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23歳・白露 ー愛するひとー
番外編・お背中流させて♪
しおりを挟むー番外編ー
※23歳・立秋ー混ざり合い、重なるー▽シーン、”ふたりの初めての情事”の後のSSです。
※本編は次頁から始まります。
『お背中流させて♪』
ーーー…
速生との激しい行為の直後に気を失うように寝てしまい、数時間は経ってしまっているとはいえ……汗に涙に、ナニとも言えないいろんなもので濡れて乾いてしまった、この身体。
全身がなんだかベタついているような気がして不快感に我慢ならず……夕人は意を決して、身体を動かす。
「ーーーちょっと、シャワー借りるから」
呟くようにそう宣言した夕人は、シングルベッドからフローリングへと降り立った。
ーーーピキッ!
「うっ‼︎……うぅぅ……」
床に足を踏み出すたびに、下半身のいろんなところがズキズキと悲鳴を上げて、冷や汗をかく夕人は情けない声を出す。
「ひぃぃ……うぅ。
な、なんで俺がこんな目にっ………
い、痛いよぉ……」
ふるふるとまるで産まれたての子鹿のように足を震わせながら、腰を押さえて床を一歩ずつ踏み締めてーー……
もはやどこが痛いのかすらよくわからなくなってくる。
ーーードタドタドタ!
すぐさま、キッチンで夕人の作った料理を温め直していた速生が反応して駆け寄る。
「ゆ、夕人!だから無理すんなって!
ーーーほらっ、俺の胸に飛び込んでおいで!」
ばっ!と両手を広げて、“お風呂までお姫様抱っこ”の準備万端な速生。
「うるさいバカッ!
その手には乗らないからなっ!」
そんな口車に乗せられたら……また何されるかわかったもんじゃない。
エロ速生の手なんか借りてたまるか、と意地になりながら、夕人は壁に手をついて、よたよたとリビングから脱衣所へと移動する。
「うっ痛いぃぃ……腰、やばい……」
ーーーこれ、まじでやばいやつじゃないのか?
病院?整形外科?
いや、こんな時間に…救急……?
えっでもなんて説明すれば……?
無理無理無理……!
自然治癒で頑張るしかない…!
ーーー耐えろ、俺!
ふぅふぅと細い息を吐きながら,なんとかして脱衣所ににたどり着いた夕人。
こそーっと心配そうに、どことなく嬉しそうな(?)表情で、ちらちら、と廊下からこちらの様子をうかがう速生に睨みをきかせ、
「絶・対・に!入ってくんなよ!?」
と言い放ち、バタンッ!と脱衣所のドアを勢いよく閉める。
ひぃひぃ言いつつ、一度纏った服を脱ぎ捨て、本日2度目の生まれたままの姿になった夕人は,風呂場に入る。
ーーキュ,キュ,
シャアアアァァァーーーー
「つ、つめたっ‼︎えっ……?
なに、このシャワー…お湯出るまで、時間かかりすぎじゃ…
ひっ!冷っ!なんだよこれっ!
お湯出ないじゃんっ!!?」
自分のマンションのシステムバスとの使い勝手の違いに、混乱してあたふたする夕人。
ーーうわぁぁ、もう無理!
寒いし冷たいし、おしり痛いし!
もういやだ、帰りたい!
「速生ぃぃぃぃーーっ!!」
ーー…ガチャッ
「ーーーーどうかした?」
真顔の速生が、呼んだ?と風呂場に現れる。
「どうかした?じゃない!速生いぃぃ!お湯出ないんだけど!
なんだよこれぇ!!」
「…………助けて欲しい?
俺も入っていいなら、どうにかしてあげるけど…」
風呂場のドアの隙間から、ニヤニヤと見つめる。
「ふ、ふざけんな!
うぇえぇぇ寒いし痛ぃい……っ早くどうにかしろよバカ!」
「じゃ、入っても、いーーい?」
シャアアアァァァアーーー
水シャワーに体を震わせて、正常な判断力が奪われる夕人は半泣きで叫ぶ。
「あーもう入ればいいだろ!だから早くお湯出せよバカぁあぁぁー!」
「OK!お邪魔しまぁーす♪」
すぽぽーんと服を脱ぎ捨てて、風呂場に侵入してくる速生。
「ーーあれぇ?俺、言わなかったっけ?
うちの風呂、ここのさ、ボタン押しとかないとお湯出ないんだよなぁ~?ほら」
ーーピッ!
浴槽の上に取り付けられた、システムバスリモコンの“給湯”のスイッチを押す速生。
白々しい口調でにやけたまま……
(実はスイッチ切っといたんだけどな……ふふ、夕人と初シャワー作戦、大成功。)
しばらくしてすぐに、水のシャワーがやっとお湯に変わり、温かい湯気に夕人はひと安心ーー…したのも束の間。
「じゃっ、お背中流しましょうか、夕人さん?
まずはーー……背中?腰?
ーーそれとも……この可愛いおしり?」
「ひ、ひいぃぃぃ!」
夕人の悲鳴が、狭い風呂場に響き渡るーー…。
*END *
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