無敵の力で異世界無双~ただし全裸~

みなみ

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退屈~変わらない日々に変化を~

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 あれから翌日、私は母のいる王室を訪れていた。
 これからは母が天使の力の扱い方を、私に教えてくれるらしい。
 天使の力とか正直どうでもいいけど、母と一緒にいられる時間が増えるのは嬉しかった。

「天使の力を扱うためには自身の魔力を扱えるようになる必要があるの」
「でも私は魔法なんて使えないわ?」

 昨日は突然天使のような姿に変わった母だったが、今日は今までと変わらない私の大好きな……尊敬する母の姿そのものだった。
 一晩寝て起きたら昨日のことが全て夢だったらいいな……と思ってただけに、母の口から天使という単語が出てきたことでその希望は脆くも崩れ去った。
 少しだけそのことが胸にチクリと棘のように刺さる。

「今日はエナが魔法を使えるようにしてあげるわね」
「え? 魔法を……?」
「シオン先生」

 お母さんが扉に向けて誰かの名前を呼ぶとゆっくりと扉が開かれて、柔和な笑顔を浮かべた金髪の背の高い男の人が入って来た。

「失礼します、その子がサリアさんのご息女のエナさんですね……初めまして、シオン=ラーハルトと申します。以後お見知りおきを」
「はっ……初めまして」
「今日からこのシオン先生がエナに魔法を教えてくれるわ? それで先生、エナはどうでしょうか?」

 母の言葉を受けた先生という人が私の目の前までやってきて、両膝をつき私と視線の高さを合わせてじっと見つめてくる。

「そうですねぇ……さすがサリアさんのご息女様……と言ったところですね」
「そう、よかったわ」

 不思議な感じのする人で、ほのかに香る本の匂いになぜか少しだけ安心したのが、妙に私の印象に残った。

 これが私とシオン先生との出会いだった。



「魔法の勉強を始めたのか?」
「先生のおかげで魔法が使えるようなったのよ! 天使の血とかは正直どうでもいいけど、魔法が使えるようになったことは嬉しい!」
「あれだけの出来事をどうでもいいとか簡単に片づけるなよ……」

 私が自分の部屋でお菓子を食べる様を、扉の前で見守っているマイヤがため息を吐いた。
 そんなにため息ばかりついて、マイヤは人生が楽しくないのだろうか?
 それなら私と一緒にお菓子を食べればいいのに……美味しい物は人を幸せにするのよ?

「凄いのよ! なんか先生の魔力で私の魔力を刺激して活性化させて……ってやってくれただけで魔法が使えるようになったの!」
「自分の魔力で他人の魔力を刺激して活性化……ね。なるほどそんなやり方があるのか」
「本来はご法度なやりかただから、決して誰かに喋ったりおいそれと試してはいけませんって言われたわ」
「もう喋ってるじゃないか」

 マイヤが呆れたような目で見てくるけど、私はそんなことはお構いなしにおやつのクッキーを頬張る。
 昨日は天使の血がなんだかんだと言われて不安になったりもしたけど、魔法が使えるようになったし、もしかしたら私にとっていいことずくめなのかもしれない!
 これからは定期的にシオン先生がこの城にやって来て魔法について教えてくれるらしいし、これからの毎日が楽しくなりそう!

「さて……そろそろ時間だな」
「どこかに行くの?」
「昨日フルトンさんが言っていただろう? 最近海が荒れて海産物や港に悪い影響が出るかもしれないから、対策会議をするって」
「そういえば言ってたわね」

 天使のことや魔法のことですっかり忘れていたわ。

「いいか? アタシがいないからと言って、絶対に城を抜け出すなよ? 絶対だぞ?」
「当り前よ! 絶対にそんなことはしないわ!」
「目を見ろ目を!」

 まあ当然そんな指切りもされてない約束なんて私が守るわけがないのだけどね。

 その日の夜、マイヤの口からこの島の浜辺に一人の少年が打ち上げられていたと聞いたけど、その時の私は全く興味がなく適当に聞き流していた。



 それから数日が過ぎた。
 あれから母による天使の力の使い方とシオン先生の魔法の授業は定期的に続いているものの、基本的には何も変わらない平和な日々が続いている。

「それでは今日の魔法の授業は終わりです。お疲れ様でしたエナさん」
「はい! 先生今日もありがとうございました!」
「この子ったら魔法の勉強の時は一生懸命張り切っちゃって」
「だって魔法覚えるの楽しいもの!」

 そんな私と母のやり取りを微笑ましく見ていた先生が、私の前でしゃがみ込み目線を合わせてくる。

「君が魔法に興味を持って積極的に学んでくれて、私は嬉しいですよ。……君にこんなことを言うのは早いと思いますが、力を持った者はその力をどのように使うかをしっかりと見極めなければいけません」
「先生?」
「あなたのお母様は立派な人です。天使の力という強大すぎる力を持っても、道を間違わずにいます……先生はエナ君にもそんな立派な人物に育ってほしいと思っていますよ」
「よくわからないけど……お母様は立派な人だわ! だって私が世界で一番尊敬する人なんだもの!」
「……それは愚問でしたね」

 先生がニッコリと微笑んでから、私の頭を軽く撫でた後ゆっくりと立ち上がる。

「それでは私は帰りますね」
「先生、本日もありがとうございました」

 私たちに笑顔で手を振り返して、先生は扉を開けて出て行った。

「それにしても……ふふっ」
「どうしたのお母様?」
「まさかエナが私のことをそんな風に思っていてくれたなんてね……」
「え? ……あっ!?」

 母に指摘された途端、先程の自分の発言が急に恥ずかしくなった私は、耳まで真っ赤にしながらも、何も言えずにあわあわとしてしまう。

「べっべっ勉強の時間は終わったんでしょ!? 私遊びに行ってくるから!!」
「うふふ……いってらっしゃい」

 笑顔に母親に見送られるように、私は王室を飛び出した。
 顔がまだ火照っているのがわかる。

「ううぅ~……! 外に出て冷ましてこなきゃ!」

 誰に言うわけでもなくそう呟いた私は、行先を城の中庭に決めて全速力で走り出した。
 お城の廊下を顔を赤くしながら全速力で駆け抜けていく私を見たメイドたちが目を丸くするが、今の私にはそんなものに構ってる暇などなかった。
 一刻も早く外の風を浴びてこの顔のほてりを冷まさないといけないのだ。



 お城の中庭は綺麗なお花が沢山咲いていて、ちょっとした休憩スペースのようにベンチが配置されており、最近の私のお気に入りの場所となっている。
 天井も吹き抜けになっており、いい感じに風が吹き抜けていくのだ。

「今日もいい風が吹いてるわね!」

 この国自体が小さな島国である関係上、吹き抜ける風はいつもほんのりと磯の香りがする。
 マイヤはこの匂いが鼻について未だになれないと言っていたけど、私はこの匂いが嫌いではなかった。
 だってここはいずれ私の国になるのだもの、どんなものでも愛してあげなきゃかわいそうじゃない?
 愛……愛か。

「愛ってなんだろう?」

 父と母の出会いは、それはもう壮絶だったらしく、冒険者だった父が悪い奴らに誘拐された母を助けたのが始まりだったと聞いた。
 その後もなんやかんやと大冒険をして、次第に父と母はお互いを愛するようになり、二人は結ばれたとのこと。
 互いに愛し合い、苦難の日々を乗り越えたからこそ今があると、父が顔を赤くして語ってくれたっけ。

「素敵だわ……私にもいつかそんな大冒険の日々が待っているのかしら?」

 でも私はそれが叶わないことなのを知っている。
 この国は父と母が頑張っているおかげで、物凄く平和だ。
 少なくとも私が物心ついてからも、なにか大きな事件が起きたことはない。
 それならそれで構わない、大冒険が出来なくても私の大好きなマイヤがいて、父と母がいて、私を見て笑顔になってくれるこの国の人たちがいる。
 それらがあるだけで、きっと私は幸せでいられる。
 ……でも私の心はそれとは裏腹に、少しばかりの変化を求めてしまっているのもまた本当のことなのだ。

「……そろそろ戻ろうかな、マイヤにまた怒られちゃう」

 そう言ってベンチから立ち上がった時、ふと誰かが立っているのに気が付いた。
 別にこの中庭は私専用スペースというわけではないので、別段誰かいることが珍しいことじゃないはずなのに、その時の私はなぜかひどく驚いてしまった。

「誰!?」
「あっあの……」

 見慣れない顔だ……抜けるように綺麗なプラチナの髪に貴族のような出で立ち、背は私よりも少し高い……。
 こんな男の子この国にいたかな?

「ここでなにをしているの?」
「えっと……僕道に迷ってしまって……ごめんなさい!」

 その男の子が本当に申し訳なさそうに頭を下げてきたので、私は拍子抜けしてしまった。
 別に怖がらせるつもりも、怒ってるわけでもなかったんだけどなぁ……。
 どうしたものかと思っていると、もう一人見慣れた人が中庭に姿を現した。

「おおっこんなところにいたのか! 探したぞ!」
「フルトンさん……ごめんなさい、はぐれてしまって」
「いや、見つかったのならそれでいいんだ。……おやっエナ王女ではありませんか!?」
「フルトンさん、ごきげんよう……その子は?」

 にこやかに微笑みながらフルトンさんに尋ねると、その少年を自分の隣に礼儀良く立たせて、彼の自己紹介を始めた。

「この子は数日前に荒波で浜辺に打ち上げられていた少年ですよ」
「浜辺に打ち上げられていた……?」

 そういえばマイヤがそんなことを言っていたような気がする。
 見つかった当時は全身傷だらけで、沢山の海水を飲んでおり息も絶え絶えだったが、お医者さんの懸命な治療のおかげで意識を取り戻し、数日の入院生活の後ガスクード家で保護した少年がいると。

「その子がそうなのね?」
「はい。……エナ王女にご挨拶をしなさい」

 フルトンさんに促されたその少年が、一歩前に出て少しおどおどした様子で口を開く。

「はっはじめまして王女様! 僕はロイ=マフロフと言います! よろしくお願いします!」
「……私はエナ=アーディスよ? よろしくね」

 私を見て少しおどおどしながらも小さくはにかんだ彼を見て、私は特に何かを感じたわけでもなく、ただ私の日常にその他大勢が加わったという印象しか持たなかった。


 これが私とロイとの出会いだった。


 その日の夜、私は中庭で起きたことをマイヤに聞かせていた。

「その後も少しだけお話ししたけど、あんなにびくびくしていたのではダメね!」
「そうか、エナのお眼鏡には叶わなかったか!」

 なにが嬉しいのか、マイヤがそう言って楽しそうに笑った。

「何がおかしいのかしら? まったくもう……あれじゃ大冒険もロマンス生まれそうにないわね」
「まあそう言ってやるな。あの子は自分の記憶を失っているそうだ」
「そうなの?」

 私の言葉に頷いたマイヤが語ってくれた事情は、賢明な治療で意識を怪我を回復させたロイであったが、自分の名前以外何も思い出せなくなっていたとのことだった。
 そんな本で読んだ物語ような人物が本当にいることに少し驚いたものの、それ以外の感想を私は持つことはなかった。

「身よりもわからないとのことで、とりあえずフルトンさんが保護することにしたそうだ」
「あの子には謎や浪漫が詰まっているだろうけど、それが私に響かないんじゃ意味がないわね」
「あの子も別にエナに気に入られるためにそんな境遇に身を置いたわけではないと思うがな……というかエナは大冒険がしたいのか?」
「別にそういうわけじゃないけど……」

 今の生活に不満があるわけではないけど、もう少し刺激的なことがあってもいいんじゃないかって思ってしまうのもまた事実だ。

「いいかエナ? 楽しいことでも毎日続いたら、それが当たり前になってしまって退屈と感じてしまうだろうが、そうなったらおしまいだ」
「そうかしら?」
「そういう日々に変化が欲しくて無茶をして失敗をしていつか振り返る時きっと後悔する。「どうして自分はあの時あの幸せで満足しておかなかったのだろう?」とな」
「それは経験談かしら?」
「そうだ、私の経験談だ。だからエナはアタシのようになる必要はない。退屈かもしれないが今の幸せを受け入れろ。変化を求めるなとは言わないが、程々にしておけ? そこのさじ加減を間違えると、簡単に不幸になるからな」

 母も父も尊敬しているが、マイヤのことだって同じくらい尊敬しているのに、そのマイヤからそんなことを言われたのでは少しばかり面白くない。
 私は今の少しばかり退屈な日々に多少の変化を混ぜ込んだとしても、大丈夫だという自信がある。
 きっと少し変化しただけでは何もかも変わらない。変わったとしてもその変化すら受けいれて、私は必ず幸せになる!
 だってそれがこの国をいずれ継ぐことになる私の役目だもの!
 私だけじゃなく、この国いるすべての人が幸せになる……それが私の目標よ!

「その顔は、アタシの話を全く理解していないな……はあ~」

 意気込む私を見たマイヤが、またもや大きなため息を吐いた。
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