1 / 4
ソックモンキーのモンタロウ
モンタロウの失敗
しおりを挟む
《僕はモンタロウ》
《友達のなつみちゃんのお母さんが作ってくれたんだ。なつみちゃんのお母さんは、僕を一足の靴下から作り、なつみちゃんの五歳の誕生日にプレゼントしてくれた、それから僕となつみちゃんはずっと一緒なのさ。
なつみちゃんは、泣き虫だったから保育園に行くときも、そっと黄色の肩掛けカバンの中に入れてくれたんで僕はなつみちゃんと離れる事はなかったし、なつみちゃんもそれを望んでいたんだ。
でも、なつみちゃんが小学校に行くようになってからは、少しつまらない。だって、なつみちゃんには学校の友達ができたから、僕と遊んでくれなくなったからなんだ》
ある日、モンタロウは、なつみちゃんが学校に行っている間に散歩がしたくなり、街まで散歩に出掛ける事にしました。モンタロウが街の玩具店の前まで来た時のことです。
モンタロウは、ショーウインドウに飾られているサルの人形を見つけました。
《なんて、可愛い娘なんだろう》
モンタロウは、その娘に恋をしました。
又、モンタロウは思いました。
《あの娘と友達になれたらな》
そこで、モンタロウは、その娘に声をかけました。
「ねぇ、キミ。僕と友達になってくれないかい?
僕は靴下から作られたソックモンキーだけど、モンタロウという立派な名前だってあるし、サルの仲間の間ではなかなか有名なんだぜ。」
すると、その娘さんはいいました。
「私は、まだ持ち主が決まっていないけれど、保証書付きなのよ。貴方には保証書が付いてるのかしら?」
モンタロウは、答えました。
「僕には、保証書なんてないさ。破れたりしたらなつみちゃんのお母さんが直してくれるから。」
そう言うと家の方へ駆け出しました。
それは、モンタロウが急になつみちゃんに会いたくなったからでしょうか?
それは、保証書なんて言われて急に恥ずかしくなったからでしょうか?
でも、それも少し違いました。
自分と云う存在が、あまりにもちっぽけに思えたからでした。家に帰るとなつみちゃんが学校から帰って来ていました。そこでモンタロウは、なつみちゃんに今日あった出来事を話しました。すると、なつみちゃんは言いました。
「いい考えがあるわ。」
なつみちゃんは、お母さんから、ソックモンキーの作り方を聞くとなんと、女の子のソックモンキーを作り始めました。そうして、モンタロウに友達を作ってくれました。なつみちゃんは、新しい靴下人形にモンコと名前をつけました。
「これからは、私が学校に行っている間は、このモンコさんと遊んでいればいいわ。」
といいました。そして、続けてこうもいいました。
「本当にモンタロウが、ショーウインドウの娘が好きなら、私だってお年玉を貯めてあるから買ってあげることはできたわ。でも、そこから逃げ出したくなったモンタロウの心を考えると同じように保証書なんてないソックモンキーの方が合ってると思ったの。」
モンタロウは《なるほど》と思いました。
自分は手作り人形ということが誇りに思えました。
なぜなら、あの娘にはまだ、持ち主がないと言っていたのを思い出したからでした。《あの娘は、持ち主を待たなくてはならないだから保証書が付いているんだ》とも思いました。《僕にはなつみちゃんがいる、なつみちゃんが作ってくれたモンコさんもいるだから、保証書はなくてもいいんだ》と思いました。
《友達のなつみちゃんのお母さんが作ってくれたんだ。なつみちゃんのお母さんは、僕を一足の靴下から作り、なつみちゃんの五歳の誕生日にプレゼントしてくれた、それから僕となつみちゃんはずっと一緒なのさ。
なつみちゃんは、泣き虫だったから保育園に行くときも、そっと黄色の肩掛けカバンの中に入れてくれたんで僕はなつみちゃんと離れる事はなかったし、なつみちゃんもそれを望んでいたんだ。
でも、なつみちゃんが小学校に行くようになってからは、少しつまらない。だって、なつみちゃんには学校の友達ができたから、僕と遊んでくれなくなったからなんだ》
ある日、モンタロウは、なつみちゃんが学校に行っている間に散歩がしたくなり、街まで散歩に出掛ける事にしました。モンタロウが街の玩具店の前まで来た時のことです。
モンタロウは、ショーウインドウに飾られているサルの人形を見つけました。
《なんて、可愛い娘なんだろう》
モンタロウは、その娘に恋をしました。
又、モンタロウは思いました。
《あの娘と友達になれたらな》
そこで、モンタロウは、その娘に声をかけました。
「ねぇ、キミ。僕と友達になってくれないかい?
僕は靴下から作られたソックモンキーだけど、モンタロウという立派な名前だってあるし、サルの仲間の間ではなかなか有名なんだぜ。」
すると、その娘さんはいいました。
「私は、まだ持ち主が決まっていないけれど、保証書付きなのよ。貴方には保証書が付いてるのかしら?」
モンタロウは、答えました。
「僕には、保証書なんてないさ。破れたりしたらなつみちゃんのお母さんが直してくれるから。」
そう言うと家の方へ駆け出しました。
それは、モンタロウが急になつみちゃんに会いたくなったからでしょうか?
それは、保証書なんて言われて急に恥ずかしくなったからでしょうか?
でも、それも少し違いました。
自分と云う存在が、あまりにもちっぽけに思えたからでした。家に帰るとなつみちゃんが学校から帰って来ていました。そこでモンタロウは、なつみちゃんに今日あった出来事を話しました。すると、なつみちゃんは言いました。
「いい考えがあるわ。」
なつみちゃんは、お母さんから、ソックモンキーの作り方を聞くとなんと、女の子のソックモンキーを作り始めました。そうして、モンタロウに友達を作ってくれました。なつみちゃんは、新しい靴下人形にモンコと名前をつけました。
「これからは、私が学校に行っている間は、このモンコさんと遊んでいればいいわ。」
といいました。そして、続けてこうもいいました。
「本当にモンタロウが、ショーウインドウの娘が好きなら、私だってお年玉を貯めてあるから買ってあげることはできたわ。でも、そこから逃げ出したくなったモンタロウの心を考えると同じように保証書なんてないソックモンキーの方が合ってると思ったの。」
モンタロウは《なるほど》と思いました。
自分は手作り人形ということが誇りに思えました。
なぜなら、あの娘にはまだ、持ち主がないと言っていたのを思い出したからでした。《あの娘は、持ち主を待たなくてはならないだから保証書が付いているんだ》とも思いました。《僕にはなつみちゃんがいる、なつみちゃんが作ってくれたモンコさんもいるだから、保証書はなくてもいいんだ》と思いました。
0
あなたにおすすめの小説
こわがり先生とまっくら森の大運動会
蓮澄
絵本
こわいは、おもしろい。
こわい噂のたくさんあるまっくら森には誰も近づきません。
入ったら大人も子供も、みんな出てこられないからです。
そんなまっくら森のある町に、一人の新しい先生がやってきました。
その先生は、とっても怖がりだったのです。
絵本で見たいお話を書いてみました。私には絵はかけないので文字だけで失礼いたします。
楽しんでいただければ嬉しいです。
まんじゅうは怖いかもしれない。
たったひとつの願いごと
りおん雑貨店
絵本
銀河のはてで、世界を見守っている少年がおりました。
その少年が幸せにならないと、世界は冬のままでした。
少年たちのことが大好きないきものたちの、たったひとつの願いごと。
それは…
合言葉はサンタクロース~小さな街の小さな奇跡
辻堂安古市
絵本
一人の少女が募金箱に入れた小さな善意が、次々と人から人へと繋がっていきます。
仕事仲間、家族、孤独な老人、そして子供たち。手渡された優しさは街中に広がり、いつしか一つの合言葉が生まれました。
雪の降る寒い街で、人々の心に温かな奇跡が降り積もっていく、優しさの連鎖の物語です。
まほうのマカロン
もちっぱち
絵本
ちいさなおんなのこは
貧しい家庭で暮らしていました。
ある日、おんなのこは森に迷い込み、
優しいおばあちゃんに出会います。
おばあちゃんは特別なポットから
美味しいものが出てくる呪文を教え、
おんなのこはわくわくしながら帰宅します。
おうちに戻り、ポットの呪文を唱えると、
驚くべき出来事が待っていました
ボクはスライム
バナナ男さん
絵本
こんな感じだったら楽しいなと書いてみたので載せてみましたઽ( ´ω`)ઽ
凄く簡単に読める仕様でサクッと読めますのでよかったら暇つぶしに読んでみて下さいませ〜・:*。・:*三( ⊃'ω')⊃
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる