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第8話
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専属受付。
それは、ギルドで特に実績を上げたパーティーにのみ許される、特別な存在だ。俺たち『白銀の剣』のパーティーランクが上がり、その条件を満たせるようになったことは知っていたが、まさかリリアが自分からその役目を志願するとは思わなかった。
「専属受付になりたいって、本気なのか?」
俺が尋ねると、リリアは大きく頷いた。その瞳は、一点の曇りもなく健太を見つめている。
「はい!本気です!ケンタさんとセシリアさんが依頼を達成して戻ってくるたびに、本当に嬉しくて。もっと、お二人の力になりたいんです。受付として、できること全部やりたいんです!」
リリアの言葉は、熱意に満ちていた。俺はセシリアの方を見た。
「どう思う、セシリア?」
セシリアは、リリアの真剣な眼差しをじっと見つめていた。そして、いつものように淡々とした口調で答える。
「彼女の熱意は本物だ。それに、専属受付がいれば、我々の活動も円滑になるだろう。問題はない」
セシリアの言葉に、リリアはぱっと顔を輝かせた。
「ありがとうございます!セシリアさん!」
リリアは満面の笑みをセシリアに向け、それから俺の方へと視線を戻した。
「ケンタさんは……どうですか?私では、力になれませんか?」
リリアの不安げな声に、俺は小さく笑った。
「ばか。そんなこと言うな。お前が俺たちの専属になってくれるなら、そりゃ助かるに決まってるだろ」
俺の言葉に、リリアの顔にさらに大きな笑顔が咲いた。その笑顔は、まるでひまわりのように明るい。
「本当ですか!?嬉しいです!ありがとうございます、ケンタさん!」
リリアは嬉しさのあまり、俺の手を両手で握りしめた。彼女の手は温かく、健太はそこに確かな喜びを感じた。
「ああ、これからはずっと一緒だな」
俺がそう言うと、リリアはこくんと頷き、俺の指をそっと絡めた。彼女の指は柔らかく、俺の心臓が小さく跳ねる。彼女の瞳は、俺への純粋な好意で満たされていた。
◇
数日後、ギルドの仕事が終わった夕暮れ時。リリアは俺たちの宿舎を訪ねてきた。
コンコン、と控えめなノック音が響く。
「はい、どうぞ」
俺が声をかけると、リリアが少し緊張した面持ちで顔を出した。両手には、可愛らしい包みが握られている。
「あの、ケンタさんとセシリアさんに、街で見つけたお菓子なんですけど…よかったら、一緒にどうですか?」
リリアは少しはにかみながら言った。
「お、気が利くじゃん。ありがとうな、リリア」
俺が笑顔で答えると、リリアの表情がぱっと明るくなった。
「いえいえ!大したものではないんですけど…。よかったら、お茶でも淹れますね!」
リリアはそう言って、部屋に上がり込んだ。セシリアは、いつものように静かに本を読んでいる。
「セシリアさんも、よかったら一緒に食べましょう?」
リリアが声をかけると、セシリアは本から目を離し、小さく頷いた。
「ああ、構わない」
俺達は、リリアが持ってきた甘い焼き菓子を囲みながら、他愛もない話をした。リリアは、ギルドであった面白い出来事を話したり、街の新しいお店の情報を教えてくれたり。俺は、リリアの明るい笑顔を見ていると、心が安らいだ。セシリアも、普段より少しだけ穏やかな表情で、リリアの話に耳を傾けている。
「あ、そうだ!今度、街の食堂で美味しいシチューが食べられるお店を見つけたんです!もしよかったら、今度一緒に行きませんか?」
リリアが目を輝かせながら提案する。
「シチューか。悪くないな」
俺が答えると、リリアは嬉しそうにセシリアを見た。
「セシリアさんも、ぜひ!」
セシリアは少し考えた後、静かに頷いた。
「……ああ」
こうして、リリアはギルドの外でも、俺たちの日常に自然と溶け込むようになっていった。
それは、ギルドで特に実績を上げたパーティーにのみ許される、特別な存在だ。俺たち『白銀の剣』のパーティーランクが上がり、その条件を満たせるようになったことは知っていたが、まさかリリアが自分からその役目を志願するとは思わなかった。
「専属受付になりたいって、本気なのか?」
俺が尋ねると、リリアは大きく頷いた。その瞳は、一点の曇りもなく健太を見つめている。
「はい!本気です!ケンタさんとセシリアさんが依頼を達成して戻ってくるたびに、本当に嬉しくて。もっと、お二人の力になりたいんです。受付として、できること全部やりたいんです!」
リリアの言葉は、熱意に満ちていた。俺はセシリアの方を見た。
「どう思う、セシリア?」
セシリアは、リリアの真剣な眼差しをじっと見つめていた。そして、いつものように淡々とした口調で答える。
「彼女の熱意は本物だ。それに、専属受付がいれば、我々の活動も円滑になるだろう。問題はない」
セシリアの言葉に、リリアはぱっと顔を輝かせた。
「ありがとうございます!セシリアさん!」
リリアは満面の笑みをセシリアに向け、それから俺の方へと視線を戻した。
「ケンタさんは……どうですか?私では、力になれませんか?」
リリアの不安げな声に、俺は小さく笑った。
「ばか。そんなこと言うな。お前が俺たちの専属になってくれるなら、そりゃ助かるに決まってるだろ」
俺の言葉に、リリアの顔にさらに大きな笑顔が咲いた。その笑顔は、まるでひまわりのように明るい。
「本当ですか!?嬉しいです!ありがとうございます、ケンタさん!」
リリアは嬉しさのあまり、俺の手を両手で握りしめた。彼女の手は温かく、健太はそこに確かな喜びを感じた。
「ああ、これからはずっと一緒だな」
俺がそう言うと、リリアはこくんと頷き、俺の指をそっと絡めた。彼女の指は柔らかく、俺の心臓が小さく跳ねる。彼女の瞳は、俺への純粋な好意で満たされていた。
◇
数日後、ギルドの仕事が終わった夕暮れ時。リリアは俺たちの宿舎を訪ねてきた。
コンコン、と控えめなノック音が響く。
「はい、どうぞ」
俺が声をかけると、リリアが少し緊張した面持ちで顔を出した。両手には、可愛らしい包みが握られている。
「あの、ケンタさんとセシリアさんに、街で見つけたお菓子なんですけど…よかったら、一緒にどうですか?」
リリアは少しはにかみながら言った。
「お、気が利くじゃん。ありがとうな、リリア」
俺が笑顔で答えると、リリアの表情がぱっと明るくなった。
「いえいえ!大したものではないんですけど…。よかったら、お茶でも淹れますね!」
リリアはそう言って、部屋に上がり込んだ。セシリアは、いつものように静かに本を読んでいる。
「セシリアさんも、よかったら一緒に食べましょう?」
リリアが声をかけると、セシリアは本から目を離し、小さく頷いた。
「ああ、構わない」
俺達は、リリアが持ってきた甘い焼き菓子を囲みながら、他愛もない話をした。リリアは、ギルドであった面白い出来事を話したり、街の新しいお店の情報を教えてくれたり。俺は、リリアの明るい笑顔を見ていると、心が安らいだ。セシリアも、普段より少しだけ穏やかな表情で、リリアの話に耳を傾けている。
「あ、そうだ!今度、街の食堂で美味しいシチューが食べられるお店を見つけたんです!もしよかったら、今度一緒に行きませんか?」
リリアが目を輝かせながら提案する。
「シチューか。悪くないな」
俺が答えると、リリアは嬉しそうにセシリアを見た。
「セシリアさんも、ぜひ!」
セシリアは少し考えた後、静かに頷いた。
「……ああ」
こうして、リリアはギルドの外でも、俺たちの日常に自然と溶け込むようになっていった。
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