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巻き込まないでください、部外者です
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二週間ほど休んだ学園に行く事になった
このままでは引きこもりになってしまう…
両親も兄も行かなくても良いと言ったが、その言葉に甘えるくらいの休みは取った…
唯一の救いは、サロモンともアニエスともクラスが違った事だった…
教室へ向かう途中に
「あれー?セレスティーヌさんお久しぶりです!」
能天気な声が聞こえてくる…
周りの視線が痛い。頭も痛くなる
「子爵令嬢?おはようございます」
優雅に朝の挨拶をするセレスティーヌ
「しばらく見掛けませんでしたけど、どうしたんですか?」
なんの躊躇いもなく話しかけてくるアニエス
話した事はないのだが…
「少し体調を崩しておりました」
なんとか微笑むセレスティーヌ
「大丈夫ですか?サロモン様も最近頭痛がすると言っています、流行っているんですかね?謎の頭痛が!」
…どうしようか、頭痛が酷くなってきた
ずきんずきんと頭の中でリズムを打つ
「お大事にとお伝えください、それでは失礼致します」
早くこの場を立ち去りたいが、優雅に見えるように素早くこの場を立ち去ろうとする
「ねぇ!セレスティーヌさん今度の夜会のパートナーはまさかサロモン様じゃないですよね!」
ギョッとするセレスティーヌ
「まさか!そんなわけありませんでしょう?わたくしは殿下とは関係がございません」
誰かがサロモンを呼びに行ったようで駆けつけるサロモン、行儀が悪い……
「おい、アニエス、セレスティーヌになんの用事だ!」
はぁはぁと呼吸を整えるサロモン
「夜会は誰と行くの?誘われてないんだけど!セレスティーヌさんを誘ったの?」
「何度も言わせるな!セレスの名を気安く呼ぶな!さん付けをするな!」
恐ろしい形相でアニエスを見るサロモン
「悪いセレス、気分を害しただろう?」
顔色が悪いサロモン
「いえ、殿下が来られましたのでわたくしはこれで失礼します」
頭を下げて去ろうとする
「まってくれ!」
腕を掴まれるセレスティーヌ
「何かございますか?」
掴まれた腕が痛む…
「誤解だ!頼む、話を聞いてくれよ…」
誤解とはなんのことだろうか…
二人の関係に口を出すつもりは全くない
「……殿下とお話する事はございません、まずはお二人で話し合いをされては如何ですか?何か誤解があるようですわね」
サロモンと、アニエスを交互に見て、ニコリと微笑む
「わたくしは部外者ですのよ?巻き込まないでくださいまし」
捕まえられた腕をなんとか解き、見苦しくみえないように場を去る……掴まれた腕が痛む。
サロモンの顔色が悪かった。
少し痩せたようにも見えたが関係ない。
いつも身なりはきちんと整えていたのだが、走ってきたせいか制服も髪型も乱れていた。
子爵令嬢への愛、故の行動だと信じたい…
なんとか授業を終え、逃げるように馬車に乗る…疲れた……
本気で領地に篭りたいと思った。
お爺様とお婆様はお元気かしら…
非日常の事を考えていたら、気持ちが楽になるような気がした
邸に帰ると、満面の笑みで母が迎えてくれた
「ただいま帰りました、お母様どうかされたの?」
「セレスちゃんにドレスが送られてきたわよ!」
「はいっ?どちらからでしょう……」
まさか…サロモンではあるまい…
さっき子爵令嬢が変な事を言っていた…
「王弟殿下のラルフ様に夜会へ誘われたのでしょう?ラルフ様に決まってるでしょ!」
「えっ!」
驚いて目を見開いてしまうが、早くドレスを見たくて母を急かす
「あら、まぁ、ふふふ」
「素敵…」
トルソーにかけてあるドレスに見入る…
まるでサファイヤの様な色をした、スッキリとした美しいドレスが用意されていた…
ラルフの瞳の色だ
それに合わせた首飾りと耳飾りもセットになっていた。
嬉しくて泣きそうになった…
初めて感じるこの気持ちはなんだろう
今日あった嫌なことが全部なくなったような気がした
「あら!セレスちゃんたら…ふふふ、お礼の手紙を書きなさいな、すぐにね!」
「……うん」
今、自分がどんな顔をしているのか…
泣いているのか、笑っているのかわからない
ただ、母はわたくしを見て嬉しそうな顔をしていた
部屋に戻り感謝の言葉と素直に嬉しくて、早くこのドレスを着てラルフに会いたいと手紙に綴った…
翌日、ラルフからいつものブーケとお菓子、手紙の返事が届いた。
ブーケよりお菓子より、早くラルフからの手紙が読みたくて部屋に駆けつけたら、その後母に小言を言われた…
でも耳に入らないほど、浮かれていた
このままでは引きこもりになってしまう…
両親も兄も行かなくても良いと言ったが、その言葉に甘えるくらいの休みは取った…
唯一の救いは、サロモンともアニエスともクラスが違った事だった…
教室へ向かう途中に
「あれー?セレスティーヌさんお久しぶりです!」
能天気な声が聞こえてくる…
周りの視線が痛い。頭も痛くなる
「子爵令嬢?おはようございます」
優雅に朝の挨拶をするセレスティーヌ
「しばらく見掛けませんでしたけど、どうしたんですか?」
なんの躊躇いもなく話しかけてくるアニエス
話した事はないのだが…
「少し体調を崩しておりました」
なんとか微笑むセレスティーヌ
「大丈夫ですか?サロモン様も最近頭痛がすると言っています、流行っているんですかね?謎の頭痛が!」
…どうしようか、頭痛が酷くなってきた
ずきんずきんと頭の中でリズムを打つ
「お大事にとお伝えください、それでは失礼致します」
早くこの場を立ち去りたいが、優雅に見えるように素早くこの場を立ち去ろうとする
「ねぇ!セレスティーヌさん今度の夜会のパートナーはまさかサロモン様じゃないですよね!」
ギョッとするセレスティーヌ
「まさか!そんなわけありませんでしょう?わたくしは殿下とは関係がございません」
誰かがサロモンを呼びに行ったようで駆けつけるサロモン、行儀が悪い……
「おい、アニエス、セレスティーヌになんの用事だ!」
はぁはぁと呼吸を整えるサロモン
「夜会は誰と行くの?誘われてないんだけど!セレスティーヌさんを誘ったの?」
「何度も言わせるな!セレスの名を気安く呼ぶな!さん付けをするな!」
恐ろしい形相でアニエスを見るサロモン
「悪いセレス、気分を害しただろう?」
顔色が悪いサロモン
「いえ、殿下が来られましたのでわたくしはこれで失礼します」
頭を下げて去ろうとする
「まってくれ!」
腕を掴まれるセレスティーヌ
「何かございますか?」
掴まれた腕が痛む…
「誤解だ!頼む、話を聞いてくれよ…」
誤解とはなんのことだろうか…
二人の関係に口を出すつもりは全くない
「……殿下とお話する事はございません、まずはお二人で話し合いをされては如何ですか?何か誤解があるようですわね」
サロモンと、アニエスを交互に見て、ニコリと微笑む
「わたくしは部外者ですのよ?巻き込まないでくださいまし」
捕まえられた腕をなんとか解き、見苦しくみえないように場を去る……掴まれた腕が痛む。
サロモンの顔色が悪かった。
少し痩せたようにも見えたが関係ない。
いつも身なりはきちんと整えていたのだが、走ってきたせいか制服も髪型も乱れていた。
子爵令嬢への愛、故の行動だと信じたい…
なんとか授業を終え、逃げるように馬車に乗る…疲れた……
本気で領地に篭りたいと思った。
お爺様とお婆様はお元気かしら…
非日常の事を考えていたら、気持ちが楽になるような気がした
邸に帰ると、満面の笑みで母が迎えてくれた
「ただいま帰りました、お母様どうかされたの?」
「セレスちゃんにドレスが送られてきたわよ!」
「はいっ?どちらからでしょう……」
まさか…サロモンではあるまい…
さっき子爵令嬢が変な事を言っていた…
「王弟殿下のラルフ様に夜会へ誘われたのでしょう?ラルフ様に決まってるでしょ!」
「えっ!」
驚いて目を見開いてしまうが、早くドレスを見たくて母を急かす
「あら、まぁ、ふふふ」
「素敵…」
トルソーにかけてあるドレスに見入る…
まるでサファイヤの様な色をした、スッキリとした美しいドレスが用意されていた…
ラルフの瞳の色だ
それに合わせた首飾りと耳飾りもセットになっていた。
嬉しくて泣きそうになった…
初めて感じるこの気持ちはなんだろう
今日あった嫌なことが全部なくなったような気がした
「あら!セレスちゃんたら…ふふふ、お礼の手紙を書きなさいな、すぐにね!」
「……うん」
今、自分がどんな顔をしているのか…
泣いているのか、笑っているのかわからない
ただ、母はわたくしを見て嬉しそうな顔をしていた
部屋に戻り感謝の言葉と素直に嬉しくて、早くこのドレスを着てラルフに会いたいと手紙に綴った…
翌日、ラルフからいつものブーケとお菓子、手紙の返事が届いた。
ブーケよりお菓子より、早くラルフからの手紙が読みたくて部屋に駆けつけたら、その後母に小言を言われた…
でも耳に入らないほど、浮かれていた
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