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そんなわけで永久指名をナンバーワンのクロウと、新人君の煌にした。
なので今日は、せっかく隣に着いてくれている煌と一緒に飲む事になった。
もちろん、こんな新人君に高いお酒を注文なんかしやしない。
適当にブランデーを頼んでロックで飲みながら、彼と話でもしてみた。
「おれ、ここでホスト始めてまだ半月なんです」
「だと思った。
まだ随分若そうだけど、どうしてホストなんてやってんのよ」
どんな仕事でも向き不向きってものがある。
だけど見た感じ彼には、お世辞にもホストに向いてるって雰囲気はしなかった。
別に顔が悪いってわけじゃないんだけどね。
「最初はお金が目的でした。
ほら、トップクラスになると、月500はもらえるって言うし」
…なんて大胆に言ってくるのかしら。
話し方がヘタクソな所とか、これはしばらく新人の域は抜け出せないだろうなと、あたしは心の中で思っていた。
「でも今は、ちょっと違います。
初めてこの世界に入ってホストクラブの実際を見て、思う事が変わりました」
「華やかに見えて、案外厳しいって言うんでしょ」
それは自分の仕事にも通じる部分があるから、何となくわかる。
キレイなドレスを着て一緒にお酒を飲んで、一生懸命お客に気持ちいい思いをさせる。
好きだからできるんだろうって思われがちかもしれないけど、実際はそんなわけない。
「確かに厳しい部分もあるんだけどね。
だけど、そんな仕事でありながらクロウさんや紫苑さんなんかキラキラ輝いている。
おれも、いつかあんな風になれたらと憧れてるんです」
「…………………」
そんな目標を持って仕事してるなんて、思わなかった。
金ヅル女をもてなして、収入以外に何が楽しいのかしら。
キラキラ輝いてる…か。
ドロドロ汚い仕事してるあたしには、絶対ありえない言葉かもしれないな。
「そんなおれも、愛さんみたいな美人なお客さんに指名受けて一歩前進かな」
なんて八重歯を覗かせながら、あどけない笑顔を見せる煌。
「コラコラ、調子乗りすぎ」
「へへっ」
初めて指名を受けたのが、よっぽど嬉しいんだと思う。
作り笑いなんかには見えない彼の笑顔。
これがホストならではの技なんだとしたら、既にプロだと言っても過言じゃないだろうな。
「ね、そういう愛さんは何してる人?」
「え…」
「美人だしセクシーだし、彼氏だっているんでしょう?
22歳くらいかな」
「あー……」
何のイヤミもこもってなどいない煌の純粋な質問攻め。
普通に話がしたくて、あたしの事を訊いてるつもりなんだと思うけど…。
「どっかの会社の受付嬢かな。
こんな所に来るぐらいだから、お金持ちだよね。
もしかしてお嬢様だったりして」
「………………っ」
…そこまで勢いよく訊かれると、なんて返していいか言葉に詰まってしまう。
あたしの仕事は受付嬢みたいな綺麗どころじゃない。
夜な夜なお酒臭いエロジジイに抱かれてお金もらってるような、汚い仕事。
せっかく出来た彼氏もあたしの仕事を知った途端に離れていって、以来あたしは彼氏というものすら作っていない。
そんな事、煌には予想すらつかないでしょうけどね。
そうやって得た汚いお金で、あたしはホストクラブに来てるんだよ…。
「愛さんの事、知りたいんだ。
ね、教えてよ」
「あ…うん…」
大きな目を輝かせながら煌の勢いについ身体を引いていると、そんなあたしたちの席に誰かの姿が覗いた。
なので今日は、せっかく隣に着いてくれている煌と一緒に飲む事になった。
もちろん、こんな新人君に高いお酒を注文なんかしやしない。
適当にブランデーを頼んでロックで飲みながら、彼と話でもしてみた。
「おれ、ここでホスト始めてまだ半月なんです」
「だと思った。
まだ随分若そうだけど、どうしてホストなんてやってんのよ」
どんな仕事でも向き不向きってものがある。
だけど見た感じ彼には、お世辞にもホストに向いてるって雰囲気はしなかった。
別に顔が悪いってわけじゃないんだけどね。
「最初はお金が目的でした。
ほら、トップクラスになると、月500はもらえるって言うし」
…なんて大胆に言ってくるのかしら。
話し方がヘタクソな所とか、これはしばらく新人の域は抜け出せないだろうなと、あたしは心の中で思っていた。
「でも今は、ちょっと違います。
初めてこの世界に入ってホストクラブの実際を見て、思う事が変わりました」
「華やかに見えて、案外厳しいって言うんでしょ」
それは自分の仕事にも通じる部分があるから、何となくわかる。
キレイなドレスを着て一緒にお酒を飲んで、一生懸命お客に気持ちいい思いをさせる。
好きだからできるんだろうって思われがちかもしれないけど、実際はそんなわけない。
「確かに厳しい部分もあるんだけどね。
だけど、そんな仕事でありながらクロウさんや紫苑さんなんかキラキラ輝いている。
おれも、いつかあんな風になれたらと憧れてるんです」
「…………………」
そんな目標を持って仕事してるなんて、思わなかった。
金ヅル女をもてなして、収入以外に何が楽しいのかしら。
キラキラ輝いてる…か。
ドロドロ汚い仕事してるあたしには、絶対ありえない言葉かもしれないな。
「そんなおれも、愛さんみたいな美人なお客さんに指名受けて一歩前進かな」
なんて八重歯を覗かせながら、あどけない笑顔を見せる煌。
「コラコラ、調子乗りすぎ」
「へへっ」
初めて指名を受けたのが、よっぽど嬉しいんだと思う。
作り笑いなんかには見えない彼の笑顔。
これがホストならではの技なんだとしたら、既にプロだと言っても過言じゃないだろうな。
「ね、そういう愛さんは何してる人?」
「え…」
「美人だしセクシーだし、彼氏だっているんでしょう?
22歳くらいかな」
「あー……」
何のイヤミもこもってなどいない煌の純粋な質問攻め。
普通に話がしたくて、あたしの事を訊いてるつもりなんだと思うけど…。
「どっかの会社の受付嬢かな。
こんな所に来るぐらいだから、お金持ちだよね。
もしかしてお嬢様だったりして」
「………………っ」
…そこまで勢いよく訊かれると、なんて返していいか言葉に詰まってしまう。
あたしの仕事は受付嬢みたいな綺麗どころじゃない。
夜な夜なお酒臭いエロジジイに抱かれてお金もらってるような、汚い仕事。
せっかく出来た彼氏もあたしの仕事を知った途端に離れていって、以来あたしは彼氏というものすら作っていない。
そんな事、煌には予想すらつかないでしょうけどね。
そうやって得た汚いお金で、あたしはホストクラブに来てるんだよ…。
「愛さんの事、知りたいんだ。
ね、教えてよ」
「あ…うん…」
大きな目を輝かせながら煌の勢いについ身体を引いていると、そんなあたしたちの席に誰かの姿が覗いた。
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