龍馬が【異世界を】ゆく

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第2章 龍馬と海

第11話 東奔西走

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商会に戻った龍馬は、さっそく、商人との交渉に臨んだ。

龍馬は、商人より、金貨200枚を無利子無担保で借り受けた。

龍馬は、エマと一緒にエマの店に戻り゙、すぐに、エマの父親に相談があると言って、面会を求めた。

「綿花を糸に加工したいき手伝うてくれんか?」

龍馬は、開口一番にそんな事を言った。

エマとその父親が唖然とする中、龍馬は、計画を話し出した。

計画とは、以下の様な物だった。
先ず、綿花の村で収穫した綿花を村にて精錬する。
次に、精錬した綿花を神殿で糸に加工する。
その糸を使いこの店で製品にして売る。

エマ達は、唖然としている。

構わず、龍馬は説明を続ける。

「綿花の運搬は船を使うがよ。そして、神殿で加工する時に付加価値を付ける。」

「龍馬さん、一体どんな付加価値が付くんですか?」

龍馬は、ニヤッと笑い言い放つ。

「女神さんの祝福ちや。」

「龍馬さん、でも、どうやって、女神様の祝福を付けるんですか?」

「何、女神さんに頼むだけちや。女神さんは、なんでも協力する言いよったきね」

その時、すぐ近くで雷鳴が2度轟いた。

「ほらな。女神さんも協力してくれるにかあらんぜ。」

こうして、前代未聞の計画が開始された。

龍馬は商人から借りた金の半分、金貨100枚をエマ達に渡し、綿花の加工に必要な道具と、その使い方を教えてくれる職人の手配を頼んだ。

一方、龍馬は、船の手配と各所への説明を受け持つ。

先ず、神殿に行き、神官に綿花の加工の話をした。

「他ならぬ御使い様の頼み、これは、聖女様の使命と思い、精一杯お手伝いさせて頂きます。」

「ただし、いくつか条件があるぜよ。
加工に必要な道具、その使い方を教える職人は、こちらで手配するがその代金は、ちくちく、商会に返却すること。」

神官は、当然な事だと頷く。

「綿花の加工は、出来るだけ孤児院の子供達に行わせる事。」

これには、神官も驚いた。

「御使い様、それは何故でしょうか?」

「孤児院の食い扶持を自分達で稼ぐ為さ。」

「それと、孤児院の子供達が加工すると、まっことえい事があるぜよ」

「いい事ですか?」

「そうじゃ、糸に聖女さんの祝福が付与されるがよ。」

「え、それは、本当でしょうか?」

「ああ、聖女さんが約束したきほんまや。」

神官は、この神殿で女神様の祝福を与えられると聞き、歓喜に震えていた。

「しかし、それは、どういった祝福なのでしょうか?」

「そりゃ、わしも知らん。楽しみや。」

そう言い放つと、神殿を後にした。

龍馬は、カインの町から直ぐ北にある海辺に来ていた。

沖には1艘の帆船が停泊している。

さっそく火を起こして船に合図を送ると、小舟がこちらに近づいてきた。

龍馬は、船で綿花の村を目指していた。

今回の商人との船旅である事に気付いていた。

ここから、綿花の村までは、船で行った方が、圧倒的に近い。

そして、この世界では、まだ、船の重要性が理解されていない。

カインの町の直ぐ近くにこんなところがあるのに、見向きもされない。

そういった意味では、あの商人は先見の明がある。

「いつか、わしも自分の船を手に入れて、この世界の海を暴れまわりたいものや。」
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