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第6章〜宮廷編〜
行先
ざわつく周囲。
王ミハエル様の言葉の意味を理解した人達は、一様に顔を青ざめさせていく。
「まぁ、素敵。」
素敵な宣言に私の顔が輝く。
私達にちょっかいを出そうとする人達に対して、牽制してくれるんですね?
王ミハエル様直々のお言葉である。
「それを破れば、陛下が堂々とその方々を粛清できると言う訳ですか。」
それを知りながら私達へ無謀にも牙を向けるその者は、王ミハエル様への反逆者。
ふむ、抜け目ない。
王としての言葉に従わない貴族達を処罰するのに良い大義名分を得るのですね?
「ふっ、粛清されたくなければ、ソウル嬢に何もしなければ良い話だ。そうだろう?」
「うふふ、そうですわね?」
くすくすと王ミハエル様と笑い合う。
お前達?
これからは、少し考えてから私達に手を出せ?
「何と頼もしいお言葉でしょう。陛下とは、これからも末長いお付き合いができそうです。」
「はははっ、ソウル嬢にそう言ってもらえて、誠に嬉しい限りだ。」
うむ、カーシュ公?
この人を押し退けて王位は無理だ。
出来が違いすぎる。
「ソウル嬢、後で息子達にも合わせよう。」
「え、王子殿下を、ですか?」
「うむ、王太子は無理でも第二、第三王子の妻にソウル嬢がなってくれれば申し分ないのだがな。」
「まぁ、ご冗談を。」
引き攣りそうになる自分の口元を扇で隠す。
この人、本気だ。
本気で自分の息子を売り込む気だよ!
「王子達もSランク冒険者になったソウル嬢に会うのを楽しみにしておるのだ。妻云々は抜きに会うだけでもしてやってくれ。」
「えぇ、王子殿下達と会うのを楽しみにしてますわ。」
微笑んで、飲み物で喉を潤す。
人間、諦めも肝心。
飲み物と一緒に溜め息を飲み込んだ。
「・・疲れたわ。」
鬱陶しい王子達を何とかあしらい、一息つく。
王族の皆様に邪険にされたい訳じゃないが、私だけの側にいられても困る。
敵意が全て私に向かうんですけどね!?
主に王子殿下達の妻の座を狙う少女や親達からの視線が痛くてたまらない。
「お疲れ様です、ディア様。」
「コクヨウも、ね。」
何とか王子殿下達との会話を終わらせた私はコクヨウから労りの言葉をもらい疲れた笑みを向ける。
うん、今日の自分は良く頑張った。
「帰りたい。」
私の役目は果たしたよね?
なら、もう家に帰っても良いだろうか?
「ディア様、もう帰りますか?」
「ディオン、そうしても良いと思う?」
「王も無理に引き止めないかと思いますよ?」
「そう、かな。なら、最後に王様へ挨拶をして帰ろうか?」
今日は3人とも疲れただろうし。
うん、そうしよう。
善は急げと王ミハエル様の元へ赴く。
「ん?ソウル嬢、王子達との会話は終わったのか?」
「はい、陛下。王子殿下達との会話は、とても楽しい時間でした。」
私達に気が付いた王ミハエル様へ微笑む。
苦痛な時間でもあったが、王子達が第一王女やカーシュ公に似てない事が分かっただけ良かったのかな?
「そうか。それは、何よりだ。」
「陛下、そろそろ私達はお暇しとうございます。」
「もう帰るのか?」
「十分に楽しみましたから。陛下も、ご満足いただけたのでは?」
意味:客寄せパンダの役目は果たしたよね?
「う、うむ、ソウル嬢も疲れたであろうしな。今日はもう帰って、ゆっくり休むが良い。」
「はい、ありがとうございます。」
よし、言質は得た。
「ーーーー・・最後に、陛下。」
「うん?」
「第一王女の動きには十分、ご注意下さいませ。」
「・・それは、どう言う意味だ?」
「お優しい叔父君に泣きつく様ですよ?」
「っっ、!?」
目を見開き変わる王の顔色。
「私を囮にしてもかまいません。が、親子の情に流されず王としての役目を必ずお果たし下さいませ。」
種は私が摘み取ろう。
しかし、最後は父の、王としての役目だ。
「お忘れなく陛下。常に私が陛下の、この国の王としての貴方様の決断を見守っていると言う事を。」
情に流されるなら、それまで。
私の中で、目の前の王はただの無能として処理されるだけ。
貴方は、どちら?
「ーー・・分かった、ソウル嬢の忠告を忘れぬ様にしよう。」
重々しく王ミハエル様が頷く。
「では、今宵はこれで失礼いたします。」
満足げに微笑んだ私はドレスの裾を掴み、王ミハエル様へ綺麗な所作で一礼して背を向けた。
さて、第一王女様?
「貴方の終わりも近い様ですよ?」
くすりと微笑んだ。
初めての恋に溺れた、哀れなお姫様。
貴方の行き着く先はーー
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