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.Love
「…交換してくれへん?」
「かしこまりました」
とあるバーにて、リュウと名乗る目の前の男、ショウに接近中だ。
やはりこいつも人によって名前を使い分けているので、同業者であることを再確認。
あいつが目を離した隙に睡眠薬を入れたというのに、なんと匂いだけで気づいてしまった。
なんだよ、面倒なやつ。
「リュウさん~」
「目的は何やねん、…ゲンキ」
「え?」
今、ゲンキって言った?
「殺し屋のゲンキさん、僕の本名も本当は知ってるんやろ?情報収集担当のゲンキさーん?」
こんなの初めてだ。
一体どこから情報が漏れたのだろうか。
仲間にさえ明かしたことのない本名を、まさかショウに知られているとは思っていなかった。
ハンド、どうしたらいい?
ジン、どうしたらいい?
「おい、なにしてんねん!
すみませんね、僕のツレです。行くで」
突然俺の手を引っ張って店の外に出た。
外の空気は冷たく心地よい。
「なんで俺を連れ出すんだよ!」
「明らかに困った顔してたからやん」
「ていうか、なんでここにいるわけ?」
「ごめん、さっき道ですれ違って、あとつけてた。お前は悠里ちゃんの彼氏やろ?」
「はぁ?」
なぜここで、春原悠里が出てくるんだ。
顔はどこかで見たことがある。
記憶が間違っていなければ、データでは春原悠里の隣人ということになるはずだ。
「昨日さ、部屋から出てくるところ見てん、
俺、悠里ちゃんのこと好きやったからなかなかショックなんやけど」
「あんた隣人?」
「せやで」
「でも昨日聞こえなかったんだ」
「何が?」
「悠里ちゃんは、俺がメッチャクチャに抱いてやったよ。喘いでるの聞こえなかった?」
レンの顔が固まった。
なんだかこいつに勝ったような気がして、めちゃくちゃ気持ちいい。
「…すんません、帰りますね」
レンが俺を一瞬だけ睨みつけて、向こう側に歩き出していった。
なんだ、この気持ちよさは。
「俺、春原悠里とは付き合ってないから」
「…は?」
「昨日初めて会ったんだし」
「じゃあなんで抱いたん」
「んー、生意気な女は組み敷きたくなるんだよねー。って感じ?」
「…それ、悠里のこと言ってるん?」
「そうだよ」
俺が口角を上げた瞬間、ヤツの拳に力が入るのを確認した。
これは殴りかかってくるな。
バチッ
「暴力はよくないよ、レンくん」
「なんでやっ、…」
殺し屋の護身をなめられては困るね。
それに、ガキと喧嘩してる暇なんかない。
そろそろ春原悠里のところに送り込んだ男から連絡がくるはずだ。
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「…交換してくれへん?」
「かしこまりました」
とあるバーにて、リュウと名乗る目の前の男、ショウに接近中だ。
やはりこいつも人によって名前を使い分けているので、同業者であることを再確認。
あいつが目を離した隙に睡眠薬を入れたというのに、なんと匂いだけで気づいてしまった。
なんだよ、面倒なやつ。
「リュウさん~」
「目的は何やねん、…ゲンキ」
「え?」
今、ゲンキって言った?
「殺し屋のゲンキさん、僕の本名も本当は知ってるんやろ?情報収集担当のゲンキさーん?」
こんなの初めてだ。
一体どこから情報が漏れたのだろうか。
仲間にさえ明かしたことのない本名を、まさかショウに知られているとは思っていなかった。
ハンド、どうしたらいい?
ジン、どうしたらいい?
「おい、なにしてんねん!
すみませんね、僕のツレです。行くで」
突然俺の手を引っ張って店の外に出た。
外の空気は冷たく心地よい。
「なんで俺を連れ出すんだよ!」
「明らかに困った顔してたからやん」
「ていうか、なんでここにいるわけ?」
「ごめん、さっき道ですれ違って、あとつけてた。お前は悠里ちゃんの彼氏やろ?」
「はぁ?」
なぜここで、春原悠里が出てくるんだ。
顔はどこかで見たことがある。
記憶が間違っていなければ、データでは春原悠里の隣人ということになるはずだ。
「昨日さ、部屋から出てくるところ見てん、
俺、悠里ちゃんのこと好きやったからなかなかショックなんやけど」
「あんた隣人?」
「せやで」
「でも昨日聞こえなかったんだ」
「何が?」
「悠里ちゃんは、俺がメッチャクチャに抱いてやったよ。喘いでるの聞こえなかった?」
レンの顔が固まった。
なんだかこいつに勝ったような気がして、めちゃくちゃ気持ちいい。
「…すんません、帰りますね」
レンが俺を一瞬だけ睨みつけて、向こう側に歩き出していった。
なんだ、この気持ちよさは。
「俺、春原悠里とは付き合ってないから」
「…は?」
「昨日初めて会ったんだし」
「じゃあなんで抱いたん」
「んー、生意気な女は組み敷きたくなるんだよねー。って感じ?」
「…それ、悠里のこと言ってるん?」
「そうだよ」
俺が口角を上げた瞬間、ヤツの拳に力が入るのを確認した。
これは殴りかかってくるな。
バチッ
「暴力はよくないよ、レンくん」
「なんでやっ、…」
殺し屋の護身をなめられては困るね。
それに、ガキと喧嘩してる暇なんかない。
そろそろ春原悠里のところに送り込んだ男から連絡がくるはずだ。
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