私達は強制転生した

紅紫

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事情聴取

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 フラメンが薬を飲んで少しお互いの事を話していると病室の扉がノックされる。返事をすると大柄の男性と………あの時、助けを呼んだ時ついてきてくれた人が………そこにいた。

 漆黒の黒い艶やかな髪に鋭く呑み込まれそうな青い瞳。威圧感もあるのにカリスマ性を感じるオーラが彼にはあった。

 そして大柄の男性はその男性よりも身長が高く大柄で、真面目そうな雰囲気だ。光に照らされた髪が赤茶色なのか何処か情熱的に見える。瞳も深紅のような赤い瞳をしていた。


 彼らは私等のもとに来て立ち止まり


「体調の方は如何かな?」


 そう聞いてきた。


「大分………マシには………なりました………。」


 フラメンがそう答えるとオーラのある彼は興味深そうな顔を一瞬だけした後笑みを零す。


「それはよかった。とても心配していたのだよ。中々目を覚まさないと聞いていたのでね2人とも」

「それは……ご心配をおかけしまし…?」

「あぁ構わない。此方が勝手に心配していただけだ。それはそうと君達に話があってここに来たんだ。いいかな?」


 私達を顔を見合わせた後、頷く。


「ありがとう。実は体調が良ければだが明日事情聴取を行いたい。辛いことを思い出させるかと思うが大切な事なのだ。すまないね」

「いえいえ。明日ですね。分かりました。」

「今日はそれだけだ。あぁ………あと、中傷だった君……肩の方の傷口は縫い合わせて水にぬれてもいいようにテープが貼られている。動かせないがシャワーは入っても言いそうだ。それでは………また明日。」


 彼らはそれだけ言うと病室から出て行った。


「………風呂………か……。五日間ぐらい風呂に入っていないんよな……寝たきりだったし…。風呂入りたい・・・。」

「フラメン綺麗好きだもんね。一人で入れる?」

「大丈夫だと思う。入ってくるね」


 フラメンはそう言うとゆっくりベッドから立ち上がり病室に備え付けてあるシャワー室に向かった。着替えは………確か患者衣が此処にあるって………そういえばフラメンに病院の人がホテルから荷物を運んできてくれたこと伝えるの忘れてたな。キャリーケース開けて下着も用意しといてあげよう。

 私は昨日は言ったから大丈夫だし………待っている間少し病室に置いてある本でも読んでおこうかな。

 パラパラと………置いてある本を読みながら待つこと約30分。


「片手だから洗いずらかった……」


 髪を拭きながらフラメンがシャワー室から出て来た。


「包帯巻くから止める部分にクリップ付けてくれん?」

「OKー。一人で巻ける?巻こうか?」

「不器用やろ。大丈夫やで」

「あ、はいw」


 片手でくるくると左肩に包帯を巻いた後、私は言われた所にクリップを付けて固定する。


「頭の傷はどうなん?」

「まだ地味に痛いかな」


 どちらも包帯の前に防水テープで隠されているので傷跡が見えないが話によると殴られて傷が出来たのと銃で肩を撃ち抜かれたとのこと。直ぐすぐに治る傷ではないとうことは私でも分かる。

 まだ利き手じゃなかっただけよかったのかもしれない。


「そう言えばご飯食べてないよねずっと。そろそろ昼食が届くと思うから食べよ」

「うん」


 少し待っているとカートを押してあの大柄の男性が朝食を持ってきてくれた。この人が何故が看護師や医者の代わりに世話をしてくれている。というか看護師とかみていないけどいるのだろうか?


「フラメン食べれる?」

「スプーンあるから大丈夫だよ」


 私は普通の昼食だが久々に食事をとるフラメンの食事は胃に優しい野菜スープによく煮込まれたリゾットになっていた。

 モグモグと二人で食べた後、私がフラメンの分の食器をカートに持っていく。

 
「あまり食べれんかった………」

「5日ぶりだし仕方ないよ。胃が小さくなってるのかもね」


 少し不服そうな顔をしたフラメンの頬っぺたを突く。彼女は諦めたような顔をしてぷにぷにとされている。


「明日の事情聴取………どんな事聞かれるんだろうね」

「まぁあの時あったことを取り合えず根掘り葉掘り聞かれるんじゃない。」

「そうだけど~………あまり思い出したくないよね」

「………………だね………」


 出来ればもう思い出したくない。でも仕方のないことだから受け入れるしかない。


「退院したら何処か旅行でも行こうか」


 私の様子を見た彼女がそう対案をしてくれる。


「本当!!??どこ行く!!??」

「この国の北側にフルーツが名産の地域があるらしいよ。季節的にいちご狩り出来るらしいからそこに行こうよ」

「いいね~楽しみ!」


 2人楽しく笑いあう。本音を言えば早くここから去りたいのだ。

 巻き込まれる前に………此処から逃げたい。


 ・


 ・


 ・


 次の日、私達は朝起きて朝食を食べた後大柄の男性が迎えに来たので二人歩いて事情聴取を受ける所に向かう。でも正直病室で事情聴取してもいいのではないかと思っていたのに何でわざわざ??

 そう思いながらも歩いて付いていってる時にフラメンが小さく、本当に私だけに聞こえる声で


「やっぱり病院じゃない………か………」


 と確信を持った声で呟いた。

 それもそうだ、違和感は最初からあったがこれは明らかに病院ではない。私達は病人で部屋から出ることが無かったとしても何となくわかる。此処は違う………と。

 大柄の男性が立ち止まり、扉を開けるとそこにはあのオーラの凄い男性だけでなく………


((マジか………/だよなぁぁぁ………))


 お互いに横目でちらりと視線だけ合わせるだけで内心が伝わる。

 そこには幹部の方々が私達を出迎えた。

 小説通り総帥含めた幹部八人が揃っていた。


「よく来られたね。そこに座ってくれたまえ」


 私達はとにかく大人しく言うことを帰国とにして、椅子に座る。フラメンの椅子を引こうとしたら大柄の男性が代わりに椅子を引いてくれた。

 椅子に腰を掛けて正面を向くが威圧感が強い。これが幹部のオーラ・・・か。一人そう威圧感というかオーラに圧倒されている中、隣に座るフラメンは終始真顔で問いかけを待っている。もう少し顔に出せー?私の感情ばればれやないかー?????

 なんてツッコミ置いといて………。その後普通に想像通りの事情聴取をされた。

 名前、生年月日を最初に何処に最初隠れていたのか、なぜそのような行動に移したのか…など。私達はその時にどう思って行動したのかを彼らに話した。

 あらかた話尽くしたのでそろそろ解放されるかと思っていると・・・


「フラメンさん………と言ったかね。君に一つ聞きたい」


 事情聴取の中一度も口を開かなかった総帥の彼がフラメンに問いかける。


「何でしょうか?」

「………人を殺した感覚はどうだった?」

「………」


 その言葉に場の雰囲気が一瞬でピリピリと触れたら行けないような空気に包まれる。


「………それは、どういった問いでしょうか?」

「聞くところによると君は今まで人を殺したことが無いと言った。その中、今回何故……人を殺したのか、他にも方法はあったはずだ。逃げる隠れる………子供を見捨て………」


 見捨てるという言葉にほんの少しだけ・・・フラメンがほんの少しだけ目を顰めた。だが一瞬だけで直ぐに戻り


「そうですね……手っ取り早いと考えたからでしょうか」


 少し考えてから彼女はそう答える。


「ルアが人を呼んで戻ってくる時間、あの森林の中を逃げ回り続ける自信はありませんでしたし、子供が泣いたこともあり私達が最初に隠れていた時よりも細かく探索されていたと思います。そう考えると逃げ隠れするよりはいいかと考えました。感覚は………そうですね………いいとは言えません・・・ね。」

「ほう………そうか…。成程。ではルアさん。君にも一つ質問だ」

「は、はい!?何でしょう………?」

「………………君を狙えば誰が君を助けてくれる?」

「え・・・?」


 その一瞬。本当に一瞬だった。私はフラメンに庇われるように左腕で抱かれフラメンは何処からか取り出したナイフを深い青い髪色でフードを被った男性に突き出し、フードの男性はフラメンにナイフを突き出している。一触即発の状態で………って………あれ?


「左腕動いてるぅぅぅぅううううううう!!!!?????」

「「え!!??そこ?????????」」

「クッ………アッハッハッハッハッハ!!!!実に面白い!実に愉快だ!!!最高だ!!!」


 数人のツッコミをよそに総帥はとても楽しそうに笑う。フラメンは苦い顔をして舌打ちを零す。


「初めまして、落ち人殿。アザー、もういいぞ」

「………ん」


 アザーと呼ばれた男性はひらりとナイフを懐に仕舞い、サッと私達から距離を取る。

 フラメンは私を抱きしめるのをやめてナイフを太腿に隠していたナイフケースに仕舞う。そこに隠していたのね。


「落ち人………とは何でしょうか」

「まぁまぁ座りたまえ。詳しく説明をしようではないか。」


 彼はそう言うと深い笑みを浮かべ私達を見つめた。
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