冷たい仮面を被り、悪役令嬢と呼ばれた私が国王陛下になぜか気に入られました

さこの

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38 対峙

 
 真相を掴み直接本人に問いただすことになった。緊張していないといえば嘘になる。

「あなたが鍵を複製させたことわかっています。王宮の全ての鍵は管理されていますから記録に残っていました。どうしてあんなことを?」

 女官長は微笑みながら私を見ていた。余裕があるのか、それとも……?

「まあ。貴族の娘がそんな泥臭い追求をするものではありませんよ。ローゼンベルクの名が汚れます。あなた婚約破棄で少しおかしくなったのじゃなくて?」
「おかしくなったのは、私ではありませんが? ご存じありませんか?」
「……なんですって?」

 元・婚約者ユリウスは仕事の評判が下がっていると耳に入っている。人任せな性格が仇になったのだろう。彼のプライドの高さも邪魔になっているのかもしれない。

「おかしくなったのはあなたですよね? ミラが証言してくれました。全く関係のない子を使って……そこまでして私を陥れたかったのですか? あの贋作確かにいい出来でした。王宮の信頼がどれだけ崩れるかお考えなかったとは思いませんが?」
「あなたって、本当に面白いわね。潔白を振りかざして生きられると思って? そういう考えを持った子って目障りなのよね……いるのよ。正義を振りかざして偉そうにする子が」
「私は嫌いじゃありませんけどね」
「へえ。いうじゃない。今までは何も興味がなさそうにお人形さんのように過ごしておいて。ユリウスがかわいそうだわ。こんな子だって分かっていたら婚約なんてさせなかったのに。ただ家柄が釣り合うだけだったのに」
「言いたいことは、それだけですか? あなたがどれだけこの王宮内で栄華を誇っていても真実は隠せません」
「あらら。私に逆らうの?」
「逆らうだなんて──」
「私はこの王宮の女官長で侯爵家の娘でかつては陛下の婚約者候補にもなっていたのよ? あなたみたいにぽっと表舞台に出てきた人間とは立場が違うの」
「そうでしょうか? ではなぜ、記録に残ったままになっているのでしょうか? 贋作師があなたに頼まれたと名前をあげたのでしょう。裏工作が下手ですよね」
「あら。私は秩序を守っただけよ」
「一気に崩壊しましたね。自滅されたと捉えます。お願いします」

 陛下がよこしてくれた陛下が信頼する部下たちが女官長の腕を取った。

「離しなさい!」

 女官長は取り乱すことなく、凛とした態度だった。
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