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婚約の報告
「チェルシー、シリルと婚約してくれるの! ありがとう」
侯爵夫人は涙交じりで私の手をギュッと握ってきました。
「そうか、シリル覚悟はできているな?」
ポンとシリル様の肩を叩く侯爵様
「えぇ。おじいさまも、おばあさまも、よろしくお願いします」
おじいさま、おばあさまと呼ばれた前侯爵夫妻は引退されウォルター家の領地にある別荘で暮らしていて、急遽お願いして来てもらったとの事でした。
「シリルや、もうちょっと早く言わんか。年寄りには強行スケジュールはキツいんじゃ」
「あの小さかったシリルが婚約だなんて、おめでとう。チェルシーさん、ユリシーズの事は申し訳なかったわね」
「いいえ、いいえ。愛する二人の邪魔はしたくありません」
ぶんぶんと頭を振りました。前侯爵夫人から頭を下げられるなんて……!
「シリルとチェルシーの婚約は私達は皆、了承という事だ。それではユリシーズと子爵令嬢の元へ行こうか」
侯爵様がそう言うので、大人しく後をついて行きました。
「ユリシーズ様とエイラ様も来ておられるの?」
「そうみたい。チェリーとの事を話したら、父上が兄上達の婚約書類も一気にすませる! って言ってさ……僕としては別日にして欲しかったんだけど、理由があってさ……」
気まずそうな顔をしていました。シリル様は髪の毛を少し切ってふわふわ感が少なくなり、男性らしさが増したというか……。
一昨日会ったばかりなのに、別の人のようでドキドキしてしまいました。
「理由ですか?」
「うん。すぐにわかるよ。あのさ、その話し方やめてよね。昔みたいに話して欲しい、その方が僕としては嬉しいから」
「はい。あっ! うん。そうね。婚約するんだものね」
婚約と言っておきながら、急に恥ずかしくなり、そして今から何があるのか分からないけれどとっても緊張してきました……。
「ねぇ、ヒューは何って?」
シリル様が手を出して来たので手を繋いで歩き出しました。シリル様の手は優しい手をしています。
少しごつごつとしているのはきっと騎士団で稽古をつけているからでしょう。侯爵様達とは少し離れてしまいました。
「ふーん。ってそれだけよ」
「あいつらしい」
シリル様のエメラルドなような緑色の目は細められ、少し照れているようでした。そんな様子を見ていると、更に恥ずかしさが増しました。
ユリシーズ様とエイラ様がお待ちの応接室の前まで来たので、手を離そうとしたら
「良いでしょ。チェリーの手はあったかくて触れていると安心するんだ」
そんな事を言われて断れるはずもなく、繋いだ手はそのまま応接室へと入りました。
空いている席に座るように言われ、シリル様とソファに並んで座ります。
「仲がいいのね……」
面白くなさそうにこちらを見てくるエイラ様
「チェルシー、シリルおめでとう」
エイラ様の肩を抱くユリシーズ様。愛し合っておられると言うのがよくわかりました。
「さて、この度は急な事でバタバタとしてしまったが、ユリシーズ、シリル、最後に聞くが、二人ともこの婚約に異議はないな?」
「「はい」」
「そうか。ベッカー子爵令嬢、フルーリー伯爵令嬢二人とも異議はないね?」
「「はい」」
「それでは、婚約証明書の見守り人であるお前達の祖父母の前で誓えるな?」
「「はい」」
ユリシーズ様、シリル様共々返事を返しました。
その後、それぞれ婚約証明書にサインをしました。
******
その後お茶を飲みながらユリシーズ様にお祝いの言葉をかけました。
「ユリシーズ様、エイラ様この度はご婚約おめでとうございます」
「チェルシーに言われるとなんだか、むず痒いな……」
「何かお祝いを用意しないといけませんわね。ユリシーズ様のお好きなワインを今度お持ちしますわね」
「チェルシーの家のワインは美味いからな、嬉しいよ。エイラと共に飲むとしよう」
エイラ様のこめかみにキスを落としました。ラブラブというものですね。目の当たりにするとたしかに、むず痒いものです。
「チェルシーさんの胸に光るブルーダイヤ、とても素敵」
エイラ様が突っかかるように言ってきました。今日このダイヤを身につけてきたのには理由がありました。
珍しいブルーダイヤを前侯爵夫人が見たいとおっしゃったからでした。
隣国出身の前侯爵夫人は隣国の王家と交流があったようで、先ほど婚約の報告をした際にお見せしたら、とても喜んでくださいました。
「ありがとうございます、」
「ねぇ、それ頂~戴!」
「「「「「「えっ??」」」」」」
前侯爵夫妻、侯爵夫妻、シリル様、私の声が揃いました。
ユリシーズ様は驚き固まっていました。
「なぁに? だって私は侯爵夫人になるのよ。伯爵令嬢で、将来の騎士の妻には勿体ない品物でしょう? 婚約祝いに頂戴。ワインなんてケチねぇ私は姉になるのだもの、それくらい」
「このっ無礼者がぁぁぁぁぁ!!!!!」
それはそれは大きな声が響きました
侯爵夫人は涙交じりで私の手をギュッと握ってきました。
「そうか、シリル覚悟はできているな?」
ポンとシリル様の肩を叩く侯爵様
「えぇ。おじいさまも、おばあさまも、よろしくお願いします」
おじいさま、おばあさまと呼ばれた前侯爵夫妻は引退されウォルター家の領地にある別荘で暮らしていて、急遽お願いして来てもらったとの事でした。
「シリルや、もうちょっと早く言わんか。年寄りには強行スケジュールはキツいんじゃ」
「あの小さかったシリルが婚約だなんて、おめでとう。チェルシーさん、ユリシーズの事は申し訳なかったわね」
「いいえ、いいえ。愛する二人の邪魔はしたくありません」
ぶんぶんと頭を振りました。前侯爵夫人から頭を下げられるなんて……!
「シリルとチェルシーの婚約は私達は皆、了承という事だ。それではユリシーズと子爵令嬢の元へ行こうか」
侯爵様がそう言うので、大人しく後をついて行きました。
「ユリシーズ様とエイラ様も来ておられるの?」
「そうみたい。チェリーとの事を話したら、父上が兄上達の婚約書類も一気にすませる! って言ってさ……僕としては別日にして欲しかったんだけど、理由があってさ……」
気まずそうな顔をしていました。シリル様は髪の毛を少し切ってふわふわ感が少なくなり、男性らしさが増したというか……。
一昨日会ったばかりなのに、別の人のようでドキドキしてしまいました。
「理由ですか?」
「うん。すぐにわかるよ。あのさ、その話し方やめてよね。昔みたいに話して欲しい、その方が僕としては嬉しいから」
「はい。あっ! うん。そうね。婚約するんだものね」
婚約と言っておきながら、急に恥ずかしくなり、そして今から何があるのか分からないけれどとっても緊張してきました……。
「ねぇ、ヒューは何って?」
シリル様が手を出して来たので手を繋いで歩き出しました。シリル様の手は優しい手をしています。
少しごつごつとしているのはきっと騎士団で稽古をつけているからでしょう。侯爵様達とは少し離れてしまいました。
「ふーん。ってそれだけよ」
「あいつらしい」
シリル様のエメラルドなような緑色の目は細められ、少し照れているようでした。そんな様子を見ていると、更に恥ずかしさが増しました。
ユリシーズ様とエイラ様がお待ちの応接室の前まで来たので、手を離そうとしたら
「良いでしょ。チェリーの手はあったかくて触れていると安心するんだ」
そんな事を言われて断れるはずもなく、繋いだ手はそのまま応接室へと入りました。
空いている席に座るように言われ、シリル様とソファに並んで座ります。
「仲がいいのね……」
面白くなさそうにこちらを見てくるエイラ様
「チェルシー、シリルおめでとう」
エイラ様の肩を抱くユリシーズ様。愛し合っておられると言うのがよくわかりました。
「さて、この度は急な事でバタバタとしてしまったが、ユリシーズ、シリル、最後に聞くが、二人ともこの婚約に異議はないな?」
「「はい」」
「そうか。ベッカー子爵令嬢、フルーリー伯爵令嬢二人とも異議はないね?」
「「はい」」
「それでは、婚約証明書の見守り人であるお前達の祖父母の前で誓えるな?」
「「はい」」
ユリシーズ様、シリル様共々返事を返しました。
その後、それぞれ婚約証明書にサインをしました。
******
その後お茶を飲みながらユリシーズ様にお祝いの言葉をかけました。
「ユリシーズ様、エイラ様この度はご婚約おめでとうございます」
「チェルシーに言われるとなんだか、むず痒いな……」
「何かお祝いを用意しないといけませんわね。ユリシーズ様のお好きなワインを今度お持ちしますわね」
「チェルシーの家のワインは美味いからな、嬉しいよ。エイラと共に飲むとしよう」
エイラ様のこめかみにキスを落としました。ラブラブというものですね。目の当たりにするとたしかに、むず痒いものです。
「チェルシーさんの胸に光るブルーダイヤ、とても素敵」
エイラ様が突っかかるように言ってきました。今日このダイヤを身につけてきたのには理由がありました。
珍しいブルーダイヤを前侯爵夫人が見たいとおっしゃったからでした。
隣国出身の前侯爵夫人は隣国の王家と交流があったようで、先ほど婚約の報告をした際にお見せしたら、とても喜んでくださいました。
「ありがとうございます、」
「ねぇ、それ頂~戴!」
「「「「「「えっ??」」」」」」
前侯爵夫妻、侯爵夫妻、シリル様、私の声が揃いました。
ユリシーズ様は驚き固まっていました。
「なぁに? だって私は侯爵夫人になるのよ。伯爵令嬢で、将来の騎士の妻には勿体ない品物でしょう? 婚約祝いに頂戴。ワインなんてケチねぇ私は姉になるのだもの、それくらい」
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