18 / 18
第17話『禁書が結ぶもの』
しおりを挟む
頭が重い。
目を開けると、見慣れない天井が視界に飛び込んできた。体の芯が冷えている。まるで氷水に漬かっていたような——
「……あの本は、何だったの?」
かすれた声が、静かな部屋に落ちる。隣の椅子で剣を抱いたまま眠るリュゼルの寝顔が、朝の光に照らされていた。
(ずっと、そばにいてくれたんだ……)
胸が、じんわりと温かくなる。
床がきしんだ瞬間、リュゼルがすぐに目を覚ました。
「……起きたか。体調は?」
「うん、大丈夫。ありがとう……リュゼル」
少しの沈黙。リュゼルが切り出しかけたが、晴歌は首を横に振った。
「今は……ちょっと、整理がつかなくて。ごめん」
「……わかった。無理に聞かない」
窓の外から朝の光が差し込んでいる。
「ギルド登録、まだだったよな」
「うん……行かなきゃ」
「なら、案内する。朝飯も食べてないだろ?」
リュゼルの気遣いに、晴歌は小さく笑った。
---
宿の食堂で朝食をとりながら、リュゼルは王都での暮らし方を教えてくれた。
「通貨は三種類。銀貨が基本で、金貨はその十倍、銅貨はその十分の一」
「へぇ……昔のゲームみたい」
ギルドへの道すがら、昨日倒れていた図書館の前を通る。扉は固く閉ざされ、騎士が警戒していた。
(あの光……まだ体の奥に残ってる気がする)
ギルドの受付で名前と年齢を伝え、魔力を通すと、小さな金属プレートが青白く淡く光った。
「これが登録証です。大切に保管してくださいね」
手のひらに収まる薄い金属のプレート。自分の名前が、ゆらめくように浮かび上がる。
周囲では、傷だらけの剣を腰に下げた冒険者たちが依頼板を眺め、仲間と笑い合っている。皆、ここに"居場所"がある。当たり前のように、この世界に根を張って生きている。
プレートを握りしめる。冷たい金属の感触が、妙にリアルだった。
(ようやく、私にも……この世界での"居場所"ができた)
「最初の依頼は、何にする?」
リュゼルの質問に、晴歌は依頼板を見つめた。
「薬草採集がいいかな。一人でもできそうだし」
「……そうか。気をつけろよ」
リュゼルは少し名残惜しそうだったが、晴歌の決意を尊重してくれた。
---
王都の門をくぐろうとした、その瞬間。
「見つけたぁ!」
風を切るような声と共に、人影が飛び込んできた。
「ちょ、待っ——」
両手を掴まれ、くるりと回される。
「やっぱりハルカだ! 間違いない!」
絹のような金髪が陽光に舞い、深紫の瞳が輝いている。
「フィ、フィアナ!?」
晴歌は驚きで立ち尽くした。なぜここに。なぜ森を出て。
フィアナはようやく手を離し、晴歌の戸惑った表情を見て、少し寂しそうに笑った。
「そんなに驚かなくても……会いに来ちゃダメだった?」
だが、その明るい笑顔の奥に、いつもとは違う真剣な光が宿っていた。
「どうしたの? 森を出るの珍しいって、ティオが言ってたのに」
「ちょっと気になることがあってね」
フィアナの視線が、晴歌の体をゆっくりと観察する。まるで何かを確かめるように。
「依頼?」
「うん。薬草採集なんだけど」
「私も行く! 護衛してあげるから!」
フィアナに腕を引っ張られ、晴歌は王都の外へと向かった。
---
草原を歩きながら、フィアナがぽつりと呟いた。
「ねぇハルカ。最近、何か変なことなかった?」
「変なこと?」
「魔力が……前と違う感じがするの」
胸がどきりと跳ねた。
「……実は、王都で変な場所に入っちゃって」
「変な場所?」
「『黒の図書館』っていう、古い図書館。呼ばれてるような感じがして……扉を開けたら、本がいっぱいあって」
言いかけた瞬間、フィアナの表情が凍りついた。
「それで? 何があったの?」
「一冊の本が、空中に現れて。その名前が——リベル=マギア・オムニア……って」
空気が張り詰めた。
「リベル=マギア・オムニア!?」
木陰から、ティオが姿を現した。銀色の瞳が驚きで大きく見開かれている。
「ティオまで……なんでここに!?」
「待ってたんだよ。フィアナが『絶対ここを通るはず』って言うから」
「そんなことより! 本当にその名を見たのか?」
晴歌が頷くと、ティオの顔色が変わる。
「その本は"神が封じた原初の知識"だ。触れることすら、神が恐れたほどのものだ」
「え……」
晴歌の手が震えた。あの時、本から放たれた光。体を貫いた冷たさ。まるで存在そのものが否定されるような——
「魂ごと消されていてもおかしくなかった。晴歌が無事だったのは……奇跡に近い」
「っ……」
息が、詰まる。膝が震えて、その場に崩れ落ちそうになった。
フィアナが慌てて肩を支える。
「見た目は平然としてるけど……本当に、危ないことしたね」
ティオが晴歌の頬を軽くつねる。痛みと共に、現実感が戻ってくる。
「私、そんなつもりじゃ……ただ、気づいたら目の前にあって……」
「晴歌は禁書に"喚ばれた"のかもね」
フィアナの言葉に、晴歌は息を呑んだ。
「でも、それだけじゃない。君の魔力、明らかにおかしいよ」
ティオの視線が、晴歌の体を貫く。
沈黙が降りた。冷たい風が、三人の間を吹き抜けていく。
「教えてくれないか、晴歌」
ティオの声が、いつになく低く、重い。
「君は……本当は、どこから来たんだ?」
---
空気が凍りついた。答えなければならない。でも、どう説明すれば——
その時。草むらがさらりと揺れた。
「……その話なら、俺も聞きたい」
低く、静かな声。晴歌の心臓が跳ねた。
銀髪が木漏れ日に光る。金色の瞳が、まっすぐこちらを見つめていた。
「リュゼル……なんで……」
「……護衛はいらないって言ったけど」
リュゼルが視線をそらす。
「昨日、お前が倒れてるのを見たから。それで……一人で行かせるのは、心配だった」
言ってから、リュゼルは少し後悔したような顔をする。耳がかすかに赤い。
その言葉に、晴歌の胸が熱くなる。
でも、今はそれどころじゃない。
四人がそろった。運命の歯車が、音を立てて回り始める。
そして、誰もが晴歌の答えを待っている。
重い沈黙が流れる。三人の視線が、すべて晴歌に注がれている。
(言わなきゃ、いけないのかな……)
口を開きかけて、閉じる。何を言えばいい? どこから話せばいい?
(でも、信じてもらえる? 元の世界のこと、異世界から来たこと……)
言葉が、喉の奥で詰まっていた。
晴歌は必死に笑顔を作った。
「……せっかく四人そろったんだし、まずはご飯でも食べない?」
ティオとフィアナが顔を見合わせる。リュゼルは、じっと晴歌を見つめたまま何も言わなかった。
(逃げてる……私、逃げてる)
それでも、今はまだ——言葉にする勇気が、出なかった。
目を開けると、見慣れない天井が視界に飛び込んできた。体の芯が冷えている。まるで氷水に漬かっていたような——
「……あの本は、何だったの?」
かすれた声が、静かな部屋に落ちる。隣の椅子で剣を抱いたまま眠るリュゼルの寝顔が、朝の光に照らされていた。
(ずっと、そばにいてくれたんだ……)
胸が、じんわりと温かくなる。
床がきしんだ瞬間、リュゼルがすぐに目を覚ました。
「……起きたか。体調は?」
「うん、大丈夫。ありがとう……リュゼル」
少しの沈黙。リュゼルが切り出しかけたが、晴歌は首を横に振った。
「今は……ちょっと、整理がつかなくて。ごめん」
「……わかった。無理に聞かない」
窓の外から朝の光が差し込んでいる。
「ギルド登録、まだだったよな」
「うん……行かなきゃ」
「なら、案内する。朝飯も食べてないだろ?」
リュゼルの気遣いに、晴歌は小さく笑った。
---
宿の食堂で朝食をとりながら、リュゼルは王都での暮らし方を教えてくれた。
「通貨は三種類。銀貨が基本で、金貨はその十倍、銅貨はその十分の一」
「へぇ……昔のゲームみたい」
ギルドへの道すがら、昨日倒れていた図書館の前を通る。扉は固く閉ざされ、騎士が警戒していた。
(あの光……まだ体の奥に残ってる気がする)
ギルドの受付で名前と年齢を伝え、魔力を通すと、小さな金属プレートが青白く淡く光った。
「これが登録証です。大切に保管してくださいね」
手のひらに収まる薄い金属のプレート。自分の名前が、ゆらめくように浮かび上がる。
周囲では、傷だらけの剣を腰に下げた冒険者たちが依頼板を眺め、仲間と笑い合っている。皆、ここに"居場所"がある。当たり前のように、この世界に根を張って生きている。
プレートを握りしめる。冷たい金属の感触が、妙にリアルだった。
(ようやく、私にも……この世界での"居場所"ができた)
「最初の依頼は、何にする?」
リュゼルの質問に、晴歌は依頼板を見つめた。
「薬草採集がいいかな。一人でもできそうだし」
「……そうか。気をつけろよ」
リュゼルは少し名残惜しそうだったが、晴歌の決意を尊重してくれた。
---
王都の門をくぐろうとした、その瞬間。
「見つけたぁ!」
風を切るような声と共に、人影が飛び込んできた。
「ちょ、待っ——」
両手を掴まれ、くるりと回される。
「やっぱりハルカだ! 間違いない!」
絹のような金髪が陽光に舞い、深紫の瞳が輝いている。
「フィ、フィアナ!?」
晴歌は驚きで立ち尽くした。なぜここに。なぜ森を出て。
フィアナはようやく手を離し、晴歌の戸惑った表情を見て、少し寂しそうに笑った。
「そんなに驚かなくても……会いに来ちゃダメだった?」
だが、その明るい笑顔の奥に、いつもとは違う真剣な光が宿っていた。
「どうしたの? 森を出るの珍しいって、ティオが言ってたのに」
「ちょっと気になることがあってね」
フィアナの視線が、晴歌の体をゆっくりと観察する。まるで何かを確かめるように。
「依頼?」
「うん。薬草採集なんだけど」
「私も行く! 護衛してあげるから!」
フィアナに腕を引っ張られ、晴歌は王都の外へと向かった。
---
草原を歩きながら、フィアナがぽつりと呟いた。
「ねぇハルカ。最近、何か変なことなかった?」
「変なこと?」
「魔力が……前と違う感じがするの」
胸がどきりと跳ねた。
「……実は、王都で変な場所に入っちゃって」
「変な場所?」
「『黒の図書館』っていう、古い図書館。呼ばれてるような感じがして……扉を開けたら、本がいっぱいあって」
言いかけた瞬間、フィアナの表情が凍りついた。
「それで? 何があったの?」
「一冊の本が、空中に現れて。その名前が——リベル=マギア・オムニア……って」
空気が張り詰めた。
「リベル=マギア・オムニア!?」
木陰から、ティオが姿を現した。銀色の瞳が驚きで大きく見開かれている。
「ティオまで……なんでここに!?」
「待ってたんだよ。フィアナが『絶対ここを通るはず』って言うから」
「そんなことより! 本当にその名を見たのか?」
晴歌が頷くと、ティオの顔色が変わる。
「その本は"神が封じた原初の知識"だ。触れることすら、神が恐れたほどのものだ」
「え……」
晴歌の手が震えた。あの時、本から放たれた光。体を貫いた冷たさ。まるで存在そのものが否定されるような——
「魂ごと消されていてもおかしくなかった。晴歌が無事だったのは……奇跡に近い」
「っ……」
息が、詰まる。膝が震えて、その場に崩れ落ちそうになった。
フィアナが慌てて肩を支える。
「見た目は平然としてるけど……本当に、危ないことしたね」
ティオが晴歌の頬を軽くつねる。痛みと共に、現実感が戻ってくる。
「私、そんなつもりじゃ……ただ、気づいたら目の前にあって……」
「晴歌は禁書に"喚ばれた"のかもね」
フィアナの言葉に、晴歌は息を呑んだ。
「でも、それだけじゃない。君の魔力、明らかにおかしいよ」
ティオの視線が、晴歌の体を貫く。
沈黙が降りた。冷たい風が、三人の間を吹き抜けていく。
「教えてくれないか、晴歌」
ティオの声が、いつになく低く、重い。
「君は……本当は、どこから来たんだ?」
---
空気が凍りついた。答えなければならない。でも、どう説明すれば——
その時。草むらがさらりと揺れた。
「……その話なら、俺も聞きたい」
低く、静かな声。晴歌の心臓が跳ねた。
銀髪が木漏れ日に光る。金色の瞳が、まっすぐこちらを見つめていた。
「リュゼル……なんで……」
「……護衛はいらないって言ったけど」
リュゼルが視線をそらす。
「昨日、お前が倒れてるのを見たから。それで……一人で行かせるのは、心配だった」
言ってから、リュゼルは少し後悔したような顔をする。耳がかすかに赤い。
その言葉に、晴歌の胸が熱くなる。
でも、今はそれどころじゃない。
四人がそろった。運命の歯車が、音を立てて回り始める。
そして、誰もが晴歌の答えを待っている。
重い沈黙が流れる。三人の視線が、すべて晴歌に注がれている。
(言わなきゃ、いけないのかな……)
口を開きかけて、閉じる。何を言えばいい? どこから話せばいい?
(でも、信じてもらえる? 元の世界のこと、異世界から来たこと……)
言葉が、喉の奥で詰まっていた。
晴歌は必死に笑顔を作った。
「……せっかく四人そろったんだし、まずはご飯でも食べない?」
ティオとフィアナが顔を見合わせる。リュゼルは、じっと晴歌を見つめたまま何も言わなかった。
(逃げてる……私、逃げてる)
それでも、今はまだ——言葉にする勇気が、出なかった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
寵愛の花嫁は毒を愛でる~いじわる義母の陰謀を華麗にスルーして、最愛の公爵様と幸せになります~
紅葉山参
恋愛
アエナは貧しい子爵家から、国の英雄と名高いルーカス公爵の元へと嫁いだ。彼との政略結婚は、彼の底なしの優しさと、情熱的な寵愛によって、アエナにとってかけがえのない幸福となった。しかし、その幸福を妬み、毎日のように粘着質ないじめを繰り返す者が一人、それは夫の継母であるユーカ夫人である。
「たかが子爵の娘が、公爵家の奥様面など」 ユーカ様はそう言って、私に次から次へと理不尽な嫌がらせを仕掛けてくる。大切な食器を隠したり、ルーカス様に嘘の告げ口をしたり、社交界で恥をかかせようとしたり。
だが、私は決して挫けない。愛する公爵様との穏やかな日々を守るため、そして何より、彼が大切な家族と信じているユーカ様を悲しませないためにも、私はこの毒を静かに受け流すことに決めたのだ。
誰も気づかないほど巧妙に、いじめを優雅にスルーするアエナ。公爵であるあなたに心配をかけまいと、彼女は今日も微笑みを絶やさない。しかし、毒は徐々に、確実に、その濃度を増していく。ついに義母は、アエナの命に関わるような、取り返しのつかない大罪に手を染めてしまう。
愛と策略、そして運命の結末。この溺愛系ヒロインが、華麗なるスルー術で、最愛の公爵様との未来を掴み取る、痛快でロマンティックな物語の幕開けです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる