私達は強制転生した

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互いの仕事

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 朝7時に起きて顔を洗い、軽いスキンケアと化粧を済ませ食堂に向かい朝食を済ませる。8時頃に仕事場に向かい自分の上司になるセフィドに挨拶をして椅子に座る。

 軽い引継ぎを聞いて昨日と同じように仕事をこなしていく。

 まずカメラを確認して音に不備がないか、カメラの調子を確認する。数十台のカメラをカチカチとマウスで画面を変えて確認していきながら気になることなどがあればメモをし、随時セフィドに確認する。


「この第三武器倉庫の所が音にノイズが少しかかってるみたいです。確認してもらっていいですか?」

セフィド「ん?分かった確認するよ。貸して」


 彼にヘッドフォンを渡し、隣でその様子を見ていると彼は誰かにインカムで連絡をする。数分後に第三武器庫が写るカメラにウィリデが写り何か話している様子だ。


セフィド「声聞こえないな………ウィリデ、もう大丈夫だ。」


 彼がそう言うとウィリデは軽く頷き場を離れる。


セフィド「確認取れたよ。ありがとう。カメラは問題ないけど音声か……後で技術班に連絡しないとな。引き続き確認を頼むよ」

「分かりました!」


 再度カメラに向き合い画面を注視する。


セフィド「後一時間確認してもらったら今日はこれを覚えてほしい」

「分かりました。」


 渡された資料を受け取り、時間を設定して画面を見る。

 カチカチと画面を変え、時折説明書を確認し、漏れが無いか確認。


「うーん……」

セフィド「何か分からないことあった?」

「これってどうしたらいいんですか?」

セフィド「これはね」


 小説内の彼は女たらしで女癖が悪い………が、案外悪い人ではないのかもしれない。何か女性に対して過去に何かあったらしいけど………まぁ関係ないか。

 仕事は丁寧に教えてくれるし特に問題はない。

 態度だっていたって普通だ。


セフィド「あ、そろそろ休憩の時間だな。気が付けば14時頃か……。」

「あ、本当だ。セフィドさんは休憩どうしますか?」

セフィド「僕は後で取るよ。行っておいで」

「分かりました。お先に休憩頂きますね」


 私は軽く頭を下げて部屋から出て食堂に向かう。

 幹部専用の食堂は休憩室と一緒になっておりソファーやリクライニングが出来る椅子が置いてある。食事はビッフェ式で好きな物選んで食べれるようになっている。

 適当に食べたいものを選び椅子に腰を掛けて食事を始める。

 新しく覚えないといけないことが増えたのでその資料をパラパラと確認しながら食事を勧めていく。


(今日は仕事が終わったら書庫に行ってウィリデさんに昨日の続きを教えて貰って………訓練場で少し近距離線の練習をしないと………。あ~でも先にこれを覚えた方が………)

ブラン「ルーアちゃん!」

「おわっ!!!……ブランさん!!!」


 急に声をかけられ振り返るとブランさんが後ろにいた。


ブラン「さっきから声かけてたんだけど考え事してたのか全然気づいてくれなかったんだもん。何か考え事ー?」


 ラフな感じで声をかけて聞くれるブランは個人的に一番話しやすい人だ。


「今日新しく覚えることが増えたのでその勉強をしないとなーと思ってて。でも訓練もしたいので時間配分を関挙げてました。」

ブラン「真面目だね~。分からないことがあれば遠慮なく聞いてね」

「ありがとうございます!」


 覚えることは多いし学ばなければいけないことも山ほどある。しないといけないことも多いし………大変だけど嫌ではない。疲れることも多いが意欲は湧く。新しいことを知れる楽しみがまた自分の欲を湧き出される。


(後思ってたより過ごしやすいし………)


 外出できないという制限はあるけど、案外居心地は悪くない。

 取り合えず食事を終わらせて、仕事に戻ろう。


 ・


 ・


 ・

 *


 「………」


 6時半頃に目を覚まし、ベッドから降りて顔を洗いスケジュールを確認しながら化粧などを済ませる。朝食前に部屋で紅茶を飲みながら昨日まとめたメモを確認後、上着を羽織り食堂に。

 軽く食事を済ませて職場に向かう前に受け取る予定の書類などを幹部達から回収する。


「ムアンさんおはようございます。今いいですか?」

ムアン「おはよっす。どうした?」

「今日期限の書類があったと思うので出来ていたら受け取ろうかと。後一週間後に外交の護衛とお聞きしているのでその時に着衣される服の確認もしたくて」

ムアン「あー、OK。持ってくる」


 彼はそう言うと部屋に戻り書類と軍服を持ってくる。その二つを受け取り次はウィリデのもとに。多分彼はこの時間だともう書庫にいるだろう。

 少し離れた書庫に向かい歩き出しているとふと雨の音が聞こえる。


(雨か………そういえば今日アザーさんが任務から帰ってくるよね。タオル用意しておくか……)


 防衛事務官の側近、ヴァルメリオの補佐になったものの思っていたよりも多忙でいつも動き回ることが多い。動き回っているとあれやこれやと気になってしまう性格の為手すきの時はそれらを行ったりする。案外此処の幹部の人達は几帳面な人は少なく雑な部分が見える。男性というのはそういうものなんだろうか。まぁ女性の方が視野は広いと聞くし細かいことに気が付きやすいと前世のテレビ番組で聞いたことがある。


「失礼します。ウィリデさん居られますか?」


書庫の扉をノックすると扉を開けてまだ少し眠そうな彼が出てくる。


「申し訳ありません、休憩中でしたか?」

ウィリデ「いや大丈夫ですよ。少し徹夜しましてね……どうされましたか?」

「ヴァルメリオさんから頼まれているR国の報告書が出来ていたら受け取ろうと思いまして…。どうでしょうか?」

ウィリデ「それなら丁度此方に。後これは別の報告書ですが一緒に渡して貰えると助かります。」

「分かりました。お疲れのようですし後で何か珈琲か何かお持ちしましょうか?」

ウィリデ「それは助かります。」

「それではまた後で此方に失礼します」


 書類を受け取り防衛事務官室に向かう。


「おはようございます。此方ムアンさんの今日が期限書類とウィリデさんからR国の報告書とまた別の報告書です。後でムアンさんの制服を確認後、飲み物を用意しますね。………ヴァルメリオさん昨日も徹夜されましたか?」

ヴァルメリオ「んぁ……?あぁ……少しな……。これ受け取るわ。ありがとう。」

「いえ。それでは何かあれば声かけてください」


 あの様子だと今日で三徹目だと思う。制服を確認後、私は珈琲と作りに一度部屋から出て隣の給湯室で飲み物を作る。ウィリデには珈琲でいいがヴァルメリオにあの様子でカフェインをぶち込むのは辞めといた方が良いと思うからハーブティーでも作ろう。

 頭の中で考えながら一足先に作った珈琲をウィリデに渡した後、ハーブティーをもって部屋に戻り、軽く摘まめるお菓子と一緒に机に置く。


ヴァルメリオ「すまんな。いつも」

「いえ。」


 短く言葉を返し、椅子に座り溜まった書類を分類に分け確認していく。訂正部分などがあればメモを確認後付箋を貼り見分けがつくようにして避ける。計算間違いなども同様に。

 特に時間を気にすることなく仕事をしていると気が付けば16時前。時計を確認した後顔をあげると机にうつ伏せ状態で完全に堕ちているヴァルメリオが目に入る。傍により声をかけるが起きる様子が無いので取り合えず起こさないように椅子に凭れさせ、ローラーが付いた椅子なのでソファーまで動かしゆっくり起こさぬよう寝かせる。かけるものが無いので取り合えず自分の上着を掛けといて。


(私が出来ることは少ないし………取り合えず代わりにできることは今日中に終わらせておこう。)


 もう遅い昼食は諦めて軽食を食べながら小腹を満たし仕事を続ける。そして18時過ぎに自分のできる範囲の仕事を終わらせて制服をムアンに渡して、アザーが帰ってきたようにタオルを用意して・・・後は


(いつ起きるか分からんし軽食持って行っとくか……)


 自室からブランケットを片手に廊下を進み、食堂で軽食を皿に乗せてラップをして防衛事務官室に戻る。まだ眠っているようだ。

 上着からブランケットに交換して起きるまでは再度終わらせた仕事の不備が無いか確認をして、明日の自分用にメモを残しスケジュールを書き出す。


(この後夕食食べて……自主勉強して……訓練室で昨日上手く出来なかったハンドガンの練習して……あれ少し重量が重くなるとブレるもんなんやな……咄嗟に切り替え出来るようにならないと……)


 小さな積み重ねが大切だ。という事は嫌というほどわかっているが


(疲れるな……)


 この三ヵ月の間でいつの間にか方は前世と似たように肩こりを始めた。柔軟もしないと。

 
(取り合えず……起きるまで自主勉しとくか……)


 私は書庫から借りた本を途中の所から開いて勉強を始めた。
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