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第一章 再会
第18話 あの女生きて帰ってきやがったまずい!
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いくら強いと言ってもしょせんは女だ、蛇を投げつけられたらビビるだろう。
ただ、足元に蛇を転がして脅かしてやるだけのつもりだったのだが、思ったより蛇が勢いよく飛んでしまった。別に、ビビって力んでしまったわけじゃないぞ、ちょっと加減を間違っただけだ。勢いよく飛んだ蛇はどこに行ったかと見れば、女の足元…ではなく首に巻き付いていた……。
ま、まぁ、あの女は腕が立つから、蛇くらい振り解けるだろう。実際、女は即座に蛇を振り払った。
だが……振り返った女の胸のあたりから血が流れていた。女は胸を蛇に噛まれてしまっていたのだ……
しかも運が悪い事に、その蛇は猛毒を持つ毒蛇だった。すぐに毒が回り女は倒れてしまった。
落ち着け……蛇毒に噛まれたくらいは毒消しを使えばすぐに治る。
…そうだった、毒消しはさっき、毒の沼で使い切ってしまったのだった……(毒を含んだ霧で身体の動きが鈍くなるのでジャックがガブ飲みして使い切ってしまったのだ)
まぁ、毒消しがなくとも【キュア】を使えば毒は消える。俺は使えないが。【キュア】を使えるキリはどこに行った……?
後ろを気にしているうちに、いつのまにか他のメンバーは先に行ってしまったようだ。それにさっき、キリは魔力切れでもう回復魔法は使えないとか言っていたので、居ても無理だったろうな。相変わらず使えない奴だ。
だがそうなると、女が……
……
…まぁ、別にいいか?
以前は口説いた事もあったが、自分に靡かない女など、どんなに美人だろうと存在している価値はない。(俺にとっては。)それに、この女は俺に恥をかかせた憎たらしい存在。俺より強い女など、この世にいてはならないのだ。
色々考えれば、この女は俺にとっては目の上のたんこぶのようなものにいつの間にかなっていた。可愛さ余って憎さ百倍、居なくなってくれれば……想像すると、それはとても良い考えじゃないか?
このまま放っておけば、あの女は死ぬだろう。
たまたま森の中で毒蛇に噛まれて死んだ事にすれば……よくある事故、不幸な事故だ。冒険者としては間抜けな事故だが。
事故で消えてくれるなら、いっそ清々しさすら覚えるほどであった。
俺は決断すると、小走りで仲間を追った。
仲間が見えてきたところで俺は叫んだ。
『毒の沼から魔物が追ってきてる! 急げ、逃げるんだ!』
パーティのメンバー達はそれを聞いて慌てて走り出した。
かなり走って、いい加減魔物が追ってこないのを確認し、全員止まった。
そこで、あの女が居ないと気付いたメンバー達が騒ぎ始めた。あの女は魔物に捕まって殺された、後方の警戒を怠って、不意打ちを食らった。残念ながら助けられる状況じゃなかったと俺は説明してやった。
助けに行くなどとキリが言い出したが、雑魚が行ったところで何になる。あの女ですら敵わなかった魔物だ、雑魚が駆けつけても殺されるだけだ。ましてや治癒魔法師のキリが言っても瞬殺されて終わりだろう。命が惜しかったらこのまま街へ向かえ、これはリーダーの命令だと怒鳴りつけると、全員素直に従った。
なんとか街に帰り着く事ができた俺達。冒険者ギルドには、あの女は毒の沼で俺たちを逃がすために自ら囮になったと報告した。名誉の戦死という美談にしてやったのだ。
雑魚メンバーどもにも、あの女の名誉を守ってやるために嘘の説明をすると言ったら納得して黙っていると約束した。
あの女は冒険者達の間で人気が高かったので少し揉めたが―――中には俺が嘘をついているなどと言い出す奴までいた。
ふざけるなよ、俺が嘘をついてるって証拠があるなら出してみやがれと言うんだ。
証拠がないのだから、ギルドも俺の報告を信じるしかあるまい。
・
・
・
だが、翌日になって! あの女!
帰ってきやがったぁぁぁ~~~!
こんな事なら自分の手でキッチリ止めを刺しておけばよかったか。だが、それをやってしまうと本当に殺人犯になってしまう。一応、気持ち的に、事故だったと言える体裁は保っておきたかったのだ。
ギルドマスターが俺を呼んでいるという。
まずい……
どうにか誤魔化せる上手い言い訳を考えなければ……
うん、事故だよね、不幸な事故だ。それで押し切ろう……
ただ、足元に蛇を転がして脅かしてやるだけのつもりだったのだが、思ったより蛇が勢いよく飛んでしまった。別に、ビビって力んでしまったわけじゃないぞ、ちょっと加減を間違っただけだ。勢いよく飛んだ蛇はどこに行ったかと見れば、女の足元…ではなく首に巻き付いていた……。
ま、まぁ、あの女は腕が立つから、蛇くらい振り解けるだろう。実際、女は即座に蛇を振り払った。
だが……振り返った女の胸のあたりから血が流れていた。女は胸を蛇に噛まれてしまっていたのだ……
しかも運が悪い事に、その蛇は猛毒を持つ毒蛇だった。すぐに毒が回り女は倒れてしまった。
落ち着け……蛇毒に噛まれたくらいは毒消しを使えばすぐに治る。
…そうだった、毒消しはさっき、毒の沼で使い切ってしまったのだった……(毒を含んだ霧で身体の動きが鈍くなるのでジャックがガブ飲みして使い切ってしまったのだ)
まぁ、毒消しがなくとも【キュア】を使えば毒は消える。俺は使えないが。【キュア】を使えるキリはどこに行った……?
後ろを気にしているうちに、いつのまにか他のメンバーは先に行ってしまったようだ。それにさっき、キリは魔力切れでもう回復魔法は使えないとか言っていたので、居ても無理だったろうな。相変わらず使えない奴だ。
だがそうなると、女が……
……
…まぁ、別にいいか?
以前は口説いた事もあったが、自分に靡かない女など、どんなに美人だろうと存在している価値はない。(俺にとっては。)それに、この女は俺に恥をかかせた憎たらしい存在。俺より強い女など、この世にいてはならないのだ。
色々考えれば、この女は俺にとっては目の上のたんこぶのようなものにいつの間にかなっていた。可愛さ余って憎さ百倍、居なくなってくれれば……想像すると、それはとても良い考えじゃないか?
このまま放っておけば、あの女は死ぬだろう。
たまたま森の中で毒蛇に噛まれて死んだ事にすれば……よくある事故、不幸な事故だ。冒険者としては間抜けな事故だが。
事故で消えてくれるなら、いっそ清々しさすら覚えるほどであった。
俺は決断すると、小走りで仲間を追った。
仲間が見えてきたところで俺は叫んだ。
『毒の沼から魔物が追ってきてる! 急げ、逃げるんだ!』
パーティのメンバー達はそれを聞いて慌てて走り出した。
かなり走って、いい加減魔物が追ってこないのを確認し、全員止まった。
そこで、あの女が居ないと気付いたメンバー達が騒ぎ始めた。あの女は魔物に捕まって殺された、後方の警戒を怠って、不意打ちを食らった。残念ながら助けられる状況じゃなかったと俺は説明してやった。
助けに行くなどとキリが言い出したが、雑魚が行ったところで何になる。あの女ですら敵わなかった魔物だ、雑魚が駆けつけても殺されるだけだ。ましてや治癒魔法師のキリが言っても瞬殺されて終わりだろう。命が惜しかったらこのまま街へ向かえ、これはリーダーの命令だと怒鳴りつけると、全員素直に従った。
なんとか街に帰り着く事ができた俺達。冒険者ギルドには、あの女は毒の沼で俺たちを逃がすために自ら囮になったと報告した。名誉の戦死という美談にしてやったのだ。
雑魚メンバーどもにも、あの女の名誉を守ってやるために嘘の説明をすると言ったら納得して黙っていると約束した。
あの女は冒険者達の間で人気が高かったので少し揉めたが―――中には俺が嘘をついているなどと言い出す奴までいた。
ふざけるなよ、俺が嘘をついてるって証拠があるなら出してみやがれと言うんだ。
証拠がないのだから、ギルドも俺の報告を信じるしかあるまい。
・
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だが、翌日になって! あの女!
帰ってきやがったぁぁぁ~~~!
こんな事なら自分の手でキッチリ止めを刺しておけばよかったか。だが、それをやってしまうと本当に殺人犯になってしまう。一応、気持ち的に、事故だったと言える体裁は保っておきたかったのだ。
ギルドマスターが俺を呼んでいるという。
まずい……
どうにか誤魔化せる上手い言い訳を考えなければ……
うん、事故だよね、不幸な事故だ。それで押し切ろう……
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