龍馬が【異世界を】ゆく

clown

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第2章 龍馬と海

第19話 同志

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アルマは、龍馬の言っている意味がわからない。

民に仕えるとは、一体どうゆう事なのだろう。

「アルマさんよ、なんちゃあ難しゅう考える事は無いぜよ。これから、おまさんがやろうとしちゅー事が、民に仕える言う事何や。その事を覚えちょくことや。」

「そして、おまさんがこれからやろうとしちゅー事は、誰っちゃあやった事が無いがよ。だが、何も、心配する事は無い、女神さんの加護がついちゅーきな。」

そう言うと膝を叩いて大笑いしている。

遠くでは、雷鳴が2度、轟いていた。

「龍馬さんは、私に一体何をさせようとしているのでしょう?」

エマは、真っ直ぐに龍馬を見つめる。

その瞳には、覚悟が見て取れた。

「わしゃ、この世界の子供達をみんなあ元気にしたいのちや。」

「それをアルマさんにやって欲しい。だがそれには、金がおるがよ、その金を作る為の港であり船なんちや。」

「分かりました。何でも私に言って下さい。」

「まったく。大したお方ちや。まあ、策はぼちぼちと考えちょくぜよ。」

それから、龍馬達は港の建設に奔走した。

そして、何とか10日で船着場を作る事が出来た。

だが船は2艘しか停留出来ない。

龍馬は、早速、新設された船着場から乗ってきた船で出港していった。

その間、エマは神殿で病人の治療と孤児院の手伝いをしている。

「アルマさん、龍馬さんは、どちらに行かれたのですか?」

「龍馬さんは、船の購入に行きました。ついでに食料も買付してくるそうです。」

「エマさんも、領民の病気を治していただきありがとうございます。」

エマは、まさか領主代行であるアルマに、お礼を言われた事に驚いた。

「うふふ、龍馬さんは、アルマさんをとても評価していました。その理由が良く分かりました。」

「あのエマさん、龍馬さんは、何と仰っていたのですか?」

「アルマさんは、同志だと。同志とは、志を同じに出来る人だそうです。」

アルマは、龍馬が自分の事を、そんなにも評価してくれていた事を知り胸が熱くなった。

やがて、龍馬は、大量の穀物を船に積み込んで帰ってきた。

「思うた通りや。穀物を安うよけ買うてきたぜよ。」

龍馬が仕入れてきた穀物は、商人達に安く卸された。

「龍馬さん。船の方は如何でしたか?」

「まっことえい船があったぜよ。整備が済んだら、直ぐに届けてくれるさ。」

「アルマさんや。帰ってきてそうそうで悪いが、ちっくとカインに行ってくる。」

そう言い残すと、さっさと出かけていってしまった。

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