26 / 73
26. ビキニアーマーの痛み
しおりを挟む
「へぇ、あなたがOrangeの男爵様? 思ったよりお若いのね?」
金の模様が入った漆黒のビキニアーマーで肌を露出した、Sランク女剣士ソリス・ブレイドウォーカーはニコッと笑ってタケルを見つめる。
「きょ、今日はよろしくお願いいたします」
タケルは目のやり場に困り、慌ててお辞儀した。
魔物の領域に手を出す上で、魔法のバリエーションを増やしておきたいタケルは遺跡探索をやろうと思い立ったのだ。魔道具の欠片でも残っていればそこからITスキルで古代の魔法のコードを吸い出せるかもしれない。そこで、ギルドに護衛として凄腕の剣士をお願いしたら美しい女性が来てしまったのだ。
「私を雇うなんて相当儲けていらっしゃるのね? フォンゲートは私も使わせていただいてますわ」
ソリスはファサッと赤い髪の毛を揺らしながらほほ笑んだ。
「あ、ありがとうございます。おかげさまで事業は順調に伸びております」
「で? ギルドからは遺跡探索と聞いておりますが?」
「そ、そうなんです。魔法の研究をしていましてですね、ルミナセラフ遺跡で調査をしたいんですよ」
「うーん、昔行きましたけど……、あそこは壊れた遺構しか残ってないわよ?」
ソリスは人差し指をあごにつけ、困惑気味に首をかしげる。
「無いなら無いでいいんです。無いことを確かめるのも研究なので……」
「はぁ、わたしとしては報酬いただければどこでも構わないですけどね……。あら、ビキニアーマーは初めて?」
タケルがついついビキニに目が行っていることを見逃さなかったソリスは、ニヤッと笑った。
「あ、いや、素肌丸出しでどうやって防御しているのかと……」
「ふふっ、では、触ってみて下さる?」
「え……?」
「この辺をペタッと。口で言うより触ってみればわかるわ」
ソリスは腹筋のあたりを指さす。
「で、では遠慮なく……」
タケルはそーっと指を伸ばした。
もうすぐ肌に触れようとした時だった――――。
バチッ!
痛ってーー!
まるで冬の静電気にあったかのように指は弾かれてしまった。
「お分かりいただけましたか?」
ソリスは楽しそうに微笑んでいる。
「そりゃもう、痛いほど……」
タケルは顔を歪めながら辺りを見ると、クレアがまるで汚いものを見るような目でにらんでいる。
「私も行くわ!」
クレアは何かに突き動かされるように宣言した。
「お、おい。遺跡調査は何が起こるか分からないんだぞ?」
「だから行くって言ってるの!」
クレアは仏頂面で腕を組み、テコでも動きそうにない。
「あぁ、もう……」
タケルは渋い顔で宙を仰いだ。
「ふふっ、いいわよ、可愛いお嬢ちゃん。遺跡で何が起こるかしらね? ふふっ」
「タケルさん、行きましょ!」
クレアはソリスをキッとにらむと、タケルの手を引っ張っていく。
「あ、ちょ、ちょっと……。もう……。では、ソリスさん、お願いします!」
「はいはい。楽しい旅になりそうね。ふふっ」
ソリスは長い髪をかき上げ、嬉しそうに笑った。
◇
一行を乗せた馬車は城門をくぐり、見渡す限り続く麦畑を行く。爽やかな風の吹く、真っすぐの一本道をカッポカッポとのどかに進んでいった。
「お茶をどうぞ」
タケルは魔法のポットからお茶を注ぎ、ソリスに出した。
「あっ! お茶ぐらい私がやります!」
クレアはポットをタケルからひったくると、渋い顔をしながらお茶を注ぎ、タケルや護衛に配っていった。
「クレア、ありがとうね」
「タケルさんは貴族様なんですから、もっとどっしりとしていていただかないと困ります!」
クレアは口をとがらせる。
「ごめんごめん、なんか暇でさ」
「ふふっ、可愛いお嬢さんね。婚約者さんかしら?」
ソリスは二人を見ながら聞く。
「こ、婚約者だなんてぇ……、そう見えます? うふふ……」
クレアは嬉しそうにクッキーをクレアに手渡した。
「こ、婚約はしてないですね。パートナー企業の令嬢です」
タケルは苦笑いをしながら答える。
「あら、では男爵はまだフリー?」
ソリスはブラウンの瞳をキラッと輝かせながらタケルの顔をのぞきこむ。
「ま、まぁ、フリーというか、今は忙しくて恋愛は……」
「仕事、仕事ばかりじゃ幸せ逃げると思いません?」
クレアは肩をすくめると、ソリスに同意を求めた。
「でもまぁ、殿方はね、そういう時期もあるんだと思いますよ」
ソリスは余裕のある笑みを浮かべ、クレアはつまらなそうに口をとがらせる。
金の模様が入った漆黒のビキニアーマーで肌を露出した、Sランク女剣士ソリス・ブレイドウォーカーはニコッと笑ってタケルを見つめる。
「きょ、今日はよろしくお願いいたします」
タケルは目のやり場に困り、慌ててお辞儀した。
魔物の領域に手を出す上で、魔法のバリエーションを増やしておきたいタケルは遺跡探索をやろうと思い立ったのだ。魔道具の欠片でも残っていればそこからITスキルで古代の魔法のコードを吸い出せるかもしれない。そこで、ギルドに護衛として凄腕の剣士をお願いしたら美しい女性が来てしまったのだ。
「私を雇うなんて相当儲けていらっしゃるのね? フォンゲートは私も使わせていただいてますわ」
ソリスはファサッと赤い髪の毛を揺らしながらほほ笑んだ。
「あ、ありがとうございます。おかげさまで事業は順調に伸びております」
「で? ギルドからは遺跡探索と聞いておりますが?」
「そ、そうなんです。魔法の研究をしていましてですね、ルミナセラフ遺跡で調査をしたいんですよ」
「うーん、昔行きましたけど……、あそこは壊れた遺構しか残ってないわよ?」
ソリスは人差し指をあごにつけ、困惑気味に首をかしげる。
「無いなら無いでいいんです。無いことを確かめるのも研究なので……」
「はぁ、わたしとしては報酬いただければどこでも構わないですけどね……。あら、ビキニアーマーは初めて?」
タケルがついついビキニに目が行っていることを見逃さなかったソリスは、ニヤッと笑った。
「あ、いや、素肌丸出しでどうやって防御しているのかと……」
「ふふっ、では、触ってみて下さる?」
「え……?」
「この辺をペタッと。口で言うより触ってみればわかるわ」
ソリスは腹筋のあたりを指さす。
「で、では遠慮なく……」
タケルはそーっと指を伸ばした。
もうすぐ肌に触れようとした時だった――――。
バチッ!
痛ってーー!
まるで冬の静電気にあったかのように指は弾かれてしまった。
「お分かりいただけましたか?」
ソリスは楽しそうに微笑んでいる。
「そりゃもう、痛いほど……」
タケルは顔を歪めながら辺りを見ると、クレアがまるで汚いものを見るような目でにらんでいる。
「私も行くわ!」
クレアは何かに突き動かされるように宣言した。
「お、おい。遺跡調査は何が起こるか分からないんだぞ?」
「だから行くって言ってるの!」
クレアは仏頂面で腕を組み、テコでも動きそうにない。
「あぁ、もう……」
タケルは渋い顔で宙を仰いだ。
「ふふっ、いいわよ、可愛いお嬢ちゃん。遺跡で何が起こるかしらね? ふふっ」
「タケルさん、行きましょ!」
クレアはソリスをキッとにらむと、タケルの手を引っ張っていく。
「あ、ちょ、ちょっと……。もう……。では、ソリスさん、お願いします!」
「はいはい。楽しい旅になりそうね。ふふっ」
ソリスは長い髪をかき上げ、嬉しそうに笑った。
◇
一行を乗せた馬車は城門をくぐり、見渡す限り続く麦畑を行く。爽やかな風の吹く、真っすぐの一本道をカッポカッポとのどかに進んでいった。
「お茶をどうぞ」
タケルは魔法のポットからお茶を注ぎ、ソリスに出した。
「あっ! お茶ぐらい私がやります!」
クレアはポットをタケルからひったくると、渋い顔をしながらお茶を注ぎ、タケルや護衛に配っていった。
「クレア、ありがとうね」
「タケルさんは貴族様なんですから、もっとどっしりとしていていただかないと困ります!」
クレアは口をとがらせる。
「ごめんごめん、なんか暇でさ」
「ふふっ、可愛いお嬢さんね。婚約者さんかしら?」
ソリスは二人を見ながら聞く。
「こ、婚約者だなんてぇ……、そう見えます? うふふ……」
クレアは嬉しそうにクッキーをクレアに手渡した。
「こ、婚約はしてないですね。パートナー企業の令嬢です」
タケルは苦笑いをしながら答える。
「あら、では男爵はまだフリー?」
ソリスはブラウンの瞳をキラッと輝かせながらタケルの顔をのぞきこむ。
「ま、まぁ、フリーというか、今は忙しくて恋愛は……」
「仕事、仕事ばかりじゃ幸せ逃げると思いません?」
クレアは肩をすくめると、ソリスに同意を求めた。
「でもまぁ、殿方はね、そういう時期もあるんだと思いますよ」
ソリスは余裕のある笑みを浮かべ、クレアはつまらなそうに口をとがらせる。
0
あなたにおすすめの小説
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる