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 レンと反対側にいた、眼鏡を掛けた男がリージュに向かって話し掛けていた。

 リージュはその姿を見てすぐに疑いの目を向けていた。

「あんたにできるのか?」

「俺はポールだ。俺はこういった機械ものには自身がある」

「そうは言っても、これは量産されているわけではない」

「リージュ、ここは頼ろう。俺たちだけで直せるかも分からない」

 その言葉にリージュは黙り込んで考えていた。

 囲んでいる彼らの姿を確認すると、どうやら純粋な善意で二人を助けようとしていることが表情から伝わってきた。

「そうだな……。少し世話になろう」

「わー、やったー!」

 リージュの了承に、横にいた少女が白いワンピースを揺らし、飛び跳ねながら喜んでいた。

 一人だけ全く違う雰囲気の存在に、二人は思わず身体を起こしてその姿を追い掛けていた。
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