神様、探偵チートじゃ戦えません!

雨墨篤@「ニセ魔法使い~」第一巻発売中!

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第六章 世界樹のペンダント盗難事件

6-7話 ファンタジーな人たち②

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「す、すまない……エルウッド殿を怒らせるつもりは無いのだが……。吾輩の何がそんなに気に食わないのだろうか……?」
「全てだよ、全て! ドドンゴ、アンタの存在自体が我慢ならないんだ!」

 ドドンゴと呼ばれた小柄な男。
 黒いシャツとパンツの上に革製の軽鎧を着用し、背中に鉄のハンマーを背負っている。
 小学校高学年程度の背丈しかないが、その体は屈強な筋肉で覆われていて、戦士として鍛えられている事が分かる。
 さらに立派な髭を伸ばしていることから、年齢も子供ではないだろう。
 ちなみにその髭は、顎髭ともみあげが繋がったリンカニックと呼ばれるスタイルだ。

(こっちの小柄なおじさんは、いわゆるドワーフ族ってやつだよね。どれどれ……)

 テルは彼にも鑑定を試みる。

====================
 名前:ドドンゴ
 性別:男 年齢:19 種族:ドワーフ族
 状態:なし
====================
【ジョブ】
 [鍛冶士Lv.5]
====================
【称号】
 [槌の使い手][いっぱしの戦士][スペシャリスト][ゴリマッチョ][D級冒険者]
====================
【ステータス】
 ステータスレベル:22
 HP:303/341 MP:258/274
 攻撃:244 防御:298
 魔力:162 魔抗:186
 器用:244 俊敏:91
 幸運:95
====================
【アクティブスキル】
[槌術Lv.7][鍛冶Lv.6][鑑定Lv.5]
====================
【パッシブスキル】
[器用+20][攻撃+70][防御+70][HP最大値+20][MP最大値+20]
====================

 テルの予想通り、ステータスには『種族:ドワーフ族』と出た。

(やっぱりそうだ。……にしても19歳か。おじさんなんて言ってごめんね、髭で年齢まで分からなかったよ)

 心の中で謝罪するテル
 ちなみに『ドワーフ』とは――人間の子供程度の身長しかなく、そのほとんどが生産系のジョブを与えられる職人気質の亜人だ。
 生産系のジョブばかりだと聞くと、戦えない種族のような印象を受けるが、そんなことはない。
 エルフ族と同じように、ドワーフ族も亜人専用の称号を生まれ持っているのだが――

====================
[槌の使い手]
 ドワーフ族が生まれながらに持つ称号。
 習得スキル:ジョブスキル[槌術]
====================

 ――この称号で得られるジョブスキル[槌術]は、[剣術]や[槍術]などと同じ戦闘系スキルで、その効果はハンマーやメイスといった打撃系の武具を自在に操れるようになるというもの。
 それに加えて小柄ながらも頑丈な身体を持つドワーフ族は、生産職でありながらタンク役として高い戦闘力を誇る種族なのだ。

「全てと言われても……それだけでは吾輩の何が悪いのか分からぬよ」
「だからもうもう沢山なんだよ、ドドンゴ!」

 口論を続けるエルフ族のエルウッドとドワーフ族のドドンゴ。
 その様子にテルは――

(やっぱりエルフとドワーフって中が悪いのかな? ファンタジー作品じゃあるあるな設定だけど……)

 ――と、トールキンから続く伝統的設定を思い浮かべる。
 そして口論が続くうちに、エルウッドの口調はさらに強くなっていく。

「こっちはアンタがいるだけで気が滅入るんだっての!」
「うぅむ……それでエルウッド殿、吾輩はどうすればいいというのだ?」
「どうすればいいかって? 決まってる! アンタがこのパーティから出て行けばいいんだよ!」

 そんなエルウッドを見かねたように、同じ冒険者パーティの一人が口をはさむ。

「ニ、ニャアァ……。エルっち、さすがに言いすぎニャンよ……」

 そう言ったのは『獣人』と呼ばれる亜人の少女。
 心臓を守るように胸当ては付いているものの、動きやすさ重視だからなのか、タンクトップにショートパンツと軽装で露出の多い恰好をしており、腰のベルトには大小二本のタガーが刺さっている。
 そして特徴的なのが――真っ赤な髪から生えたピョコピョコと動く猫耳に、お尻から生えたユラユラと揺れる長い尻尾。
 そして細くしなやかな体躯と、まさに猫の可愛らしさを体現したかのような美少女だ。

====================
 名前:ミミーナ
 性別:女 年齢:17 種族:猫人族
 状態:なし
====================
【ジョブ】
 [猟兵Lv.5]
====================
【称号】
 [妖精猫の子孫][いっぱしの戦士][スピードマニア』[D級冒険者]
====================
【ステータス】
 ステータスレベル:20
 HP:289/310 MP:228/235
 攻撃:238 防御:198
 魔力:143 魔抗:135
 器用:150 俊敏:225
 幸運:52
====================
【アクティブスキル】
[猫拳Lv.6][短剣術Lv.5]
====================
【パッシブスキル】
[暗視][攻撃+20][防御+20][瞬発+20][HP最大値+20][MP最大値+20]
====================

(うぅう、あの耳、あの尻尾……触りたい、モフモフしたい! しかも語尾に『ニャー』とか、あざとすぎるよ!)

 勝手に鑑定した挙句、勝手に悶えるテルは置いておいて――。
 彼女の種族――猫人族は猫の獣人だ。
 ちなみに『獣人』とは亜人の中でも『人狼族』『猫人族』『兎人族』『竜人族』の四つの種族を指す総称で、それぞれ獣の特徴を持った人の姿をしている。
 ちなみに彼女の猫人族という種族の特徴は――
 ネコ科特有の耳と尻尾。
 女性の猫のようにしなやかな身体能力。
 男性の獅子のように強靭な肉体。
 ――そして種族独特の格闘術を使う事で知られている。

====================
[妖精猫の子孫]
 猫人族が生まれながらに持つ称号。
 習得スキル:ジョブスキル[猫拳]
====================

 この猫人族専用の称号[精霊猫の子孫]で得られるスキル[猫拳]こそ、先述した猫人族独特の格闘術だ。
 ジョブ[闘士]の持つスキル[格闘術]。
 ジョブ[暗殺者]の持つスキル[隠密術]。
 この二つを組み合わせたような効果を持つ戦闘スキルで、この[猫拳]により猫人族は近接戦闘と隠密行動に長けた種族だと言われている。

「ドドンゴだって立派に役に立ってるニャンよ? 何がそんなに気に食わないニャ?」

 そんな彼女――猫人族のミミーナが、いまだに騒ぐエルフ族の少年エルウッドを諭そうとするも……。

「うるさいうるさい! とにかくもう俺は限界なんだよ! こんな奴と一緒にパーティを組むなんてもううんざりなんだ!」

 エルフ族のエルウッドはヒステリックに叫んで話にならない。
 と、そこで――

「いい加減にしなさい、エルウッド!」

 ――彼らの仲間の最後の一人、ここまで黙って見守っていた背の高い美女が声を上げた。
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