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第21話 ここは何処?⑨
しおりを挟むあー、イラっとした。その反応にイラッとしたよ。
私召使いじゃない。なんならさっき目覚めたばっか。
麗よりも状況把握は出来てない。
その上麗と言葉交わしたのは今が初。
なのにその驚きはなんだ。私が麗の言うことになんでもかんでもハイと言わないから驚いたってこと?
反抗されたから?
しかもずっと無表情だったのに、今は驚きから信じられないみたいな、軽蔑するような、そんな視線に変化している。
だからぁ、私召使いじゃないっての!
可愛いからって調子のんじゃないっての!
僻み根性丸出しでプリプリしている私。
落ち着けぇぇ私の方が歳上。
私の方がお姉さん。そうだ、お姉様と呼ばせようか。
駄目だ、思考がアホよりになってきている。
まぁ、無理に仲良くする必要ないよね。
相手が仲良くする気ないのに無理矢理距離詰められたらそりゃ警戒もするし不快感も出るよね。
うん。会話っていう会話なんてしてないけど、最初から飛ばし過ぎた私のせいかもって思えてきた。でも、言うべきことは黙ってるべきじゃないよね。
お姉様だし、最低限言うだけは言おう。
「麗ちゃん、私は麗ちゃんの召使いじゃないし、他の人の事も自分の都合だけで使おうとするのは良くないと思うよ?」
オネェさんぶる。フフッ大人の女性の余裕を見せれたかな?
ちょっと得意気になって越に入っていると
「麗さんでしょ!麗ちゃんとか、生意気。私よりも歳下でしょ?」
まさかの年功序列発言。
「は?」
え、麗ちゃんより歳下に見えてるの私。歳下と見下しての命令系?
そりゃ童顔だしチビだし、見た目よりかなり若く見られることしかなかったけど、でも流石にこの麗のピチピチした感じよりも歳下にみえるってことある?
まだ、つい最近成人しましたくらいの見た目の子だよ?
ポカーーーンと口を開けたまま動けない。
身動きせずアホ面を晒し続ける私に腹が立ったんだろう。
「あんた何歳なのよっ!」
「31」
「「「「うそ!!!!」」」」
皆んなで口を揃えて私を嘘つき呼ばわりだ。
心外である。
だいたい、若く偽るならともかく歳上に偽るのはあんまりすることじゃないよね?
そもそも、私っていくつに見えてるわけ?
「皆さん私のこと何歳に見えてんすか?」
この案件は不貞腐れても仕方ない。日本でも散々見た目が幼い云々言われ続けてウンザリしていたのに。女性にとって年齢はナイーヴな話題なのだと聞いた事がある!
「どう見ても20歳そこそこじゃねーの?
下手すりゃ10代にも見えるけど。」
優汰があり得ない発言をする。
そこに次々と皆んなが賛同していく。
「え、ガチすか?」
全員頷く。
うそーん、多少若く見られるのは喜ぶ人も多いけど、これは馬鹿にされてるとしか思えない。
「なんなんですか、私馬鹿にされてますか。」
表情が消えた私に、流石に不味いと思ったのか皆んな焦ってフォローしてくるが
「若く見られるのって喜ぶとこじゃねーの?」
アホの子優汰の追撃である。
「許容出来る範囲ってのがあるんですよ。
4、5歳ならありがとで流せますけど、それ以上になると只のゴマスリか、その歳には見えないねって馬鹿にしてるかのどっちかですね。日本でも散々言われてきたからそーゆーの流石にわかります。
悪気なく言ってるのも態度見りゃわかりますけどね、それでも不快なもんは不快なんですよ。」
「え、じゃあ千早ちゃん本当の本当に31歳なの?」
「当たり前でしょ!てか、私の名前は千早じゃない!二度と呼ばないで!!!」
「「「「は?」」」」
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