6 / 25
第6話
しおりを挟む
冒険者登録を済ませた俺たちは、早速ギルドで依頼を探すことになった。リリアが渡してくれた依頼板には、初心者向けの依頼から、腕利きの冒険者向けのものまで、色々な依頼が貼ってある。
「どれにするんだ?」
俺が尋ねると、セシリアは依頼板をじっくりと見ていた。
「まずは、魔物の討伐依頼から始める。経験を積むのが先決だ」
セシリアは迷うことなく、ゴブリン討伐の依頼を選んだ。騎士団での経験があるセシリアにとって、ゴブリンなど取るに足らない相手なのだろう。
ギルドを出て、森へと向かう。ゴブリンの出現報告があった場所に着くと、セシリアはすぐに周囲の警戒を始めた。俺は正直、セシリアに任せっきりでいいのかと思っていた。魅了スキルは女性を惹きつける能力だが、戦闘には全く使えない。俺にできることと言えば、セシリアの邪魔にならないようにすることくらいだ。
「来たぞ」
セシリアが短く告げた。木々の陰から、緑色の肌をした小さな魔物、ゴブリンが数体現れた。手に持った棍棒を振り回しながら、奇声を上げて襲いかかってくる。
セシリアは迷いなく剣を抜き放った。その動きは、騎士団にいた頃よりもさらに研ぎ澄まされているように見えた。以前の彼女には、どこか固さがあった。完璧でなければならないというプレッシャーが、彼女の動きをわずかに鈍らせていたのかもしれない。だが、今のセシリアには、一切の迷いがない。まるで水が流れるように、しなやかに剣を振るう。
シュッ、シュッという風を切る音と共に、ゴブリンたちは次々と地面に倒れていく。セシリアは一瞬でゴブリンたちを蹴散らしてしまった。その鮮やかな剣さばきに、俺はただ圧倒されるばかりだった。
「終わったぞ」
セシリアが血のついていない剣を鞘に収め、振り返った。彼女の顔には、汗一つかいていない。
「すげえな、セシリア。あっという間だったな」
俺がそう言うと、セシリアは小さく頷いた。
「これくらい、当然だ。騎士としての訓練は無駄ではなかった」
ギルドに戻ると、リリアが満面の笑みで俺たちを出迎えた。
「おかえりなさい!依頼、成功したんですね!」
リリアは俺たちのギルドカードを受け取り、嬉しそうに言った。
「もちろんだ。報酬を頼む」
セシリアが淡々と告げる。リリアは手際よく報酬を計算し、俺たちに手渡してくれた。
「すごいですね!こんなに早く依頼を達成するなんて!あなたたち、本当にすごいです!」
リリアは心底から俺たちの活躍を喜んでくれているようだった。彼女の明るさに触れるたびに、俺の魅了スキルがより強く作用しているのを感じる。リリアの目が、俺を見つめるたびにキラキラと輝いているように見えた。
セシリアと俺のパーティー「白銀の剣」は、その後も次々と依頼を成功させていった。セシリアの騎士としての経験と、重責から解放されたことで覚醒した才能は、ギルド内で注目を集め始めた。彼女の活躍は目覚ましく、ギルドの掲示板には、俺たちのパーティーの快進撃が連日のように張り出されるようになった。パーティーのランクはみるみるうちに上昇していった。
「どれにするんだ?」
俺が尋ねると、セシリアは依頼板をじっくりと見ていた。
「まずは、魔物の討伐依頼から始める。経験を積むのが先決だ」
セシリアは迷うことなく、ゴブリン討伐の依頼を選んだ。騎士団での経験があるセシリアにとって、ゴブリンなど取るに足らない相手なのだろう。
ギルドを出て、森へと向かう。ゴブリンの出現報告があった場所に着くと、セシリアはすぐに周囲の警戒を始めた。俺は正直、セシリアに任せっきりでいいのかと思っていた。魅了スキルは女性を惹きつける能力だが、戦闘には全く使えない。俺にできることと言えば、セシリアの邪魔にならないようにすることくらいだ。
「来たぞ」
セシリアが短く告げた。木々の陰から、緑色の肌をした小さな魔物、ゴブリンが数体現れた。手に持った棍棒を振り回しながら、奇声を上げて襲いかかってくる。
セシリアは迷いなく剣を抜き放った。その動きは、騎士団にいた頃よりもさらに研ぎ澄まされているように見えた。以前の彼女には、どこか固さがあった。完璧でなければならないというプレッシャーが、彼女の動きをわずかに鈍らせていたのかもしれない。だが、今のセシリアには、一切の迷いがない。まるで水が流れるように、しなやかに剣を振るう。
シュッ、シュッという風を切る音と共に、ゴブリンたちは次々と地面に倒れていく。セシリアは一瞬でゴブリンたちを蹴散らしてしまった。その鮮やかな剣さばきに、俺はただ圧倒されるばかりだった。
「終わったぞ」
セシリアが血のついていない剣を鞘に収め、振り返った。彼女の顔には、汗一つかいていない。
「すげえな、セシリア。あっという間だったな」
俺がそう言うと、セシリアは小さく頷いた。
「これくらい、当然だ。騎士としての訓練は無駄ではなかった」
ギルドに戻ると、リリアが満面の笑みで俺たちを出迎えた。
「おかえりなさい!依頼、成功したんですね!」
リリアは俺たちのギルドカードを受け取り、嬉しそうに言った。
「もちろんだ。報酬を頼む」
セシリアが淡々と告げる。リリアは手際よく報酬を計算し、俺たちに手渡してくれた。
「すごいですね!こんなに早く依頼を達成するなんて!あなたたち、本当にすごいです!」
リリアは心底から俺たちの活躍を喜んでくれているようだった。彼女の明るさに触れるたびに、俺の魅了スキルがより強く作用しているのを感じる。リリアの目が、俺を見つめるたびにキラキラと輝いているように見えた。
セシリアと俺のパーティー「白銀の剣」は、その後も次々と依頼を成功させていった。セシリアの騎士としての経験と、重責から解放されたことで覚醒した才能は、ギルド内で注目を集め始めた。彼女の活躍は目覚ましく、ギルドの掲示板には、俺たちのパーティーの快進撃が連日のように張り出されるようになった。パーティーのランクはみるみるうちに上昇していった。
61
あなたにおすすめの小説
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
美醜逆転世界の学園に戻ったおっさんは気付かない
仙道
ファンタジー
柴田宏(しばたひろし)は学生時代から不細工といじめられ、ニートになった。
トラックにはねられ転移した先は美醜が逆転した現実世界。
しかも体は学生に戻っていたため、仕方なく学校に行くことに。
先輩、同級生、後輩でハーレムを作ってしまう。
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~
榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。
彼はその日から探索者――シーカーを目指した。
そして遂に訪れた覚醒の日。
「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」
スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。
「幸運の強化って……」
幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。
そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。
そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。
だが彼は知らない。
ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。
しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。
これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる