【完結】その人が好きなんですね?なるほど。愚かな人、あなたには本当に何も見えていないんですね。

新川ねこ

文字の大きさ
6 / 24
ブサイクなあなたに醜女と言われて婚約破棄された私ですが無事幸せになれそうです あなたの隣にいる女性の顔って……

第三話 困惑

 とうとう両家での話し合いが行われた。その場にジェロームとその最愛の女性の姿はなかった。

「うちの娘が醜いとはどういうことですか!?」

「息子が失礼なことを言ってすまない。しかし、息子の気持ちもわかって欲しい。私は息子の気持ちがわかるのだ」

「気持ちがわかるとはどういうことですか? あなたまでジェローム君と同じくうちの娘を侮辱するのですか!?」

「そう聞こえてしまったのならすまない。しかし、君も息子の心に決めた女性を見ればわかってくれるはずだ。それくらい素敵な女性を見つけてきたんだよ」

(父親までそんなことを言うなんて……。ジェロームもそうだけれどこの人たちは完全におかしくなってしまったの? それとも本当にそれくらい素敵な女性だとでもいうのかしら)

 クラリエットは怒りを通り越してジェロームの相手が気になり始めていた。

「息子から改めて直接謝罪させよう。ジェローム! 入ってきなさい」

 ジェロームの父親がそう叫ぶと、ジェロームは女性と共に部屋に入ってきた。

「この度は申し訳ございませんでした。私はクラリエットとの婚約を破棄し、こちらの女性と婚約したいと思っております」

 クラリエットはそっとその女性の顔を見た。どれだけ素敵な女性なのかと。

(え……どういうこと!?)

 そうしてクラリエットは困惑した。

(なぜ? なぜジェロームの最愛の女性がジェロームのお母様とまったく同じ顔なの? こんなことってありえるの?)

「え……えっと、そちらの女性がジェローム君の最愛の女性なのかい?」

(言葉をつまらせている、きっとお父様も異変に気付いたのね!)

「そうです! とても完璧な女性でしょう?」

「ジェローム、自慢したいのはわかるが今は謝罪の場だ。やめなさい」

(自慢になると思っているの? なるほど、わかったわ! 親子そろって美的感覚が壊れているんだ! だからあんな人を……。しかもお母様にそっくりだなんて。そのお母様もずっと黙っているなんて、きっとお母様自身も複雑な心境なのね)

 クラリエットはすべてを悟った。

「お父様、わたくしもう結構です。こんな素敵な女性を連れてこられたらもう何も言えませんもの」

「そ、そうか。そうだな。今日はもうやめよう」

 クラリエットの言葉に父は賛同した。父もこれ以上何を言っていいのかわからないといった様子だった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約者は妹のような幼馴染みを何より大切にしているので、お飾り妻予定な令嬢は幸せになることを諦めた……はずでした。

待鳥園子
恋愛
伯爵令嬢アイリーンの婚約者であるセシルの隣には『妹のような幼馴染み』愛らしい容姿のデイジーが居て、身分差で結婚出来ない二人が結ばれるためのお飾り妻にされてしまうことが耐えられなかった。 そして、二人がふざけて婚姻届を書いている光景を見て、アイリーンは自分の我慢が限界に達そうとしているのを感じていた……のだけど!?

殿下をくださいな、お姉さま~欲しがり過ぎた妹に、姉が最後に贈ったのは死の呪いだった~

和泉鷹央
恋愛
 忌み子と呼ばれ、幼い頃から実家のなかに閉じ込められたいた少女――コンラッド伯爵の長女オリビア。  彼女は生まれながらにして、ある呪いを受け継いだ魔女だった。  本当ならば死ぬまで屋敷から出ることを許されないオリビアだったが、欲深い国王はその呪いを利用して更に国を豊かにしようと考え、第四王子との婚約を命じる。    この頃からだ。  姉のオリビアに婚約者が出来た頃から、妹のサンドラの様子がおかしくなった。  あれが欲しい、これが欲しいとわがままを言い出したのだ。  それまではとても物わかりのよい子だったのに。  半年後――。  オリビアと婚約者、王太子ジョシュアの結婚式が間近に迫ったある日。  サンドラは呆れたことに、王太子が欲しいと言い出した。  オリビアの我慢はとうとう限界に達してしまい……  最後はハッピーエンドです。  別の投稿サイトでも掲載しています。

【完結済み】妹の婚約者に、恋をした

鈴蘭
恋愛
妹を溺愛する母親と、仕事ばかりしている父親。 刺繍やレース編みが好きなマーガレットは、両親にプレゼントしようとするが、何時も妹に横取りされてしまう。 可愛がって貰えず、愛情に飢えていたマーガレットは、気遣ってくれた妹の婚約者に恋をしてしまった。 無事完結しました。

あなたに嘘を一つ、つきました

小蝶
恋愛
 ユカリナは夫ディランと政略結婚して5年がたつ。まだまだ戦乱の世にあるこの国の騎士である夫は、今日も戦地で命をかけて戦っているはずだった。彼が戦地に赴いて3年。まだ戦争は終わっていないが、勝利と言う戦況が見えてきたと噂される頃、夫は帰って来た。隣に可愛らしい女性をつれて。そして私には何も告げぬまま、3日後には結婚式を挙げた。第2夫人となったシェリーを寵愛する夫。だから、私は愛するあなたに嘘を一つ、つきました…  最後の方にしか主人公目線がない迷作となりました。読みづらかったらご指摘ください。今さらどうにもなりませんが、努力します(`・ω・́)ゞ

王子が親友を好きになり婚約破棄「僕は本当の恋に出会えた。君とは結婚できない」王子に付きまとわれて迷惑してる?衝撃の真実がわかった。

佐藤 美奈
恋愛
セシリア公爵令嬢とヘンリー王子の婚約披露パーティーが開かれて以来、彼の様子が変わった。ある日ヘンリーから大事な話があると呼び出された。 「僕は本当の恋に出会ってしまった。もう君とは結婚できない」 もうすっかり驚いてしまったセシリアは、どうしていいか分からなかった。とりあえず詳しく話を聞いてみようと思い尋ねる。 先日の婚約披露パーティーの時にいた令嬢に、一目惚れしてしまったと答えたのです。その令嬢はセシリアの無二の親友で伯爵令嬢のシャロンだったというのも困惑を隠せない様子だった。 結局はヘンリーの強い意志で一方的に婚約破棄したいと宣言した。誠実な人柄の親友が裏切るような真似はするはずがないと思いシャロンの家に会いに行った。 するとヘンリーがシャロンにしつこく言い寄っている現場を目撃する。事の真実がわかるとセシリアは言葉を失う。 ヘンリーは勝手な思い込みでシャロンを好きになって、つきまとい行為を繰り返していたのだ。

私の婚約者様には恋人がいるようです?

鳴哉
恋愛
自称潔い性格の子爵令嬢 と 勧められて彼女と婚約した伯爵    の話 短いのでサクッと読んでいただけると思います。 読みやすいように、5話に分けました。 毎日一話、予約投稿します。

婚約破棄された私と侯爵子息様〜刺繍も私も、貴方が離さない〜

ナナミ
恋愛
「ディアナ!お前との婚約を破棄する!」  ディアナ・コヴァー伯爵令嬢は、婚約者である伯爵子息に断罪され、婚約破棄されてしまった。  ある子爵令嬢に嫌がらせをしていたと言うことである。彼女には身に覚えのない冤罪であった。    自分は、やっていない、と言っても、婚約者は信じない。  途方に暮れるディアナ。そんな時、美形の侯爵子息であるフレット・ファンエスがやって来て……。  伯爵令嬢×美形侯爵子息の恋愛ファンタジー。

あなたの明日に寄り添いたくて

豆狸
恋愛
「リューグナ? おい、リューグナ、どうした?……リューグナーっ!」 ──私の持っていた赤葡萄酒を浴びて、男爵令嬢は死んだ。