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父のピンチ
「父上、何で引き止めなかったんですか!」
ファビオにアリシアとの最後の会話を説明した
「本気だと思うか?家から出るだなんて…貴族の娘だぞ?外に出て何が出来るんだ」
肩を落としソファに身体を沈める父が小さく見えた
「まぁそうですね…姉上は何がしたいんでしょうか…」
「知らん、だが必ず帰ってくると言っていた。あとはフェリシアの事をとても気にしていたしエクトル殿下に任せたいと言っていた…王家から話があった時にフェリシアをと考えたんだが、年齢的にアリシアから嫁に出したかったんだ」
「分かりますけどね、フェリシアをエクトル殿下に渡したら、エミリオが反対したでしょうね」
苦い顔をするファビオ
「それもあって家を出たんだ…姉妹で王家に嫁ぐことは出来ない。エミリオ殿下には侯爵令嬢がいるから、なにかあるとフェリシアが悪者になると言っていた。その通りなんだよ。こんな事になるならデビュタントで見初められた時にエミリオ殿下の婚約者にしておけば良かったのか…まだ娘を手放したくなかったんだ…全部間違えた、私のせいだ」
頭を抱える父
「もう過ぎたことです。あの時は既にエミリオと侯爵家の縁が出来てましたよ!フェリシアもエクトル殿下もお互い好きあっているようだし、姉上の意見を尊重しましょう。我が家の存続の危機ですがフェリシアも婚約式に出ると言ってますし」
疲労の色が見えるファビオ
大事な妹なのだ。幸せになってほしい
「あぁ、フェリシアには申し訳ないな、こんな形でエクトル殿下の婚約者になるなんて」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「陛下に折り入ってご相談があります」
「なんだ?クリスタル伯爵、婚約式の事か?」
この場にはエクトルも呼ばれていた
「はい」
「何じゃ言うてみぃ」
三日後には婚約式がある。用意もあり忙しない時期だ
ごくり…と唾を飲み込み
「エクトル殿下の婚約者をアリシアから妹のフェリシアに変更願います」
膝をついて頭を下げる
「なっ!なんでじゃ、」
目を丸くする陛下を他所に
「エクトル殿下、この通りです」
まるで土下座をするような形で頭を下げる
「伯爵どうか頭を上げてください、私の婚約者はフェリシアで構いませんよ」
にこりと微笑むエクトル
「おい、そんな大事な事を簡単に決めるなっ!」
陛下がエクトルを怒鳴りつける
「まだアリシアとの事は周知されていませんし、アリシアとフェリシア…名前が似ているので何か言われても、周りが勝手に間違えたんですよ、ねぇ伯爵?」
婚約式を無事終えたエクトルとフェリシア
正式に婚約者として発表されたのだ
「おまえはもうエクトル殿下の婚約者だから堂々としていなさい、姉上のことは父上に任せておこう、いいね?」
優しく落ち着いた口調で話をするファビオだが自身に言い聞かせているようにも思える
「お姉様には程遠い私なんかでは正直力不足ですが、家の為にもしっかりと務めてきます」
覚悟を決めた表情を見せるフェリシア
「いや、そう言う意味ではない…シアはエクトル殿下の事を、気になっているだろう?」
「お姉様の婚約者様です」
悲しそうな顔で答えるフェリシア
「もうお前の婚約者だ、両陛下もエクトル殿下も認めているんだ、そこは間違えないように」
「…でも、」
「エクトル殿下はちゃんとお前に求婚したんだろ?」
「…はい」
「それを受けた、違うか?」
「違いません」
「ならば堂々としていなさい、もしエミリオや他の男がしつこいようならすぐに言うように、姉上がいないのだから、私たちがしっかりとしよう」
兄も辛いのだろう頑張らなくてはいけないが、エクトルの相手はあの美しく優しい姉だったのだ、そう簡単に忘れることは出来ないだろう
…私は姉のスペアだ
ファビオにアリシアとの最後の会話を説明した
「本気だと思うか?家から出るだなんて…貴族の娘だぞ?外に出て何が出来るんだ」
肩を落としソファに身体を沈める父が小さく見えた
「まぁそうですね…姉上は何がしたいんでしょうか…」
「知らん、だが必ず帰ってくると言っていた。あとはフェリシアの事をとても気にしていたしエクトル殿下に任せたいと言っていた…王家から話があった時にフェリシアをと考えたんだが、年齢的にアリシアから嫁に出したかったんだ」
「分かりますけどね、フェリシアをエクトル殿下に渡したら、エミリオが反対したでしょうね」
苦い顔をするファビオ
「それもあって家を出たんだ…姉妹で王家に嫁ぐことは出来ない。エミリオ殿下には侯爵令嬢がいるから、なにかあるとフェリシアが悪者になると言っていた。その通りなんだよ。こんな事になるならデビュタントで見初められた時にエミリオ殿下の婚約者にしておけば良かったのか…まだ娘を手放したくなかったんだ…全部間違えた、私のせいだ」
頭を抱える父
「もう過ぎたことです。あの時は既にエミリオと侯爵家の縁が出来てましたよ!フェリシアもエクトル殿下もお互い好きあっているようだし、姉上の意見を尊重しましょう。我が家の存続の危機ですがフェリシアも婚約式に出ると言ってますし」
疲労の色が見えるファビオ
大事な妹なのだ。幸せになってほしい
「あぁ、フェリシアには申し訳ないな、こんな形でエクトル殿下の婚約者になるなんて」
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「陛下に折り入ってご相談があります」
「なんだ?クリスタル伯爵、婚約式の事か?」
この場にはエクトルも呼ばれていた
「はい」
「何じゃ言うてみぃ」
三日後には婚約式がある。用意もあり忙しない時期だ
ごくり…と唾を飲み込み
「エクトル殿下の婚約者をアリシアから妹のフェリシアに変更願います」
膝をついて頭を下げる
「なっ!なんでじゃ、」
目を丸くする陛下を他所に
「エクトル殿下、この通りです」
まるで土下座をするような形で頭を下げる
「伯爵どうか頭を上げてください、私の婚約者はフェリシアで構いませんよ」
にこりと微笑むエクトル
「おい、そんな大事な事を簡単に決めるなっ!」
陛下がエクトルを怒鳴りつける
「まだアリシアとの事は周知されていませんし、アリシアとフェリシア…名前が似ているので何か言われても、周りが勝手に間違えたんですよ、ねぇ伯爵?」
婚約式を無事終えたエクトルとフェリシア
正式に婚約者として発表されたのだ
「おまえはもうエクトル殿下の婚約者だから堂々としていなさい、姉上のことは父上に任せておこう、いいね?」
優しく落ち着いた口調で話をするファビオだが自身に言い聞かせているようにも思える
「お姉様には程遠い私なんかでは正直力不足ですが、家の為にもしっかりと務めてきます」
覚悟を決めた表情を見せるフェリシア
「いや、そう言う意味ではない…シアはエクトル殿下の事を、気になっているだろう?」
「お姉様の婚約者様です」
悲しそうな顔で答えるフェリシア
「もうお前の婚約者だ、両陛下もエクトル殿下も認めているんだ、そこは間違えないように」
「…でも、」
「エクトル殿下はちゃんとお前に求婚したんだろ?」
「…はい」
「それを受けた、違うか?」
「違いません」
「ならば堂々としていなさい、もしエミリオや他の男がしつこいようならすぐに言うように、姉上がいないのだから、私たちがしっかりとしよう」
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