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第2部
40.
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「第2庭園って、ここ以外にも中庭があるってことですか?」
「うん。すぐ向こうに。」
気まずそうにするシノアの手を引き、目下の中庭を通り過ぎ、談話室横の通路を抜けるとすぐの場所にある第2庭園は、コリント式の壮麗な支柱に囲まれ、食堂から眺めることのできた先ほどの中庭の約5倍もの広さがある。
緑が広がる庭の中央には長方形型の水盤があり、その周囲には点々と鳥や犬や蛇などの動物たちの像が、中には、まるで水面の上に立っているかのようなニンフ像が3体も配置されている。
初めて私が足を踏み入れた時は、その神々しさに、別世界に紛れ込んでしまったかと思ったほどだ。シノアが声を失うほど目を奪われるのも当然のことだった。
「師匠の母上様の嗜好らしいよ。壮観だよね。」
「ど…どこの広場に出ちゃったんですか?」
「はは、まだ師匠のお屋敷だよ。」
「すごい…ですね。」
気持ちは分かる。すごく分かるのだが、あまりに感激されてしまうと嫉妬と焦燥が湧き上がる。
贅沢をさせてあげられるとは言ったものの、その財は由緒正しい名家の貴族には及ばない。
「さすがにこの規模の庭園は用意してあげられないな…。ごめんね?」
「いえいえいえいえ!いらないです!こんなの用意されたら萎縮しちゃいます!」
全力で手と首を左右に動かすシノアに、内心安堵する。
「でも、ここへは度々来るだろうから、子供が生まれたらここで遊ばせてもらおうね。」
「あ…はい。」
消え入りそうな「そうですね。」を聞いて、しまったと思った。
将来の子供の話をする前に、結婚を申し込まねばならなかった。
いじらしく私の指に自身の指を絡めてくるシノア。その手を引いて、伏し目がちな彼女を水盤の方へと誘った。
風は凪ぎ、おとなしい水面には空が映る。そこに、ぽつんと浮かぶ月が見えた。
夕方に見ることのできる、左側が欠けた上弦の月。
これまでは、その月を見るたび内心妬ましく感じたものだった。
お前は数日後には満月か。その言葉が脳裏を横切り心の底に羨望の影を落とした。
それが今ではどうだ。遠くに感じていたその月が、まるで自分のようにすら思える。
「トレシュ…やっぱり怒ってます?」
水面の月を眺めたまま黙りこくった私に不安になったのか、シノアが可愛らしく私の顔を覗き込んできた。
自然と頬が緩む。そして、「いいや。」と空を見上げた。
「まだ日も暮れていないのに、月が見えるだろう?」
「あ、本当ですね。」
「左側が欠けた月は。」
「これから満ちゆく月なんですよね?」
私が言う前に続きを取られ、目を瞬いてシノアを見ると、彼女は「昔、脚を怪我した兵士に聞きました。」とはにかんだ。
思わず彼女を抱き締めた。
苦しいかもしれないと思いつつも衝動に身を任せ、力いっぱい彼女を腕に閉じ込めて、その側頭部に頬を擦り寄せた。
「満たされるというのは、少し、恐ろしいね。」
同時に、喪失する不安も押し寄せて来るから。
返事の代わりに、私の背に回されたシノア手が、私の服を引っ張った。
少し腕を緩めると、すぐにシノアが顔を上げた。
「苦しいです。」
「ごめん。」
止められなかったのだ。一瞬、理性をどこかへ失くしてしまいそうになった。
「シノア、私は君がいてくれるだけで、心がどんどん満たされて、胸の内から温かくなっていくんだ。力が湧いてくる。」
「私は…。」
シノアは俯き、私の胸に頭を預けた。
「私は、この国が嫌いです。」
「…うん。」
「故郷を奪われた悲しみも、ローニヤンの町人たちが病気のアウローラを見放した恨みも、ナイジェルへの罪悪感も、ずっと残っているし、今まで殺してきた奴らのことも、…死んで当然だって…そんな考えが拭えません。」
「うん。」
「でも、トレシュといると変われる気がして…。」
シノアの頭をそっと撫でる。
「変わりたいの?」
「…分かりません。でも、トレシュの妻に相応しくないのは分かります。」
もしかして、断られる流れだろうか。
「シノア、前にも言ったけど、私は聖人君子では…。」
はっきりと断られる前に止めようとしたが、離した体の隙間から伸びてきた小さな手に口を塞がれ、その大胆さに心臓が大きく鼓動した。
澄んだ碧い瞳が、真っ直ぐに私を射抜く。
「それでも、そう成れるように頑張りますから、相応しくあるように。だから、トレシュ、…私をお嫁に貰ってください。」
顔を真っ赤にしながらもはっきりとそう口にしたシノアは、どうにか欲しい言葉を引き出そうと画策する私などより余程真っ直ぐで、強く胸を打たれた。
同時に、どうしようもなく彼女への愛しさが溢れる。
「あっはっはっはっ。」
あまりの喜びから笑いが湧き上がり、脱力した為にその場に、水盤の縁に寄りかかるような形で座り込んだ。
「私…トレシュに恥をかかせた上に、2度もプロポーズさせるわけにはいかないと思って…。…間違えましたか?」
「あっはっは、いや、違うんだ。君があまりにも格好良いから。」
頬を赤く染め上げたままたじろぐ彼女に手を伸ばし、私の足の上に誘導する。
「痛くないですか?」
「大丈夫。」
シノアは私の両大腿部を跨ぎ、向い合った状態で、遠慮がちに膝をついて腰を下ろした。
官能的な姿勢に湧き上がる情欲を我慢して、愛しい彼女を抱きしめるにとどめる。
「私のお嫁さんになってくれるの?」
「…してもらえますか?」
「実は色々、準備は進めておりまして。」
「そうですよね。すみません。」
2人で笑い合い、満足のため息をついた。
シノアに結婚の意が伝わっておらず、1人浮かれて恥ずかしい思いはしたものの、そのおかげでこんなに可愛い言葉を貰えたのだと思うと、むしろこれで良かったかもしれないと、後悔の念が打ち消された。
シノアの顎を少し持ち上げ、キスをする。それから額を合わせ、鼻の頭が僅かに触れると、今度はシノアからキスを返してくれた。
「準備って、何をしてるんですか?」
「結婚式の神殿とか、婚礼衣装とか、師匠に相談していてね。指輪はもう少し待ってくれ。帝都で用意しようと思っていたから。」
「そんなに…。」
「あ、気負わなくていいからね。なるべくこじんまりと平民の規模で済ませる予定だから。」
私のような新興貴族が派手な式を挙げて要らぬ妬みを買いたくはないし、シノアをあまり公の場に出したくない。
片腕ということにも注目されるだろうし、何よりも、シノアは贔屓目無しでも飛び抜けて端麗な容姿をしているのだ。強欲な変態に目を付けられたくない。
「何か希望があれば聞くけれど。」
「特にないです。というか、そういうことには疎くて…よく分かりません。」
「そうか。それなら色々決まり次第、君にも伝えるようにするね。もし不都合があれば、その時教えてくれたらいいよ。」
「はい、ありがとうございます。」
考えてみると、シノアが疎いという前に出身が違うのだから、式の文化も異なるのかもしれない。
暖かく微笑むシノアに再び唇を寄せると、彼女の頭越しにガザリが歩いて来るのが見えた。
真っ直ぐとこちらに向かって来るので、唇を離し、顔を上げた。
「どうかしたのか?」
ガザリが気まずそうに僅かに視線を外すと、シノアが慌てて私の上から退き、立ち上がった。
「お邪魔をして申し訳ありません。」
そういう言われ方をすると少々気恥ずかしいのだが。
「ヘライオス様がお呼びです。」
「何かあったの?」
「それが、御2人の仲睦まじい様子を目撃した使用人たちが、はしゃいでヘライオス様にご報告なさり。」
いくら広いとはいえ、開けた庭の中心にいれば見られるのは致し方ない。恐ろしい速さで使用人の間に噂が出回るに違いない。
特に不都合もないが。
「ヘライオス様が、自分を放っていちゃつくとは何事かとご立腹に。」
「ああ。」
「用事が済んだのならすぐ戻るようにと。」
「分かったよ。わざわざすまないね、ガザリ。」
「いえ。」
シノアとガザリの手を借りて立ち上がった。
確信がある。師匠は立腹などしていないだろう。そうやって呼んでおいて、きっと上機嫌で私を弄び、酒の肴にするつもりなのだ。
シノアとの結婚を決めた時から覚悟をしていたことだ。飄々と乗り切ってみせる。
食堂に戻ると案の定、そこには厭らしく口角を上げた師匠が待っていた。
「うん。すぐ向こうに。」
気まずそうにするシノアの手を引き、目下の中庭を通り過ぎ、談話室横の通路を抜けるとすぐの場所にある第2庭園は、コリント式の壮麗な支柱に囲まれ、食堂から眺めることのできた先ほどの中庭の約5倍もの広さがある。
緑が広がる庭の中央には長方形型の水盤があり、その周囲には点々と鳥や犬や蛇などの動物たちの像が、中には、まるで水面の上に立っているかのようなニンフ像が3体も配置されている。
初めて私が足を踏み入れた時は、その神々しさに、別世界に紛れ込んでしまったかと思ったほどだ。シノアが声を失うほど目を奪われるのも当然のことだった。
「師匠の母上様の嗜好らしいよ。壮観だよね。」
「ど…どこの広場に出ちゃったんですか?」
「はは、まだ師匠のお屋敷だよ。」
「すごい…ですね。」
気持ちは分かる。すごく分かるのだが、あまりに感激されてしまうと嫉妬と焦燥が湧き上がる。
贅沢をさせてあげられるとは言ったものの、その財は由緒正しい名家の貴族には及ばない。
「さすがにこの規模の庭園は用意してあげられないな…。ごめんね?」
「いえいえいえいえ!いらないです!こんなの用意されたら萎縮しちゃいます!」
全力で手と首を左右に動かすシノアに、内心安堵する。
「でも、ここへは度々来るだろうから、子供が生まれたらここで遊ばせてもらおうね。」
「あ…はい。」
消え入りそうな「そうですね。」を聞いて、しまったと思った。
将来の子供の話をする前に、結婚を申し込まねばならなかった。
いじらしく私の指に自身の指を絡めてくるシノア。その手を引いて、伏し目がちな彼女を水盤の方へと誘った。
風は凪ぎ、おとなしい水面には空が映る。そこに、ぽつんと浮かぶ月が見えた。
夕方に見ることのできる、左側が欠けた上弦の月。
これまでは、その月を見るたび内心妬ましく感じたものだった。
お前は数日後には満月か。その言葉が脳裏を横切り心の底に羨望の影を落とした。
それが今ではどうだ。遠くに感じていたその月が、まるで自分のようにすら思える。
「トレシュ…やっぱり怒ってます?」
水面の月を眺めたまま黙りこくった私に不安になったのか、シノアが可愛らしく私の顔を覗き込んできた。
自然と頬が緩む。そして、「いいや。」と空を見上げた。
「まだ日も暮れていないのに、月が見えるだろう?」
「あ、本当ですね。」
「左側が欠けた月は。」
「これから満ちゆく月なんですよね?」
私が言う前に続きを取られ、目を瞬いてシノアを見ると、彼女は「昔、脚を怪我した兵士に聞きました。」とはにかんだ。
思わず彼女を抱き締めた。
苦しいかもしれないと思いつつも衝動に身を任せ、力いっぱい彼女を腕に閉じ込めて、その側頭部に頬を擦り寄せた。
「満たされるというのは、少し、恐ろしいね。」
同時に、喪失する不安も押し寄せて来るから。
返事の代わりに、私の背に回されたシノア手が、私の服を引っ張った。
少し腕を緩めると、すぐにシノアが顔を上げた。
「苦しいです。」
「ごめん。」
止められなかったのだ。一瞬、理性をどこかへ失くしてしまいそうになった。
「シノア、私は君がいてくれるだけで、心がどんどん満たされて、胸の内から温かくなっていくんだ。力が湧いてくる。」
「私は…。」
シノアは俯き、私の胸に頭を預けた。
「私は、この国が嫌いです。」
「…うん。」
「故郷を奪われた悲しみも、ローニヤンの町人たちが病気のアウローラを見放した恨みも、ナイジェルへの罪悪感も、ずっと残っているし、今まで殺してきた奴らのことも、…死んで当然だって…そんな考えが拭えません。」
「うん。」
「でも、トレシュといると変われる気がして…。」
シノアの頭をそっと撫でる。
「変わりたいの?」
「…分かりません。でも、トレシュの妻に相応しくないのは分かります。」
もしかして、断られる流れだろうか。
「シノア、前にも言ったけど、私は聖人君子では…。」
はっきりと断られる前に止めようとしたが、離した体の隙間から伸びてきた小さな手に口を塞がれ、その大胆さに心臓が大きく鼓動した。
澄んだ碧い瞳が、真っ直ぐに私を射抜く。
「それでも、そう成れるように頑張りますから、相応しくあるように。だから、トレシュ、…私をお嫁に貰ってください。」
顔を真っ赤にしながらもはっきりとそう口にしたシノアは、どうにか欲しい言葉を引き出そうと画策する私などより余程真っ直ぐで、強く胸を打たれた。
同時に、どうしようもなく彼女への愛しさが溢れる。
「あっはっはっはっ。」
あまりの喜びから笑いが湧き上がり、脱力した為にその場に、水盤の縁に寄りかかるような形で座り込んだ。
「私…トレシュに恥をかかせた上に、2度もプロポーズさせるわけにはいかないと思って…。…間違えましたか?」
「あっはっは、いや、違うんだ。君があまりにも格好良いから。」
頬を赤く染め上げたままたじろぐ彼女に手を伸ばし、私の足の上に誘導する。
「痛くないですか?」
「大丈夫。」
シノアは私の両大腿部を跨ぎ、向い合った状態で、遠慮がちに膝をついて腰を下ろした。
官能的な姿勢に湧き上がる情欲を我慢して、愛しい彼女を抱きしめるにとどめる。
「私のお嫁さんになってくれるの?」
「…してもらえますか?」
「実は色々、準備は進めておりまして。」
「そうですよね。すみません。」
2人で笑い合い、満足のため息をついた。
シノアに結婚の意が伝わっておらず、1人浮かれて恥ずかしい思いはしたものの、そのおかげでこんなに可愛い言葉を貰えたのだと思うと、むしろこれで良かったかもしれないと、後悔の念が打ち消された。
シノアの顎を少し持ち上げ、キスをする。それから額を合わせ、鼻の頭が僅かに触れると、今度はシノアからキスを返してくれた。
「準備って、何をしてるんですか?」
「結婚式の神殿とか、婚礼衣装とか、師匠に相談していてね。指輪はもう少し待ってくれ。帝都で用意しようと思っていたから。」
「そんなに…。」
「あ、気負わなくていいからね。なるべくこじんまりと平民の規模で済ませる予定だから。」
私のような新興貴族が派手な式を挙げて要らぬ妬みを買いたくはないし、シノアをあまり公の場に出したくない。
片腕ということにも注目されるだろうし、何よりも、シノアは贔屓目無しでも飛び抜けて端麗な容姿をしているのだ。強欲な変態に目を付けられたくない。
「何か希望があれば聞くけれど。」
「特にないです。というか、そういうことには疎くて…よく分かりません。」
「そうか。それなら色々決まり次第、君にも伝えるようにするね。もし不都合があれば、その時教えてくれたらいいよ。」
「はい、ありがとうございます。」
考えてみると、シノアが疎いという前に出身が違うのだから、式の文化も異なるのかもしれない。
暖かく微笑むシノアに再び唇を寄せると、彼女の頭越しにガザリが歩いて来るのが見えた。
真っ直ぐとこちらに向かって来るので、唇を離し、顔を上げた。
「どうかしたのか?」
ガザリが気まずそうに僅かに視線を外すと、シノアが慌てて私の上から退き、立ち上がった。
「お邪魔をして申し訳ありません。」
そういう言われ方をすると少々気恥ずかしいのだが。
「ヘライオス様がお呼びです。」
「何かあったの?」
「それが、御2人の仲睦まじい様子を目撃した使用人たちが、はしゃいでヘライオス様にご報告なさり。」
いくら広いとはいえ、開けた庭の中心にいれば見られるのは致し方ない。恐ろしい速さで使用人の間に噂が出回るに違いない。
特に不都合もないが。
「ヘライオス様が、自分を放っていちゃつくとは何事かとご立腹に。」
「ああ。」
「用事が済んだのならすぐ戻るようにと。」
「分かったよ。わざわざすまないね、ガザリ。」
「いえ。」
シノアとガザリの手を借りて立ち上がった。
確信がある。師匠は立腹などしていないだろう。そうやって呼んでおいて、きっと上機嫌で私を弄び、酒の肴にするつもりなのだ。
シノアとの結婚を決めた時から覚悟をしていたことだ。飄々と乗り切ってみせる。
食堂に戻ると案の定、そこには厭らしく口角を上げた師匠が待っていた。
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