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もう一度、あのドレスを着てみましたが
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「では、やはり先ほどのドレスから、レイ様には見ていただきましょうか」
ちょっと神妙な気持ちになった私に、メアリーさんが笑顔で言う。
う。
そこに繋がるんだ……。
「でも、先ほども見ていただいたし、わざわざ感想を伺うのも……」
ふつうに、恥ずかしいというか。
初めの試着の時なら、サイズがあっているかとか、そういう確認って感じがある。
でもわざわざ着直して「似合ってる?」って聞くのとか、ハードル高いんてすけど。
しり込みする私に、
「美咲様。先ほどのあんな状況では、ドレスを見ていただいたというのはいかがかと思います。もちろん、あんな状況になった時に着ていたドレスです。もう一度お召しになるのがお嫌でなければ、ではございますが」
メアリーさんは、笑顔のままで言う。
けれど、その言葉で気づいた。
お洋服屋さんの女性たちがこっそりとだけど、すごく気にした表情で私を見ている。
たぶんさっきからずっと、そのことを気にしてくれていたんだろう。
「もちろん、あのドレスを嫌になったりしていないわ。スタイルをよく見せてくれる綺麗なドレスだなと思っていたですもの」
だから、私も笑顔で答える。
彼女たちの不安を払拭するために。
「ただ、恥ずかしかっただけなの。レイに見せるためだけに、ドレスを着るのが」
「きっとレイ様は、お喜びくださりますわ」
メアリーさんが言うと、お洋服屋さんたちの表情は晴れやかになった。
いそいそと私のドレスを脱がせると、すみれ色のドレスに着替えさせる。
そして、髪をすいて、ヘッドドレスを頭にのせてくれた。
「お綺麗ですわ」
「ええ。とてもお似合いです」
さっきヘッドドレスを付けるときに、あんなことがあった。
だから少しだけ、みんな緊張していた。
無事に、ヘッドドレスを身に着け、鏡を見る。
すみれ色のドレスは、落ち着いているのに華やかで、フォーマルな印象もある。
いつもの自分より、ちょっと綺麗に見えた。
「素敵。……ヘッドドレスをつけると、また印象があがるわね。ありがとう」
鏡の中、視線があったお洋服屋さんたちに笑いかける。
すると彼女たちに流れるさっきまでの緊張感が、すっと薄れた気がした。
よかった。
私が思うよりずっと、彼女たちは気にしていたみたいだ。
考えてみれば、彼女たちから見た今の私は、自分たちが住む街の領主の婚約者だ。
そんな相手と一緒にいるとき、自分たちの同僚が捕らえられた。
恐らく、私を害しようとしたと思われて。
そんな状況で、不安がないはずがない。
笑っていても、和やかそうな会話を交わしていても、その心中は穏やかじゃないはずだ。
私の一挙手一投足は、今まで考えたこともないほど重い。
それが、レイの婚約者とみなされることなのだと、初めて気づいた。
ちょっと神妙な気持ちになった私に、メアリーさんが笑顔で言う。
う。
そこに繋がるんだ……。
「でも、先ほども見ていただいたし、わざわざ感想を伺うのも……」
ふつうに、恥ずかしいというか。
初めの試着の時なら、サイズがあっているかとか、そういう確認って感じがある。
でもわざわざ着直して「似合ってる?」って聞くのとか、ハードル高いんてすけど。
しり込みする私に、
「美咲様。先ほどのあんな状況では、ドレスを見ていただいたというのはいかがかと思います。もちろん、あんな状況になった時に着ていたドレスです。もう一度お召しになるのがお嫌でなければ、ではございますが」
メアリーさんは、笑顔のままで言う。
けれど、その言葉で気づいた。
お洋服屋さんの女性たちがこっそりとだけど、すごく気にした表情で私を見ている。
たぶんさっきからずっと、そのことを気にしてくれていたんだろう。
「もちろん、あのドレスを嫌になったりしていないわ。スタイルをよく見せてくれる綺麗なドレスだなと思っていたですもの」
だから、私も笑顔で答える。
彼女たちの不安を払拭するために。
「ただ、恥ずかしかっただけなの。レイに見せるためだけに、ドレスを着るのが」
「きっとレイ様は、お喜びくださりますわ」
メアリーさんが言うと、お洋服屋さんたちの表情は晴れやかになった。
いそいそと私のドレスを脱がせると、すみれ色のドレスに着替えさせる。
そして、髪をすいて、ヘッドドレスを頭にのせてくれた。
「お綺麗ですわ」
「ええ。とてもお似合いです」
さっきヘッドドレスを付けるときに、あんなことがあった。
だから少しだけ、みんな緊張していた。
無事に、ヘッドドレスを身に着け、鏡を見る。
すみれ色のドレスは、落ち着いているのに華やかで、フォーマルな印象もある。
いつもの自分より、ちょっと綺麗に見えた。
「素敵。……ヘッドドレスをつけると、また印象があがるわね。ありがとう」
鏡の中、視線があったお洋服屋さんたちに笑いかける。
すると彼女たちに流れるさっきまでの緊張感が、すっと薄れた気がした。
よかった。
私が思うよりずっと、彼女たちは気にしていたみたいだ。
考えてみれば、彼女たちから見た今の私は、自分たちが住む街の領主の婚約者だ。
そんな相手と一緒にいるとき、自分たちの同僚が捕らえられた。
恐らく、私を害しようとしたと思われて。
そんな状況で、不安がないはずがない。
笑っていても、和やかそうな会話を交わしていても、その心中は穏やかじゃないはずだ。
私の一挙手一投足は、今まで考えたこともないほど重い。
それが、レイの婚約者とみなされることなのだと、初めて気づいた。
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