上 下
27 / 124
2

2-11

しおりを挟む
「危ないかもしれないから端へ寄ろう」

「うんっ!」

 リージュに促されながらルビスは中央から離れた場所へと移動し、白いワンピースの裾を押さえながら地べたへと座った。

 その隣にリージュが肩を並べる。

 ある程度の距離を取ったところで、二人は剣を鞘から抜いて手に持つ。

「いつでもいいですよ」

 軽く構えたところで、キールを煽るようにそう言い放つ。笑みを浮かべながら、じっと彼の方を見る。

 やけに余裕がある、そう捉えたキールは簡単にルージュに勝てると思っていた。

 そのまま全速力でルージュへと向かっていく。

 その勢いのままキールの刃が斬り込まれていくが、激しくぶつかり合う金属の音を立てながらルージュに受け止められる。

 軽々と受け止められたことに驚きながらも、体勢を整えるために下がる。

 それと同時に、ルージュも距離を離して彼の様子を伺っている。攻めようと構えるだけで、実際に向かっていく様子はない。
しおりを挟む

処理中です...