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おまけ Con Fuoco
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※ 77話後のアルバート×稲瀬のお話…
「は、なせっ!ばか!外人!のっぽ!」
軽々と稲瀬を抱き抱えるアルバートが憎たらしい。稲瀬はありとあらゆる抵抗を試みるもアルバートはただ黙っていた。いつもはうるさいぐらいのアルバートが沈黙を貫くのが稲瀬は怖くてたまらなかった。胸のざわめきが日に日に強くなる。
「だいたい!お前が悪いんだろ!…好きなんて、今まで!」
「うるさいです。ちょっと黙って、稲瀬さん。」
「っ、」
稲瀬は思わず息を呑んだ。子供の頃からずっとそばにいた。だけどこんなアルバートの冷たい目は見たことがなかった。心臓が掴まれる。アルバートが学園に入ってから稲瀬の日常は微妙に変化しつつあった。稲瀬が高等部に上がり寮に入ると毎日一緒にいたアルバートとの時間はなくなり、ツアーや長期休みにしか会えなくなった。少し会わなくなるとアルバートはどんどん男になってまるで知らない人だった。稲瀬の初めてはアルバートだ。最初は子供の戯れから始まりエスカレートした結果が今に至る。年齢を重ねると稲瀬のような目立つ存在は言い寄る男も女も絶えなかった。アルバートと同じベッドに入るたびに治らない胸のざわめきを誤魔化すように稲瀬は見境なく言い寄る人間を受け入れた。だけど一度たりとも胸のざわめきが治ることはない。
「鍵、開けるから下すよ。」
アルバートが優しく稲瀬を腕から下ろす。稲瀬はふらりと立ち上がった。ヴィオラが入った楽器ケースをぎゅっと抱える。数時間前稲瀬がアルバートに押し付けた音楽ホールの鍵。趣味の悪い父親が作った無駄に広いホール。アルバートは重い扉を押し開けて稲瀬の腕を引く。稲瀬の後ろでバタンと大きな音が響いた。ホワイエを抜け、客席に入り込む。真っ暗で誰もいない。天窓から月明かりが差していた。腕を引かれ客席を降りていく。
「…アル、」
稲瀬が名前を呼ぶとアルバートの手の力が強くなった。高くて広い背中はこちらを振り向くことはない。アルバートは客席から舞台にふわりと上がる。稲瀬はじっとアルバートを見つめた。
「稲瀬さん、貸して。」
手を差し出したアルバートに稲瀬は抱えた楽器ケースを手渡した。稲瀬は普段絶対にこの楽器ケースを誰かには渡さない。自分の手の届かない場所にあると気が気じゃなくなるからだ。ただ、アルバートは例外だった。舞台の中央に楽器ケースを置くと今度は稲瀬に向かって手を差し伸べる。
「ほら、おいで。」
「…むかつくな、お前。」
「じゃあずっとそこにいる?」
ん?とアルバートが眉を上げる。少し優しくなったアルバートの表情に稲瀬は安心した。稲瀬は渋々アルバートの手を取った。体が一瞬軽くなって浮き上がる。気づいたときには稲瀬はアルバートの腕の中だった。
「おま、」
「いいから!、…今はじっとしててよ。お願いです。稲瀬さん…」
「あ、る…?」
稲瀬を抱き止めゆっくりと呼吸をする。長くて少し骨張った指。月の光のようなブロンド。エメラルドグリーンの瞳。アルバートの全てが稲瀬には綺麗すぎて触れればバチが当たりそうだった。アルバートは帰ってきてから何度も何度も稲瀬を抱いた。確かに今まで好きだと言われたことはある。だけどベッドでは絶対に言わなかったし稲瀬は絶対にアルバートにキスはさせなかった。
「稲瀬さんって、不純なの?うぶなの?…まじで訳わかんないね。」
ぎゅっと抱きしめる力を強めてアルバートは声を出して笑う。心臓が痛い、胸がざわめいてどこかに落ちてしまいそうだ。
「アル…」
「俺ね、わかってるよ?稲瀬さんが俺を好きなこと。で、それを素直に受け入れられなくていろんな人と関係を持ってる。」
アルバートの指が稲瀬の胸元をとんっと突いた。稲瀬はアルバートから目を逸らしステージの床目とアルバートの長い足を見つめるしかできない。制服のズボンの裾が泥だらけだった。
「お前、これっ、」
稲瀬は思わずアルバートの足元に触れる。アルバートはふっと笑うと稲瀬の頭をぐっと持ち無理やりアルバートへ向き直させた。
「誰かさんが俺から逃げるからでしょ?俺色んなところ探したんだからね。雨降ってるし…」
「むっ、」
アルバートは片手で稲瀬の顎を下から持ち上げ稲瀬の頬を潰す。稲瀬に触れた手が冷たく少しかさついているのにやっと気づく。稲瀬は慌ててアルバートの手を取った。
「アル、手が…アルの手がっ、」
手は命、商売道具だ。稲瀬は焦りながらズボンのポケットを弄り小さなハンドクリームを取り出す。
「稲瀬さん?」
「あぁ、どうしようっ…」
アルバートの手にクリームを塗り自分の手で馴染ませる。アルバートの性格に似ている優しくて楽しい音が稲瀬は昔から大好きだった。才能に呑まれ堕ちた時、稲瀬のそばにいつもいたのはアルバートでありアルバートの音だった。それがなくなるなんて死んでも嫌だった。
「いーなーせーさん!もういいよ。大丈夫だから」
「駄目だっ、反対側も塗るから貸せっ!」
アルバートは困ったように笑うけど最後は結局稲瀬の好きなようにさせた。稲瀬はアルバートの長い足の間で真剣にアルバートの手へクリームを塗った。しばらくアルバートの手を触り安心した稲瀬はほっと息をついた。
「大丈夫。俺そんなやわじゃないよ?」
「分かってる、けど…」
稲瀬はアルバートの手にこつんと額を当てた。レモンの香りがふわりと香る。
「とにっ、それで俺のこと好きじゃないって無理ない?」
アルバートは稲瀬を覗き込む。稲瀬は思わず目を逸らした。稲瀬は諦めが悪い。
「知らない…」
「ん、そーですかぁ。」
ふたりの額が重なる。アルバートは稲瀬の顎をくいっと持ち上げると唇を重ねた。稲瀬は黙って受け入れる。稲瀬はぎゅっと自分のシャツを握った。慣れないキスでもアルバートは容赦しなかった。舌が絡まり唾液が垂れる。喰われる、。稲瀬はアルバートの胸を弱々しく叩いた。
「はっ、…」
「かわい…」
アルバートの肺活量と自分のものじゃ比べ物にならない。合わせていたら倒れる。稲瀬は制服のシャツを握りながら肩を上下させる。
「お前と、!いたら…!〝ここ〟がざわざわして、痛い、んだよっ、ずっと」
アルバートは必死な稲瀬をふっと笑い握る手の上から自分の手を重ねる。
「それはね、好きってことだと思いますよ?…俺はいつまででも待つって決めてるからいいけど、そろそろ往生際悪いです。稲瀬さん。」
「、うるっさいぞ…アルの癖にっ」
触れ合った部分が甘くて溶けてしまいそうなぐらい熱かった。稲瀬は仕返しのつもりでアルバートへ自分から唇をせがんだ。金の髪が揺れエメラルドの瞳はゆっくりと伏せていく。情熱的な旋律は始まったばかりだ。
「は、なせっ!ばか!外人!のっぽ!」
軽々と稲瀬を抱き抱えるアルバートが憎たらしい。稲瀬はありとあらゆる抵抗を試みるもアルバートはただ黙っていた。いつもはうるさいぐらいのアルバートが沈黙を貫くのが稲瀬は怖くてたまらなかった。胸のざわめきが日に日に強くなる。
「だいたい!お前が悪いんだろ!…好きなんて、今まで!」
「うるさいです。ちょっと黙って、稲瀬さん。」
「っ、」
稲瀬は思わず息を呑んだ。子供の頃からずっとそばにいた。だけどこんなアルバートの冷たい目は見たことがなかった。心臓が掴まれる。アルバートが学園に入ってから稲瀬の日常は微妙に変化しつつあった。稲瀬が高等部に上がり寮に入ると毎日一緒にいたアルバートとの時間はなくなり、ツアーや長期休みにしか会えなくなった。少し会わなくなるとアルバートはどんどん男になってまるで知らない人だった。稲瀬の初めてはアルバートだ。最初は子供の戯れから始まりエスカレートした結果が今に至る。年齢を重ねると稲瀬のような目立つ存在は言い寄る男も女も絶えなかった。アルバートと同じベッドに入るたびに治らない胸のざわめきを誤魔化すように稲瀬は見境なく言い寄る人間を受け入れた。だけど一度たりとも胸のざわめきが治ることはない。
「鍵、開けるから下すよ。」
アルバートが優しく稲瀬を腕から下ろす。稲瀬はふらりと立ち上がった。ヴィオラが入った楽器ケースをぎゅっと抱える。数時間前稲瀬がアルバートに押し付けた音楽ホールの鍵。趣味の悪い父親が作った無駄に広いホール。アルバートは重い扉を押し開けて稲瀬の腕を引く。稲瀬の後ろでバタンと大きな音が響いた。ホワイエを抜け、客席に入り込む。真っ暗で誰もいない。天窓から月明かりが差していた。腕を引かれ客席を降りていく。
「…アル、」
稲瀬が名前を呼ぶとアルバートの手の力が強くなった。高くて広い背中はこちらを振り向くことはない。アルバートは客席から舞台にふわりと上がる。稲瀬はじっとアルバートを見つめた。
「稲瀬さん、貸して。」
手を差し出したアルバートに稲瀬は抱えた楽器ケースを手渡した。稲瀬は普段絶対にこの楽器ケースを誰かには渡さない。自分の手の届かない場所にあると気が気じゃなくなるからだ。ただ、アルバートは例外だった。舞台の中央に楽器ケースを置くと今度は稲瀬に向かって手を差し伸べる。
「ほら、おいで。」
「…むかつくな、お前。」
「じゃあずっとそこにいる?」
ん?とアルバートが眉を上げる。少し優しくなったアルバートの表情に稲瀬は安心した。稲瀬は渋々アルバートの手を取った。体が一瞬軽くなって浮き上がる。気づいたときには稲瀬はアルバートの腕の中だった。
「おま、」
「いいから!、…今はじっとしててよ。お願いです。稲瀬さん…」
「あ、る…?」
稲瀬を抱き止めゆっくりと呼吸をする。長くて少し骨張った指。月の光のようなブロンド。エメラルドグリーンの瞳。アルバートの全てが稲瀬には綺麗すぎて触れればバチが当たりそうだった。アルバートは帰ってきてから何度も何度も稲瀬を抱いた。確かに今まで好きだと言われたことはある。だけどベッドでは絶対に言わなかったし稲瀬は絶対にアルバートにキスはさせなかった。
「稲瀬さんって、不純なの?うぶなの?…まじで訳わかんないね。」
ぎゅっと抱きしめる力を強めてアルバートは声を出して笑う。心臓が痛い、胸がざわめいてどこかに落ちてしまいそうだ。
「アル…」
「俺ね、わかってるよ?稲瀬さんが俺を好きなこと。で、それを素直に受け入れられなくていろんな人と関係を持ってる。」
アルバートの指が稲瀬の胸元をとんっと突いた。稲瀬はアルバートから目を逸らしステージの床目とアルバートの長い足を見つめるしかできない。制服のズボンの裾が泥だらけだった。
「お前、これっ、」
稲瀬は思わずアルバートの足元に触れる。アルバートはふっと笑うと稲瀬の頭をぐっと持ち無理やりアルバートへ向き直させた。
「誰かさんが俺から逃げるからでしょ?俺色んなところ探したんだからね。雨降ってるし…」
「むっ、」
アルバートは片手で稲瀬の顎を下から持ち上げ稲瀬の頬を潰す。稲瀬に触れた手が冷たく少しかさついているのにやっと気づく。稲瀬は慌ててアルバートの手を取った。
「アル、手が…アルの手がっ、」
手は命、商売道具だ。稲瀬は焦りながらズボンのポケットを弄り小さなハンドクリームを取り出す。
「稲瀬さん?」
「あぁ、どうしようっ…」
アルバートの手にクリームを塗り自分の手で馴染ませる。アルバートの性格に似ている優しくて楽しい音が稲瀬は昔から大好きだった。才能に呑まれ堕ちた時、稲瀬のそばにいつもいたのはアルバートでありアルバートの音だった。それがなくなるなんて死んでも嫌だった。
「いーなーせーさん!もういいよ。大丈夫だから」
「駄目だっ、反対側も塗るから貸せっ!」
アルバートは困ったように笑うけど最後は結局稲瀬の好きなようにさせた。稲瀬はアルバートの長い足の間で真剣にアルバートの手へクリームを塗った。しばらくアルバートの手を触り安心した稲瀬はほっと息をついた。
「大丈夫。俺そんなやわじゃないよ?」
「分かってる、けど…」
稲瀬はアルバートの手にこつんと額を当てた。レモンの香りがふわりと香る。
「とにっ、それで俺のこと好きじゃないって無理ない?」
アルバートは稲瀬を覗き込む。稲瀬は思わず目を逸らした。稲瀬は諦めが悪い。
「知らない…」
「ん、そーですかぁ。」
ふたりの額が重なる。アルバートは稲瀬の顎をくいっと持ち上げると唇を重ねた。稲瀬は黙って受け入れる。稲瀬はぎゅっと自分のシャツを握った。慣れないキスでもアルバートは容赦しなかった。舌が絡まり唾液が垂れる。喰われる、。稲瀬はアルバートの胸を弱々しく叩いた。
「はっ、…」
「かわい…」
アルバートの肺活量と自分のものじゃ比べ物にならない。合わせていたら倒れる。稲瀬は制服のシャツを握りながら肩を上下させる。
「お前と、!いたら…!〝ここ〟がざわざわして、痛い、んだよっ、ずっと」
アルバートは必死な稲瀬をふっと笑い握る手の上から自分の手を重ねる。
「それはね、好きってことだと思いますよ?…俺はいつまででも待つって決めてるからいいけど、そろそろ往生際悪いです。稲瀬さん。」
「、うるっさいぞ…アルの癖にっ」
触れ合った部分が甘くて溶けてしまいそうなぐらい熱かった。稲瀬は仕返しのつもりでアルバートへ自分から唇をせがんだ。金の髪が揺れエメラルドの瞳はゆっくりと伏せていく。情熱的な旋律は始まったばかりだ。
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