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缶けり

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「そこの井戸には近付いちゃダメ」
「どうして?」
「昔、井戸に落ちた子供がいてね…」
親子が、広場で話をしている。
『ねえ…』
私が振り返ると、小学生くらい?の子供がいた。
「何?」
『缶けりしよ』
「缶けり?…」
聞いたことのない遊びだったので、私は首を傾げた。
『知らないの?・・・そう。わかった。』
子供は、くるりと振り向くと、そのまま駆け出した。
私は少し気になって、その子の様子を見ていた。
どうやら、遊び相手を知っていたようで、しばらく仲良く遊んでいた。
(・・・・?)
遊びに夢中になりすぎて回りが見えないのか、だんだん井戸に近づいていった。
カコン、と音がして、さっきの子供が缶を蹴った。
(あ…れ?)
さっきまで遊んでいた子供の友達らしき子が、井戸の中に、吸い込まれるように落ちていった。
私は、何もできなかった。
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