婚約を破棄され辺境に追いやられたけれど、思っていたより快適です!

さこの

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レイラも謹慎

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「フランツ殿下が謹慎となった。故にレイラも謹慎とする。謹慎中はこの部屋から出る事は許さない、いいね?」


 謹慎って!! なんで?

「謹慎ですか? 私はフランツの婚約者になるための勉強をしなくてはならないのに、謹慎は時間の無駄ですわ」


「殿下の婚約者になるために何の勉強をしなくてはいけないか言ってみろ」


 そんな事もクレイグ様は分からないの?

「夜会のためのダンス、それとお茶会は必須だし……」

 王子様の相手だもの。ダンスは上手く踊れなくちゃ!


「フランツ殿下と婚約するには最低三カ国は話せなければ無理だ。外国の貴族の名前や顔、特産! 覚える事は多々ある! それとそれぞれの国のマナーや禁止事項等等だ! それとアリスとフランツ殿下の婚約は近いうちにされる事となる」


「解消ですか? フランツが婚約破棄するって命令を無視してですか?」


「フランツ殿下の王族としての命令ならば、迷惑行為をした王族の末路なんて目に見えている。一人の令嬢の人生を面白おかしく狂わせる行為だ。フランツとおまえの醜聞によって」


 醜聞? ナニソレ?


「自分の行いを反省しろ。レイラは伯爵家で預かっていたから我が家にも責任はあるが、男爵を呼びレイラを引き取ってもらう」

 お義父様を呼ぶですって? そんなことをしたら世話になっていた男爵家に迷惑が……いいえ。お義母様はもしかしたら喜んでくれるかも? 野心がありそうだもの。金持ちと結婚してくれれば安泰だとか言って、教師をつけてくれたくらいだもの。


「フランツに会わせてください。会って話がしたいです」



「それは出来ない。それが謹慎だ。外部との手紙のやり取りも禁止だ。以上」



 クレイグは扉を閉めて部屋を後にする。




「レイラはこんなに話が通じない子だったのか? それにフランツ殿下に嘘まで言って……」




******


 クレイグは屋敷の使用人に話を聞く事にした。


「みんな集まったか?」


「「「「「はい」」」」」


 伯爵家の使用人がエントランスに集合した。

「皆に聞きたいことがあり仕事の手を止めさせたことはすまないと思っている。皆んなも知っている通りフランツ殿下がアリスフィアに婚約破棄を突きつけたそうだ。新しい婚約者はレイラを指名した」


「「「「「………………」」」」」


「フランツ殿下から話を聞く限り、アリスがレイラを虐めていたと言うのだが心当たりのある者はいるか? 些細なことでも良い。知っている者がいたら教えて欲しい」


 ざわつくエントランス。


 アリスフィア様がレイラ様を? ないわよねぇ。

 いつもレイラ様を優先してご自分のことは後にしていらしたし。

 デザイナーが来た時だって、レイラ様を先にしていたし……その後アリス様の作られたドレスの方がいいと言って横取り……と言って口を閉ざすメイド。


 レイラ様が魚がいいと言うから魚をお出ししたらアリス様の肉を見て、肉も食べたい。と言ってアリス様の分も召し上がって……と言って口を閉ざすシェフ。


 お部屋に飾る花もアリス様の花を気に入ってレイラ様が横取り……と言って口を閉ざす庭師。


 奥様にお渡しするプレゼントも二人で渡すつもりがレイラ様の手柄に……と言い口を閉ざす侍女。


「……虐めとは言い難いがそれでは話が逆ではないか。レイラの我儘をアリスが許したと言う感じだろうか。なぜそんな嘘を?」



「……あのー」

 そっと手を上げる一人のメイド。

「なんだ? 君は確かレイラの──」


 レイラの周辺の世話をさせているメイドだったよな? まだ入ったばかりの若いメイド見習いだ。


「はい。レイラ様のメイドをしています。レイラ様はとても本がお好きで特にロマンス小説が好きでいらして、王子様が出てくる本が大好きです。それでご自身はヒロインでヒーローが王子だど言っていました。ヒロインは悪役にいじめられてヒーローが断罪すると言う内容の本がお好きなようでした」


 確かにそれ系の本が好きだったような…… 


「成程。君が言った事も他の者たちが言った事も調べてみる事にする。レイラは本日から自室にて謹慎とする。決して部屋から出さぬよう皆にも頼む。アリスフィアの事だが、今はどのあたりにいるのか見当が付かないので、我が家の騎士団にアリスの行方を追ってもらう事にする。ショーンとミリーがいるから大丈夫だとは思うが、他に行きたい者、は、」


 と言うと全員が手を挙げていた。コックに庭師、おまえたちは関係ないだろうに……執事長まで……お前は行かせない。


 アリス様は俺が作った料理を恋しがっている筈だ!

 いやいやわしが育てたハーブで作ったハーブティーを恋しがっているじゃろう。


「……執事長、数人選んでおいてくれ。人選は任せる。ただし執事長はここに居てくれないと困るから却下だ」



 その後ジェレミーにレイラの謹慎と殿下の謹慎を伝えた。婚約は解消となる。王太子殿下に任せようと言った。


「王太子殿下が言われるのなら間違いありませんね。あとは父上と母上が帰ってくるのを待つだけですね。兄上が帰って来てくれて本当に助かりましたっ!」


 ジェレミーもジェレミーなりに何かしようと頑張ったんだな。頭を撫でると子供じゃありません! と抗議して来たがジェレミーは相変わらず可愛い。アリスも良く可愛い可愛いと言っていた。幼さが残る顔だが近い将来はキレイ系イケメンになるだろうな。



******

予約の設定(日付)が間違っていました。18:00の更新を待っていた方申し訳ありませんΣ(゚ロ゚;)  



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