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【2020/05 営巣】
《第5週 火曜日 夜》④ (*)
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(*)
「長谷がしたことないかどうかは知らないけど、即落ちしちゃうようなすごいことは心当たりあるな」
先生がおれの肩を叩いて「一旦退いて」と知らせたので、先生の腿の上から立ち退いてベッドの上で正座し直した。先生は何やらベッド脇のサイドテーブルの棚を漁ってから、何かを探して寝室から出ていった。
暫くして戻ってきた先生の手には取っ手がついた半透明のプラスチックの道具箱のようなものがあった。ベッドに座って膝の上に置いたそれを開けると、一般家庭にもあるようなちょっとした怪我などに対応できる程度の救急箱だった。
先生はその中にあった小さめの滅菌ガーゼのパウチを引き出すとサイドテーブルの上に救急箱を置いて、サイドテーブルの棚にあった箱から潤滑剤とかコンドームを出してベッドの上に放った。そしてガーゼをパウチを開いて取り出すと、広げておれ目の前でヒラヒラさせて悪戯を企む子供みたいに含み笑いしている。
「それ、普通のガーゼ?ですよね?」
「うん、別に滅菌じゃなくてもいいんだけどね、カットするのめんどくさいじゃん。切って滅菌してあるほうが使い勝手いい」
救急箱を置いて、その上にガーゼを一旦置いて先生がベッドの上に膝をつく。腕を伸ばしておれの肩越しに背後に回す。抱き寄せるとともに背筋に指を這わせ、滑らせる。
「それで…何するんですか?」
「言っちゃったら面白くないでしょ」
耳元で囁いてから、その唇をおれの首筋に寄せて舌でなぞり再び耳元に戻って、耳介を甘噛みした。その後も擽るように軟骨で出来ている溝や彫に舌を這わせ、耳朶を甘噛みしたり舐ったりしながら、手でおれの背や頭を、時に優しく時に擽った。ざわざわと体も脳も痺れていくような感触に包まれていく。
上せそうなほど熱された息を漏らすと先生は「よしよし」と小さい子を宥めるようにおれの頭を撫でてからおれを押し倒し、上から見下ろして「脱いで」と命令した。腰を上げて摺り下ろすと、先生も肩に掛かっていたものを落として膝立ちになって穿いていたものを脱いだ。
互いの息づいているものを重ねるようにしておれに再び近づくと、真っ直ぐにおれの目を見てこう言った。
「長谷、会いたかったって言ったら信じてくれる?」
「信じるも何も、嬉しいです…単純に」
おれの答えを聞いた先生は「そんなこと言われたら、ひどいこと出来ないな」と相好を崩した。そしてそっとおれの頬に口づけて、喋むように唇を喰んだ。繰り返し互いに口づけ合ううちどちらからともなく唇を割って舌先で探り合い、舌を舐り合った。
おれの体に添えられていた手をとり、折り畳まれた指の間に指を差し入れて絡めて握ると、僅かな力で先生の手が握り返した。それが合図だったかのように先生はおれの体に唇と舌を這わせ始める。仰け反っているおれのものを玩ばんとする繋いでいない方の手を何度か制すると先生は攻防を楽しむように小さく笑った。
唇が胸元の過敏な突起に触れて身を震わすと少し顔を上げて先生がおれの顔を見た。目が合ってドギマギしているおれに構わず、先生は口に含む。軽く吸ったり歯で擽ったり舌先で転がす度に反応するおれに、繋いだ手に力を込めて先生は応えた。
やがて脇腹を通って下へ下へと向かっていった唇が下腹部で滾るものの先端に触れた。
「長谷がしたことないかどうかは知らないけど、即落ちしちゃうようなすごいことは心当たりあるな」
先生がおれの肩を叩いて「一旦退いて」と知らせたので、先生の腿の上から立ち退いてベッドの上で正座し直した。先生は何やらベッド脇のサイドテーブルの棚を漁ってから、何かを探して寝室から出ていった。
暫くして戻ってきた先生の手には取っ手がついた半透明のプラスチックの道具箱のようなものがあった。ベッドに座って膝の上に置いたそれを開けると、一般家庭にもあるようなちょっとした怪我などに対応できる程度の救急箱だった。
先生はその中にあった小さめの滅菌ガーゼのパウチを引き出すとサイドテーブルの上に救急箱を置いて、サイドテーブルの棚にあった箱から潤滑剤とかコンドームを出してベッドの上に放った。そしてガーゼをパウチを開いて取り出すと、広げておれ目の前でヒラヒラさせて悪戯を企む子供みたいに含み笑いしている。
「それ、普通のガーゼ?ですよね?」
「うん、別に滅菌じゃなくてもいいんだけどね、カットするのめんどくさいじゃん。切って滅菌してあるほうが使い勝手いい」
救急箱を置いて、その上にガーゼを一旦置いて先生がベッドの上に膝をつく。腕を伸ばしておれの肩越しに背後に回す。抱き寄せるとともに背筋に指を這わせ、滑らせる。
「それで…何するんですか?」
「言っちゃったら面白くないでしょ」
耳元で囁いてから、その唇をおれの首筋に寄せて舌でなぞり再び耳元に戻って、耳介を甘噛みした。その後も擽るように軟骨で出来ている溝や彫に舌を這わせ、耳朶を甘噛みしたり舐ったりしながら、手でおれの背や頭を、時に優しく時に擽った。ざわざわと体も脳も痺れていくような感触に包まれていく。
上せそうなほど熱された息を漏らすと先生は「よしよし」と小さい子を宥めるようにおれの頭を撫でてからおれを押し倒し、上から見下ろして「脱いで」と命令した。腰を上げて摺り下ろすと、先生も肩に掛かっていたものを落として膝立ちになって穿いていたものを脱いだ。
互いの息づいているものを重ねるようにしておれに再び近づくと、真っ直ぐにおれの目を見てこう言った。
「長谷、会いたかったって言ったら信じてくれる?」
「信じるも何も、嬉しいです…単純に」
おれの答えを聞いた先生は「そんなこと言われたら、ひどいこと出来ないな」と相好を崩した。そしてそっとおれの頬に口づけて、喋むように唇を喰んだ。繰り返し互いに口づけ合ううちどちらからともなく唇を割って舌先で探り合い、舌を舐り合った。
おれの体に添えられていた手をとり、折り畳まれた指の間に指を差し入れて絡めて握ると、僅かな力で先生の手が握り返した。それが合図だったかのように先生はおれの体に唇と舌を這わせ始める。仰け反っているおれのものを玩ばんとする繋いでいない方の手を何度か制すると先生は攻防を楽しむように小さく笑った。
唇が胸元の過敏な突起に触れて身を震わすと少し顔を上げて先生がおれの顔を見た。目が合ってドギマギしているおれに構わず、先生は口に含む。軽く吸ったり歯で擽ったり舌先で転がす度に反応するおれに、繋いだ手に力を込めて先生は応えた。
やがて脇腹を通って下へ下へと向かっていった唇が下腹部で滾るものの先端に触れた。
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