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●あたし、連れて行かれました!?
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「美咲まどかさんというのは、あなたですね?」
「へ……?」
受験戦争も終わり、桜舞う4月に心晴れ晴れした気持ちで志望高校に入学したその初日。
早速できた友だちに、クラスで見つけたイケメンクン、優しそうな先生と、最高のスタートを切ったばかりの事だった。
入学式とホームルームを終え、ワクワクした気持ちのまま家に帰ったのだが、そこであたしに待ち構えていたのは決して穏やかな状況ではなかったのだ。
「お、お母さん。
この人は……?」
「お父さんが借金をしたまま蒸発しちゃったの!
お母さんパート始めてお金を稼ぐから、それまでの間あんたには人質として身を預ける事になったのよ。
どうか許してちょうだいねっ」
「は、はいーーーーー!!?」
真っ黒なスーツ、真っ黒なサングラスで全身を包んだ男の人に手を引かれると、あたしは帰ってきたばかりの家からすぐに真っ黒な車に乗せられた。
いや、帰ってきた時に見知らぬ車が停まってるなとは気付いたけれども。
まさか自分が乗る事になるとは思わなかったよー!!
「あ、あの、あたしはどこに……?」
サングラスの男の人の運転で、車はどんどん知らない道に進んでいく。
お母さん、人質って言ってたけど、あたし監禁されちゃうのかな。
えっ、ようやく始まった高校生活なのに、いきなりこんな事件に巻き込まれちゃった!?
「これからまどかさんには、ご家族の方からのまとまった返済額を戴くまで、この櫻井家にて住み込みでメイドとして働いてもらう事になっております。
その代わり、食事や寝る場所などの提供はしますのでご安心下さい」
「は、はぁ……。
ん、メイド?」
やがて車が着いた先は、これまたお城のように大きな家!
というか、豪邸!!
身長の2倍はあるデカい玄関のドアを目の前に、後ろを振り返れば、これまた気の遠くなるほどのデカい庭!
とりあえずわかるのは、ここの家の持ち主は大金持ちだ。
それは間違いない!
何だかマンガのような展開に頭がついて行けないまま、あたしはこのデカい玄関のドアをくぐり抜け、広くて長い廊下を歩かされた。
ええっと、状況を整理しなくちゃ!
まずお父さんが借金しちゃってて、それを返せないからって家を出て行っちゃったんだよね。
それでお母さんが仕方なくパートでお金を稼ぐ事になって、その間あたしは人質として先方さんに預けられる身になった。
で、その先がこのデカい家で、何だか知らないけどそのままあたしもここで働かされる事になったと。
うむ、なるほど。
ようやく現状が整理できたぞ。
とにかく、お母さんが頑張って働く間、あたしもここでお手伝いさんをすればいいって事なのね。
うんうん とひとりで納得していると、長い長い廊下を歩いた先に、ようやく案内されたドアの前にたどり着いた。
「ここが、この櫻井家の嫡男様である理央様のお部屋です。
ごあいさつをお願いします」
櫻井家の、理央?
んー、つい最近どこかで聞いた名前のような…………
「理央様、お連れしました」
全身真っ黒の男の人は案内した部屋のドアをノックすると、あたしを中へと入らせた。
するとあたしは聞き覚えのある名前を頭の中で思い出したのと同時に、部屋の中にいた人物の顔がピシャリと一致した。
「櫻井……理央クン!?」
「美咲まどか……?」
大金持ちの家だと思っていた通り、中は家具の量に比べて学校の教室が3つ分くらいあるムダにだだっ広い面積の部屋。
そんな部屋の中、まるで小さく見える大きなソファにふんぞり返っていたのは、「イケメンクンと同じクラスだ、やったー」と思って見てた正に本人の、櫻井 理央クンだったのだ。
櫻井 理央クンは、あたしと同じクラスメイトになったイケメン男子。
その雰囲気と、入学して最初のホームルームでの自己紹介を聞いて、お金持ちなのかなぁとは思ってた。
そんでもって、理央クンは無口に近いくらい口数も少なくて、まだ初日だけど友達も作れていなかったっぽいクールな一匹狼。
それがあたしの中で何だか気になっちゃって、今日はずっと理央クンを目で追っちゃってたんだよね。
でもそんな理央クンがまさかこんなデカい家に住むレベルの、超大金持ちだったなんて思わなかったよぉ!
てゆーか……あたし今日から理央クンの家に住み込むって事?
うそぉー!!
「今日から来る事になったって、まさか美咲の事だったのか……」
あたしの顔を見た理央クンが、ちょっぴり動揺したようだった。
きっと、借金の人質に女の子を預かる くらいしか聞いてなかったんだろうな。
なのに、実際に来たのはクラスメイトの女子だもんね。
あたしだってビックリだもん。
「あ、あの理央クン、さっき振りだね。
そういうわけだから、ちょっとの間お世話になりま……」
「お前はしばらくオレのペットなんだ。
オレの事はご主人様と呼べよな」
「は………………?」
あいさつしようとした言葉も遮られ、理央クンが返してきたのは驚きの一言だった。
ぺ、ペット!?
住み込みで働くメイドさん、なんでしょ!?
「あ あ あの、ちょっと待って!
あたし……」
「いいか、美咲。
お前はうちに500万を借金してるんだ。
それが返せないから、ここに来たんだろ?」
500万!!
お父さん、あたしたちに内緒で500万も借金してたの!?
お母さんがパートで働いて返すまでの辛抱だって思ってたけど、500万ってそんなに早く稼げないよね!?
「返済期限はとっくに過ぎてんのに、うちはこうして待ってやってるんだぞ!
その人質である美咲がオレのペットで、何が悪いっての?」
「うっ、それは……」
理央クンの言い分は一応間違いないので、あたしは何も言い返せない。
てゆーか、全部お父さんのせいなんだけどっ!
「だから、お前は今日からオレのペットなんだよ!」
「ひゃあ……」
__と、言うわけで。
あたしは今日からクラスメイトの男子の豪邸で、ペットとして働く?事になったのだった。
「へ……?」
受験戦争も終わり、桜舞う4月に心晴れ晴れした気持ちで志望高校に入学したその初日。
早速できた友だちに、クラスで見つけたイケメンクン、優しそうな先生と、最高のスタートを切ったばかりの事だった。
入学式とホームルームを終え、ワクワクした気持ちのまま家に帰ったのだが、そこであたしに待ち構えていたのは決して穏やかな状況ではなかったのだ。
「お、お母さん。
この人は……?」
「お父さんが借金をしたまま蒸発しちゃったの!
お母さんパート始めてお金を稼ぐから、それまでの間あんたには人質として身を預ける事になったのよ。
どうか許してちょうだいねっ」
「は、はいーーーーー!!?」
真っ黒なスーツ、真っ黒なサングラスで全身を包んだ男の人に手を引かれると、あたしは帰ってきたばかりの家からすぐに真っ黒な車に乗せられた。
いや、帰ってきた時に見知らぬ車が停まってるなとは気付いたけれども。
まさか自分が乗る事になるとは思わなかったよー!!
「あ、あの、あたしはどこに……?」
サングラスの男の人の運転で、車はどんどん知らない道に進んでいく。
お母さん、人質って言ってたけど、あたし監禁されちゃうのかな。
えっ、ようやく始まった高校生活なのに、いきなりこんな事件に巻き込まれちゃった!?
「これからまどかさんには、ご家族の方からのまとまった返済額を戴くまで、この櫻井家にて住み込みでメイドとして働いてもらう事になっております。
その代わり、食事や寝る場所などの提供はしますのでご安心下さい」
「は、はぁ……。
ん、メイド?」
やがて車が着いた先は、これまたお城のように大きな家!
というか、豪邸!!
身長の2倍はあるデカい玄関のドアを目の前に、後ろを振り返れば、これまた気の遠くなるほどのデカい庭!
とりあえずわかるのは、ここの家の持ち主は大金持ちだ。
それは間違いない!
何だかマンガのような展開に頭がついて行けないまま、あたしはこのデカい玄関のドアをくぐり抜け、広くて長い廊下を歩かされた。
ええっと、状況を整理しなくちゃ!
まずお父さんが借金しちゃってて、それを返せないからって家を出て行っちゃったんだよね。
それでお母さんが仕方なくパートでお金を稼ぐ事になって、その間あたしは人質として先方さんに預けられる身になった。
で、その先がこのデカい家で、何だか知らないけどそのままあたしもここで働かされる事になったと。
うむ、なるほど。
ようやく現状が整理できたぞ。
とにかく、お母さんが頑張って働く間、あたしもここでお手伝いさんをすればいいって事なのね。
うんうん とひとりで納得していると、長い長い廊下を歩いた先に、ようやく案内されたドアの前にたどり着いた。
「ここが、この櫻井家の嫡男様である理央様のお部屋です。
ごあいさつをお願いします」
櫻井家の、理央?
んー、つい最近どこかで聞いた名前のような…………
「理央様、お連れしました」
全身真っ黒の男の人は案内した部屋のドアをノックすると、あたしを中へと入らせた。
するとあたしは聞き覚えのある名前を頭の中で思い出したのと同時に、部屋の中にいた人物の顔がピシャリと一致した。
「櫻井……理央クン!?」
「美咲まどか……?」
大金持ちの家だと思っていた通り、中は家具の量に比べて学校の教室が3つ分くらいあるムダにだだっ広い面積の部屋。
そんな部屋の中、まるで小さく見える大きなソファにふんぞり返っていたのは、「イケメンクンと同じクラスだ、やったー」と思って見てた正に本人の、櫻井 理央クンだったのだ。
櫻井 理央クンは、あたしと同じクラスメイトになったイケメン男子。
その雰囲気と、入学して最初のホームルームでの自己紹介を聞いて、お金持ちなのかなぁとは思ってた。
そんでもって、理央クンは無口に近いくらい口数も少なくて、まだ初日だけど友達も作れていなかったっぽいクールな一匹狼。
それがあたしの中で何だか気になっちゃって、今日はずっと理央クンを目で追っちゃってたんだよね。
でもそんな理央クンがまさかこんなデカい家に住むレベルの、超大金持ちだったなんて思わなかったよぉ!
てゆーか……あたし今日から理央クンの家に住み込むって事?
うそぉー!!
「今日から来る事になったって、まさか美咲の事だったのか……」
あたしの顔を見た理央クンが、ちょっぴり動揺したようだった。
きっと、借金の人質に女の子を預かる くらいしか聞いてなかったんだろうな。
なのに、実際に来たのはクラスメイトの女子だもんね。
あたしだってビックリだもん。
「あ、あの理央クン、さっき振りだね。
そういうわけだから、ちょっとの間お世話になりま……」
「お前はしばらくオレのペットなんだ。
オレの事はご主人様と呼べよな」
「は………………?」
あいさつしようとした言葉も遮られ、理央クンが返してきたのは驚きの一言だった。
ぺ、ペット!?
住み込みで働くメイドさん、なんでしょ!?
「あ あ あの、ちょっと待って!
あたし……」
「いいか、美咲。
お前はうちに500万を借金してるんだ。
それが返せないから、ここに来たんだろ?」
500万!!
お父さん、あたしたちに内緒で500万も借金してたの!?
お母さんがパートで働いて返すまでの辛抱だって思ってたけど、500万ってそんなに早く稼げないよね!?
「返済期限はとっくに過ぎてんのに、うちはこうして待ってやってるんだぞ!
その人質である美咲がオレのペットで、何が悪いっての?」
「うっ、それは……」
理央クンの言い分は一応間違いないので、あたしは何も言い返せない。
てゆーか、全部お父さんのせいなんだけどっ!
「だから、お前は今日からオレのペットなんだよ!」
「ひゃあ……」
__と、言うわけで。
あたしは今日からクラスメイトの男子の豪邸で、ペットとして働く?事になったのだった。
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