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第23話 だって
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だって喜ぶと思ったから。
だって喜んでほしいと思ったから。
だって、それが自分に取って一番嬉しいことだったから。
アイリに拒まれたユリウスはぽつんと花壇の前に取り残されていた。一部始終を見ていたレオはどう声をかければいいかわからず、ずっと隅で黙っている。
唇を噛み締めたまま、ユリウスは泣き出しそうな気持ちをこらえていた。
「……喜ぶと、思ったんだもん」
その言葉は届けたい人へ届かない。心配そうにレオが見守る中、オルヴォが早足でユリウスを呼びに来た。
「ユリウス様、そろそろ執務のお時間です。お戻りください」
「オルヴォ……」
ユリウスは力なく顔を上げ、オルヴォを見やる。いつもはいやだいやだとだだをこねるユリウスがしおらしくしているのを見て、オルヴォは怪訝な顔をした。
「アイリ様と何かあったのですかな」
先ほどすれ違ったアイリの様子といい、オルヴォは何かあったのだろうと聞いてみた。アイリの名前を聞いた途端ユリウスは涙ぐんでぼろぼろと涙をこぼし出す。
「オルヴォぉ……アイリに、アイリにきらわれちゃったぁ……!」
そのまま声を上げて泣き出すからオルヴォとて焦ってしまう。地面に座り込んで子供のようにユリウスは泣きじゃくる。オルヴォはハンカチでユリウスの顔を拭ってやり、戸惑いつつも事の成り行きを聞こうとする。
「一体どうなさったのですか、嫌われたとは」
「オルヴォ様」
庭師のレオがおずおずと声をかける。ユリウスは泣きっぱなしで到底話を聞けそうにない。
「庭師のレオ殿か、事情を説明願えますかな」
「はい。実は……」
一連の事情を聞いたオルヴォは、苦い顔をして唸る。
「なるほど、それは……」
「ユリウス様も悪気はないのです、どうか責めないでくださいませんか」
レオの言葉にオルヴォは首を横に振る。
「いえ、今回ばかりはアイリ様の言うとおりでしょう。レオ殿の気持ちもわかりますが、ここは。ユリウス様」
オルヴォはぐすぐすと泣いているユリウスと目線を合わせるように屈み、まっすぐにユリウスを見た。
「……ぐす、っ……」
「ユリウス様、顔をお上げください」
「オルヴォ……?」
ハンカチで涙を拭いながらユリウスは顔を上げる。濡れた目を見据えてオルヴォは諭すようにゆっくりと話していく。
「どうしてアイリ様に嫌いと言われたか、わかりますかな?」
「それ、は……」
しゃくりあげながらもユリウスは懸命に考える。どうして機嫌を損ねてしまったのだろう。どうして嫌だと言われてしまったのだろう。
庭師のレオに無理を言ったせいだろうか。アイリのことも聞かずに花壇を作るなんて言ったからだろうか。でも、一つわかるのは。
「おれ、みんなにわるいこと、したの?」
オルヴォは静かに頷く。ユリウスはまた泣き出しそうになるが、オルヴォに止められた。
「そこで泣いていてはいつまで経ってもアイリ様は許してくれませんぞ。大事なことは自分の非を認め誠実に尽くすことです」
「うん……」
「つまり、どうするべきかわかりますな」
オルヴォはそこで話を切ってユリウスに問う。ユリウスは一つ頷いて涙を拭う。そして心配して様子を窺っているレオに向き直った。
「ユリウス様?」
そしてユリウスは勢いレオに向かってよく頭を下げる。
「……ごめんなさい!」
レオは驚いて目を丸くしている。ユリウスはぎゅっと目をつぶり、続けた。
「レオのことちゃんと考えてなくって、嫌な気持ちにさせちゃってごめんなさい。今度から無理に言ったりしないから、っ……」
だって喜んでほしいと思ったから。
だって、それが自分に取って一番嬉しいことだったから。
アイリに拒まれたユリウスはぽつんと花壇の前に取り残されていた。一部始終を見ていたレオはどう声をかければいいかわからず、ずっと隅で黙っている。
唇を噛み締めたまま、ユリウスは泣き出しそうな気持ちをこらえていた。
「……喜ぶと、思ったんだもん」
その言葉は届けたい人へ届かない。心配そうにレオが見守る中、オルヴォが早足でユリウスを呼びに来た。
「ユリウス様、そろそろ執務のお時間です。お戻りください」
「オルヴォ……」
ユリウスは力なく顔を上げ、オルヴォを見やる。いつもはいやだいやだとだだをこねるユリウスがしおらしくしているのを見て、オルヴォは怪訝な顔をした。
「アイリ様と何かあったのですかな」
先ほどすれ違ったアイリの様子といい、オルヴォは何かあったのだろうと聞いてみた。アイリの名前を聞いた途端ユリウスは涙ぐんでぼろぼろと涙をこぼし出す。
「オルヴォぉ……アイリに、アイリにきらわれちゃったぁ……!」
そのまま声を上げて泣き出すからオルヴォとて焦ってしまう。地面に座り込んで子供のようにユリウスは泣きじゃくる。オルヴォはハンカチでユリウスの顔を拭ってやり、戸惑いつつも事の成り行きを聞こうとする。
「一体どうなさったのですか、嫌われたとは」
「オルヴォ様」
庭師のレオがおずおずと声をかける。ユリウスは泣きっぱなしで到底話を聞けそうにない。
「庭師のレオ殿か、事情を説明願えますかな」
「はい。実は……」
一連の事情を聞いたオルヴォは、苦い顔をして唸る。
「なるほど、それは……」
「ユリウス様も悪気はないのです、どうか責めないでくださいませんか」
レオの言葉にオルヴォは首を横に振る。
「いえ、今回ばかりはアイリ様の言うとおりでしょう。レオ殿の気持ちもわかりますが、ここは。ユリウス様」
オルヴォはぐすぐすと泣いているユリウスと目線を合わせるように屈み、まっすぐにユリウスを見た。
「……ぐす、っ……」
「ユリウス様、顔をお上げください」
「オルヴォ……?」
ハンカチで涙を拭いながらユリウスは顔を上げる。濡れた目を見据えてオルヴォは諭すようにゆっくりと話していく。
「どうしてアイリ様に嫌いと言われたか、わかりますかな?」
「それ、は……」
しゃくりあげながらもユリウスは懸命に考える。どうして機嫌を損ねてしまったのだろう。どうして嫌だと言われてしまったのだろう。
庭師のレオに無理を言ったせいだろうか。アイリのことも聞かずに花壇を作るなんて言ったからだろうか。でも、一つわかるのは。
「おれ、みんなにわるいこと、したの?」
オルヴォは静かに頷く。ユリウスはまた泣き出しそうになるが、オルヴォに止められた。
「そこで泣いていてはいつまで経ってもアイリ様は許してくれませんぞ。大事なことは自分の非を認め誠実に尽くすことです」
「うん……」
「つまり、どうするべきかわかりますな」
オルヴォはそこで話を切ってユリウスに問う。ユリウスは一つ頷いて涙を拭う。そして心配して様子を窺っているレオに向き直った。
「ユリウス様?」
そしてユリウスは勢いレオに向かってよく頭を下げる。
「……ごめんなさい!」
レオは驚いて目を丸くしている。ユリウスはぎゅっと目をつぶり、続けた。
「レオのことちゃんと考えてなくって、嫌な気持ちにさせちゃってごめんなさい。今度から無理に言ったりしないから、っ……」
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