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第244話 ポツンと貴族 side亜門
しおりを挟む辺境への道中、ほとんど嫌な視線は感じず、煩わしい接触もなく、俺達に最大限配慮された日程。
何も成していないのにここまで俺としーちゃんに気を配るってことは、やっぱり魔法陣では地球人を呼び出すのが真の目的か?
本当に辺境への意見と魔物退治が目的で城から出されたのか?
馬車での移動の最中に色々と考えようと思っていたが、揺れるわ煩いわ腰は痛いわでちっとも考えが纏まらない。おまけにしーちゃんとの会話もままならない。
必然的に外の景色に目がいく。
自由がない狭い馬車の中で苛立ちが募るのに、話に聞いた通り平民はやはり外側で腹立ちは収まらない。
後悔したのは宿泊する部屋割りだった。
しーちゃんが俺と同じ部屋でいいから他の人に部屋を譲ってやってと言い、魔力を広げて索敵するにしても同じ部屋のが守りやすいと安易に了承したのは浅はかだった。
部屋の作りが箱の中と同じだと勝手に思い込んでしまっていた。
いざ部屋に入り、愕然とした。
なんと1LDだったのだ。
トイレも風呂も、その全てが扉1枚隔てて寝室。
風呂に至っては2軒目に泊まった家から脱衣所すらない。
しかもしーちゃんはその部屋を見ても何も気にしていない。
いや!気にしてくれよ!
気にしていないということは俺に心を許して信頼してくれている証だということは理解している。
が、それと同時に男として全く意識していないということにもなる。
こんな狭い部屋で、ベッドは別といえど惚れた女と寝食を共にする。
どんな拷問だ!
なんの試練だ!
キツすぎるだろ!
こんなのラブホじゃねぇか!
まさか辺境で与えられる部屋もこんなんなのか!?
俺に死ねと??
だが今更部屋を分けようなんて言えるわけねぇし、そもそも部屋が離れるのはそれはそれで嫌だ!
朝の寝ぼけたしーちゃんは可愛かった…
どうしようもねぇな、俺……
事が起こったのは畑の真ん中にある貴族家でのことだった。
こんなこともどこかではあるだろうなという予想通りの行動をした貴族家だった。
着飾り、香油をぬりたくったその姿。
髪形だけは逆毛を立てる様なことはせずストレートだった。
幸いなことにいきなり近寄っては来ず、1列にズラっと並んでいただけだった。
そいつらの大半はあまり良い感情を向けてこなかった。
この匂いを嗅ぐと、出発前夜の皇帝の娘を思い出してしまう。
俺にとっては僅か3日前の出来事。
またかよ。
と、うんざりする。
近寄りたくねぇ、話したくねぇ、関わりたくもねぇ。
冷たく言っても何も響かず、当主が自身の子供達?に指示を出す。
俺の魔力量を見ても色気には勝てないと思われてるのが余計に腹が立つ。
近づいてきた女2人に再び口を開こうとした瞬間、右手首にしーちゃんが触れてきたと思ったら、しーちゃんは吐いてしまった。
嘘だろっ!?
まさか香油の匂い!?
嗚咽を必死に我慢して、しきれず胸を押さえて蹲るしーちゃんの背中を撫で、ハンスが入ってきた入口の扉を開け放ち叫ぶのを聞き、しーちゃんを抱きかかえ外に走り出る。
吐き気を必死に我慢し脂汗をかきながら涙を流すしーちゃんを前に、ここから連れ出す事以外何もできないことが悔しい。
馬車に逆戻りし、お姫様抱っこの状態のまま膝の上に横に座らせ、ひたすら背中をさすりながら涙や汗を拭く。
臭いの元凶から遠ざかり、少しずつしーちゃんの呼吸が落ち着いてきた。
しーちゃんの1言目は「ごめん」だった。
その1言で体温がスっと下がったような気がした。
しーちゃんは何も悪くない、何もしてない、嫌な思いも視線も浴び、必死に吐き気と戦っていただけ。
それなのに謝らせてしまった。
落ち着け、しーちゃんは吐いたんだ。
気持ち悪いだろう。
まずは水を飲んで気分を少しでも良くしてもらおう。
被害にあったのが俺だけならいい。
でも今回の被害者はしーちゃんだ。
下がった体温の下にグツグツと煮えたぎるような怒りが込み上げてくる。
が、その怒りは霧散した。
俺以上にハンスがキレたからだ。
人間は怒りを通り越すとこうなるのかというような無表情さ。
ラルフがいくらハンスのお眼鏡にかなわないと言えど、まさか斬って捨てようとするとは思っていなかった。
ここまでの怒りを見せるということは、トビアスから皇帝の娘の件はハンスに報告され、日を置かずしてしーちゃんが被害に遭ったことで俺の逆鱗に触れたと判断したんだろう。
更に、口数は少なくとも、ニルスのキレっぷりもかなりのものだった。
他人の怒りを目の当たりにすると、自分は案外冷静になってしまう。
ハンスの言いたいことも許せない気持ちもわかる。
しーちゃんに顔が怖いと言われたハンスは、漸く怒りを抑え冷静に対処しだした。
俺もハンスもしーちゃんも通常時の状態に戻ると、しーちゃんが俺のことを臭いと言い出した。
その衝撃は恐ろしいものだった。
汗臭かったか!?
まさか加齢臭!?
いや今は若いはず!
俺が焦りまくっている最中に、今度はハンスが臭いと言い出し、更にはしーちゃん自身も臭いと言い出す。
よく聞けば、さっきの香油の匂いの記憶が強すぎてそう感じていただけだった。
寝れば直ると言えば、それまで半泣きでどうしようとワタワタしていたしーちゃんは、動きをピタッと止め潤ませたままの瞳の上目遣いで「…本当?」と言った。
くっっっっっっっそ可愛いな!!??
ほんと、なんの試練なんだよ!!!
そんな俺に更なる試練が!
先に食事を終えたしーちゃんは風呂に入ると言い出した。
いやいやいやいやいやいや!
脱衣所ねぇから!
俺まだ飯食ってるから!
ここで飯食ってていいとか言われてもしーちゃんのシャワーの音気になってそれどころじゃねぇから!
勘弁してくれ!!!
急いで飯を腹に押し込み、食器を全て持ち部屋から逃げ出した。
建物の外にはハンスがいた。
「川端様、使用済みの食器ならば私がお預かりしますよ。」
「悪い、頼むわ。」
ハンスに食器を渡したが、入口の階段にそのまま腰を下ろした俺に
「どうされましたか?何か中で不足な物でもございましたか?」
と聞かれてしまった。
まぁ、当然そう聞かれるわな。
「……しーちゃんが風呂入ってるから。」
「あ、あぁ~………なるほど。そうでしたか。」
ハンスと俺の間に何とも言えない沈黙が降りてくる。
耐えられなくなった俺は
「なぁ、何でこんな部屋の作りなんだ?おかしくねぇか?不便すぎるだろ。」
「そうですねぇ。所謂、お客様を接待するお部屋だと思いますので……まぁそういうことも視野に入っておりますよね。」
「そういうことって言うのは、性的な?」
「そうなりますねぇー。」
「やっぱそうなんだよなぁ。」
作りがちょっと狭いラブホそのものなんだから、そう捉えるのが自然だろう。
などと考えていると、ハンスが特大の爆弾を落としてきた。
「紫愛様と一緒のお部屋でそういう雰囲気にならないのですか?」
「おっっまえなぁぁぁ!なってたら俺がここで待機してるわけねぇだろーが!」
「いえ、そういうのを狙っての同室なのかと思いまして。」
「俺は箱の部屋の作りと同じだと思ってたんだよ!奥に寝室、手前にリビングってな!魔力での索敵だって寝てたらそんなに広範囲できねぇからな。しーちゃんを寝室に寝かせて俺がリビングで寝りゃいいと思ってたんだ。」
「そうでしたか。」
淡々とした様子のハンス。
信じてないか興味ねぇかのどっちかだな。
「それに護衛は3人しかいないんだ。俺としーちゃんが別々の部屋にいたら、それぞれ部屋の前で待機しなくちゃならねぇ。ハンス達だって休めないだろ?ただでさえ休みなんて取れてないんだ、体調崩すぞ?」
「お気遣いありがとうございます。ですが我々の心配は無用です。むしろ、川端様はその状況で休めていらっしゃるのですか?」
休めてるかって!?
休めてるわけねーよ!
「はぁー……今更部屋分けろなんて格好つかねぇだろ?それに、しーちゃんは俺を信頼してくれてんだ。裏切るような真似できるか!単純に俺の問題なんだよ。全くその気がないしーちゃんにこんなになってるっつーのも情けねぇよ…」
「それは……お察しします。」
「察するなっ!!ハンスはどうなんだ?好いた女とかいねぇのか?」
「おりませんね。正直に申し上げますと、私にはそういった欲も無いです。」
自分の耳を疑った。
「は??じゃあラルフに、中央の貴族なんて阿婆擦ればっかりだから捌け口に利用しろとか言ったのは何なんだ?」
「ラルフはそんなことまで川端様に申し上げたんですかぁ?あれはですね、ラルフがあまりにも騎士団内での動きがないので、自分の立場を利用して情報集めてこいという私なりの激励、もしくは立ち回りを教えたまでのことです。」
「なるほどな、うまく動けよって意味だったのか。それをラルフは全く理解せずそのままの意味として捉えただけ。」
「そういうことなんでしょうね。私の言葉でラルフに影響を与えられたとは思えませんから。」
「そういう欲がないのによくそんなことができるな?」
欲が無けりゃ苦痛にしかならないだろうに…
「そんなもの情報の為ならばいくらでも調整できますから。」
皇帝の側室からの情報ならば、次期当主というそれ相応の立場が無ければ近付くことさえ不可能だ。
やむを得ない、か…
「トビアスから皇帝の娘の話聞いて、似たようなことが続いたからラルフを許せなかったんだろ?」
「はい。しかも今回実害があったのは紫愛様ですから。」
「だからと言って3人しかいない護衛を減らすのはないだろ?それにそれだけ怒るってことはラルフに期待してるからなんじゃねぇの?」
「いいえ。期待など全くしておりません。少なくとも辺境ではラルフの居場所などありませんよ。しかし、騎士達を気遣うことをするためか騎士団内での求心力はありますからね。せめて騎士団の馬鹿共を御するくらいはしてもらいたいものです。」
本当に少しの期待もしてないみたいだな。
「なるほどな。でもな、仲間内で殺し合いはナシだ。ハンスが言う通り、まだ護衛としてのラルフの使い道はあるんだろ?少しでも味方は多い方が良い。それと、今後の貴族達の処罰は皇帝に任せる。余程のことがない限り俺はもう皇帝に手は貸さない。皇帝の娘の件は見せしめになるっつー俺の思惑と、単純に許せなかったってのもある。あれを野放しにしたら、結局のところ地球人に迫っても罰は無いと捉えられるからな。」
「今回被害に遭われたのは紫愛様ですが、よろしいのですか?」
「ちっともよろしくねぇよ。俺も殺してやりたいくらい腹が立ってた。だけど俺が怒る前にハンスがブチ切れたからな。怒りが引いたわ。皇帝はどんな処罰をすると思う?」
「紫愛様のお話を聞いて、おそらくですが当主夫妻は免れないでしょうね。皇帝陛下の娘ですらあれなのですから、処刑でしょう。」
やはりそうか。
「しーちゃんの推察は恐らく合ってる。俺も真ん中の2人以外からは不快な視線を感じたからな。子供達はどうなる?」
「事実確認をし、お2人のことを事前に知らされていなければ無実にはなり得ないでしょうが、処刑まではいかないかと。」
「そうか、ならいい。しーちゃんは優しいからな。あの言い方からしても、子供達が悪いとあまり思ってないようだった。親に言われただけの子供達まで連座で処刑になるなんて聞いたら止めるだろうからな。」
「処刑にならずとも今回の件で親が処刑されれば、今後子達の口が滑ることはないでしょう。」
「当然と言えば当然だな。」
親としてまともかどうかは知らないが、流石に親が処刑されたとあれば地球人に関する全てのことに拒否反応は出るだろうな。
「ですが、まさか本当に紫愛様が嘔吐してしまわれるとは思っておりませんでした。比喩的な表現をしているのだとばかり…」
「それなぁ、実は俺も思った。苦手なのは知ってたけど、まさかあそこまでなるとは……しーちゃんは匂いに敏感なんだ。辺境では絶対ないようにしてくれよ。今度あったら流石に許せそうにないわ。」
「勿論です。今以上に徹底させます。」
そんな話をしていたら内側から扉が開き
「あっくんお待たせ!」
と、髪が濡れたしーちゃんが出てきた。
今から試練再開か…
「髪、乾かさないと風邪ひくよ?俺も風呂入るね。」
そう言って2人で部屋に戻る。
後ろからハンスの同情のような視線を浴びせられる。
やめろ!!!
そんな目で俺を見るな!!!
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