そうと思った時、不意に、勢いよくノック音が飛び込んできた。
シノアの世話をしていた女性の使用人だった。目を見開き、肩を上下させている。
その表情だけで心臓が高鳴った。
「ご主人様、お嬢様がお目覚めになりました。」
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