商科論

藤本夏実

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商いバイブルシリーズ2

飛来新 第1話

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カッカッカッカ コツコツコツコツ
スタッスタッスタッスタッ スタッスタッ

「あっしまったっ。」

ズッデーン ドンドンドン

「痛ぁー あぁあ、もう何回こういう目に合うのぉ。」

私は智子。叡智の『智』と書いて、とも子と読むのよ。でもね、そうはいっても私には少しもすぐれた知恵なんてなくて本当に平凡なのよ。今日もね、駅の階段でころんでしまってあざだらけ最悪の月曜だ。週の始まりだからと思ってお気に入りの服を着てきたのにこれじゃあ、帰って洗わないと洋服がダメになっちゃうから戻ろうっと。

智子は駅を出、今来た道を帰ることにしました。すると、突然、智子の左側から声がします。

「智子ー智子でしょう。」

「えっ。」

みると、道路をはさんだ向こう側からでした。
智子が誰だか分からず立ち止まっていると、その声は近づいて来て智子の所までやって来ました。そして、こう言いました。

「私は飛来新、あなたの心です。あなたのためにやって来ました。」

見るとそこには素敵な若者がいます。智子は自分がころんで汚れていることも忘れてぼーっとしてしまいました。そして、若者はこうも言います。

「これから、私はあなたのしもべになります。どうか、なんなりと申し付けて下さい。」

智子は驚きました。今までそんなことを智子に言う男性には巡りあったことがなかったからでした。智子は少し恵まれない過去を持っていました。智子の父はお坊さんで智子は母と一緒に育ちました。お坊さんは家庭を持たないのが普通だからです。『叡念』というのが父の名前でした。そのことに何の疑いも持ってはいませんでした。しかし、男友達のいない智子のため一度は聞いてみたいと思っていました。智子は若者に言いました。

「私には、男友達はいないの。そう、だから男友達になってくれるのなら助かるわ。」

智子がそういうと若者は、にっこりと笑みをうかべると右手で智子の左手を取るとすーっと、指と指を通し、恋人繋ぎをすると智子の左側に立ちました。智子は、
『あっえっ』と思いますが不思議と何の疑いもなく受け入れ、若者と智子は恋人同士になりました。

すると若者はこう言いました。

「取り敢えず、このままコインランドリーを探しましょう。」

智子は目をパチリパチリとさせると、コクリとうなずきました。

二人はコインランドリーを探すことにしました。二人は歩きながらこんなやりとりをしました。若者が智子に

「あなたは何がしたいですか?」

と問うと

『私』と思いそして、こう言いました。

「私はね。今は何もしていないの?前はね、携帯ショップの受付嬢をやっていたんだけど。」

「そうですか。」

そしてこう付け加えました。

「君がやりたいことがみつかるまで付き合いますね。」

智子はニコリとし、若者と目を合わせました。そうして、コインランドリーはどこかと近くのコンビニで聞くことにしました。コンビニに入るとお菓子売り場でミニドーナツがいくつか入った袋を取るとレジでコインランドリーはどこかと問いました。お店のレジ担当の学生はコインランドリーに行くにはコンビニを出るとそのまま右手へ進み、暫く行った左手にあると教えてくれました。
智子は若者と歩き、若者に尋ねます。

「あなたはどこから来たのですか?」

すると若者が話し出しました。

「私は、この町の隣街ボックスライトという所に居ました。でも、その街である牧師さんに出会いこの仕事をしてみるといいと聞いたんです。私の名前はあなたと同じ漢字を使い『智』と書いてさとしと呼ばれています。」

といいました。

智子は『えっ』とびっくりしました。

『智』はさとしとも読めるなんて智子は知りませんでした。

そして智子は智にいいました。

「じゃあ、私はとも子だけじゃなくさと子とも読めるのね。」

「そうですね。」

そして、二人はコインランドリーに着くと智子の上着を洗濯機にかけました。そうやって二人で待っていると同じようにコインランドリーを使用しようとやってきた娘に出会いました。娘は二人を見るとすぐに知ってる風に若者に声をかけました。

「智ね。私よ、私。覚えてる?」

智は困った風に言いました。

「覚えてはいないよ。何も。」

すると、娘はぷぃっと行ってしまいました。

そして次に智と同じ年くらいの青年に出会いました。智は青年に話しかけました。

「ねぇ、君。僕を覚えてる?」

青年は、智の顔を見ると、こう言いました。

「君は、智君だね。覚えてるとも、君の伯父さんは、僕の高校の先生だったからね。」

「よかった。知り合いを探していたんだ。」

「ところで伯父は、今どうしているか分かるかな。」

「あぁ、分かるよ。君の伯父さんは、今は確かその高校にまだ、居るよ。」

「何ていう高校だい?」

「パーシモンハイスクールだよ。」

「ありがとう。」

そこで二人は智の街、ボックスライトへ向かうことを決めました。
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