1 / 1
美濃さん
しおりを挟む
私は丑年生まれ。
牛の様にのったり動きが遅い私にはぴったり。
年も明けた雪のある日、天井が、世界が回った。
今まで感じたことの無い眩暈と耳鳴り、吐き気に身動き一つ出来なかった。
「蝸牛症状ですね」
脳の中のカタツムリが悪さをしているのだと医者は言う。
牛と蝸牛では大違いだ。
「どうしたら良いんでしょうか?」
「薬で抑えましょう」
「副作用は無いんですか?」
「副作用は吐き気と眩暈です」
それは薬の意味があるのか?
思わず顔に出たのだろう。
医者が肩を竦めて「実は…」と言う。
「塩を摂取するとカタツムリが溶けます」
「量は?」
「30グラムほど」
「それ、カタツムリも死ぬけれど私も死にませんか?」
「軽く致死量ですね」
どうしろと言うのか。
「このままだと、どうなりますか?」
「症例としては角が生えてきます」
般若みたいな?
「闘牛の様に荒々しくなります」
「…」
「更年期障害とも言います」
牛の様にのったり動きが遅い私にはぴったり。
年も明けた雪のある日、天井が、世界が回った。
今まで感じたことの無い眩暈と耳鳴り、吐き気に身動き一つ出来なかった。
「蝸牛症状ですね」
脳の中のカタツムリが悪さをしているのだと医者は言う。
牛と蝸牛では大違いだ。
「どうしたら良いんでしょうか?」
「薬で抑えましょう」
「副作用は無いんですか?」
「副作用は吐き気と眩暈です」
それは薬の意味があるのか?
思わず顔に出たのだろう。
医者が肩を竦めて「実は…」と言う。
「塩を摂取するとカタツムリが溶けます」
「量は?」
「30グラムほど」
「それ、カタツムリも死ぬけれど私も死にませんか?」
「軽く致死量ですね」
どうしろと言うのか。
「このままだと、どうなりますか?」
「症例としては角が生えてきます」
般若みたいな?
「闘牛の様に荒々しくなります」
「…」
「更年期障害とも言います」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
女神に頼まれましたけど
実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。
その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。
「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」
ドンガラガッシャーン!
「ひぃぃっ!?」
情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。
※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった……
※ざまぁ要素は後日談にする予定……
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる