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「ラバーマスクガール」完結記念 / 特別エピソード 前編 久しぶりの電話
ーーある日の夜勤の休み時間
麗子は、久しぶりに大学時代の友人(順子)に電話をかける。
「順子、元気?」
「もちろん! 麗子さんこそ元気? どうしてたの? もう全然会えないから寂しくて!」
電話の向こうで、麗子がくすっと笑った。
「ふふっ。仕事が忙しくてね。でもね、今度、長期休暇が取れたの。だから……東北に旅行しようと思って。」
「えっ、本当に⁉︎ やったぁ!」
順子は思わず立ち上がって、ソファのクッションをぎゅっと抱きしめた。
「もちろん悟の店、来て! 絶対、絶対だよ!」
「うん。行きたいと思ってた。久しぶりに二人の顔を見たくて。」
順子は少し間を置いて、ふと尋ねた。
「……あれ? 一人で来るの?」
受話口の向こうから、麗子の少し含みのある笑い声が聞こえた。
「ふふふ……順子、やっぱり鋭いね。」
「えっ、まさか! 好きな人できたの⁉︎ えっ! もしかして彼氏? きゃーっ! やばい、聞きたい! 見たい! 絶対、絶対来てね!」
順子はテンションが上がりすぎて、思わずクッションをぽんぽん叩いていた。
麗子は、そんな順子のはしゃぎっぷりに微笑みながら、静かに言葉を選ぶように口を開いた。
「……うん。すごく大切な人なの。」
その声には、一人の女性としての柔らかい響きがあった。
「あなたが悟を思うように、私も――彼を大切に思ってる。やっと出会えたの。」
順子は、胸がじんわりと熱くなるのを感じた。
麗子のそんな声、初めて聞いた。
「麗子さん……良かった。本当に……良かったね。」
電話の向こうで、少し照れたように笑う声がした。
「ふふ。ありがとう、順子。」
「ねぇ、その人の名前、聞いてもいい?」
順子は、息を潜めるように尋ねた。
麗子は少し間を置き、やがて、柔らかく、けれど確かな声で答えた。
「……私の、愛してる人。その人の名前は……」
小さく息を吸ってから、照れくさそうに――でも幸せそうに、こう続けた。
「一平。」
順子は電話を握りしめ、満面の笑みを浮かべた。
「……うん、覚えた。一平さん。楽しみだなぁ。会えるの、すごく楽しみ!」
その声に応えるように、スマホの向こうで麗子が小さく笑う。
「ふふっ。ねぇ順子……実は、報告があるの。」
「え、報告?」
順子は首をかしげる。
「もしかして、また新しいプロジェクトでも始めたとか?」
「ううん、そうじゃなくて……」
麗子の声が少しだけ照れくさそうに揺れた。
「私ね――一平と、結婚したの。」
「……えっ⁉ けっ、けっこ……結婚⁉」
順子は一瞬、思考が止まり、次の瞬間、
「どひゃーーっ!!」と叫びながらソファの上でひっくり返った。
「うそでしょ!? え、ちょっと待って、いつ!? どうして報告してくれなかったの!?」
興奮した順子の声が、夜の部屋に響く。
電話の向こうで麗子は、笑いをこらえながら答えた。
「驚かせようと思って。ほら、私、そういうの好きでしょ?」
「も~~麗子さん~~っ!」
順子はスマホを胸に抱きしめるようにして叫んだ。
「おめでとう! 本当に、本当におめでとう!!」
「ありがとう、順子。」
麗子の声は、少し涙を含んでいた。
「でね、結婚式はしないことに決めたの。海外旅行に行く余裕もなくて。だから、一平と話して……東北をゆっくり観光しようって決めたの。」
順子は目を丸くした。
「ってことは……それ、新婚旅行!?」
「まあ、そういうことになるかな。」
麗子は照れ笑いを浮かべるように言った。
「東北の温泉とか、海とか、いろんなところを見て回りたいの。二人で、ね。」
順子は両手で口を覆いながら、嬉しそうに何度も頷いた。
「やだもう……麗子さんが結婚なんて、信じられない! でも、すっごく素敵だよ……! 一平さんって、どんな人なの?」
「ふふ、それは会ってからのお楽しみ。」
電話の向こうの麗子の声は、まるで春の風のように穏やかだった。
順子はスマホを胸に抱きしめ、満ち足りた笑顔を浮かべながらつぶやいた。
「麗子さん……本当に幸せそう。よかった……心から、よかったよ。」
麗子は、久しぶりに大学時代の友人(順子)に電話をかける。
「順子、元気?」
「もちろん! 麗子さんこそ元気? どうしてたの? もう全然会えないから寂しくて!」
電話の向こうで、麗子がくすっと笑った。
「ふふっ。仕事が忙しくてね。でもね、今度、長期休暇が取れたの。だから……東北に旅行しようと思って。」
「えっ、本当に⁉︎ やったぁ!」
順子は思わず立ち上がって、ソファのクッションをぎゅっと抱きしめた。
「もちろん悟の店、来て! 絶対、絶対だよ!」
「うん。行きたいと思ってた。久しぶりに二人の顔を見たくて。」
順子は少し間を置いて、ふと尋ねた。
「……あれ? 一人で来るの?」
受話口の向こうから、麗子の少し含みのある笑い声が聞こえた。
「ふふふ……順子、やっぱり鋭いね。」
「えっ、まさか! 好きな人できたの⁉︎ えっ! もしかして彼氏? きゃーっ! やばい、聞きたい! 見たい! 絶対、絶対来てね!」
順子はテンションが上がりすぎて、思わずクッションをぽんぽん叩いていた。
麗子は、そんな順子のはしゃぎっぷりに微笑みながら、静かに言葉を選ぶように口を開いた。
「……うん。すごく大切な人なの。」
その声には、一人の女性としての柔らかい響きがあった。
「あなたが悟を思うように、私も――彼を大切に思ってる。やっと出会えたの。」
順子は、胸がじんわりと熱くなるのを感じた。
麗子のそんな声、初めて聞いた。
「麗子さん……良かった。本当に……良かったね。」
電話の向こうで、少し照れたように笑う声がした。
「ふふ。ありがとう、順子。」
「ねぇ、その人の名前、聞いてもいい?」
順子は、息を潜めるように尋ねた。
麗子は少し間を置き、やがて、柔らかく、けれど確かな声で答えた。
「……私の、愛してる人。その人の名前は……」
小さく息を吸ってから、照れくさそうに――でも幸せそうに、こう続けた。
「一平。」
順子は電話を握りしめ、満面の笑みを浮かべた。
「……うん、覚えた。一平さん。楽しみだなぁ。会えるの、すごく楽しみ!」
その声に応えるように、スマホの向こうで麗子が小さく笑う。
「ふふっ。ねぇ順子……実は、報告があるの。」
「え、報告?」
順子は首をかしげる。
「もしかして、また新しいプロジェクトでも始めたとか?」
「ううん、そうじゃなくて……」
麗子の声が少しだけ照れくさそうに揺れた。
「私ね――一平と、結婚したの。」
「……えっ⁉ けっ、けっこ……結婚⁉」
順子は一瞬、思考が止まり、次の瞬間、
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「うそでしょ!? え、ちょっと待って、いつ!? どうして報告してくれなかったの!?」
興奮した順子の声が、夜の部屋に響く。
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「驚かせようと思って。ほら、私、そういうの好きでしょ?」
「も~~麗子さん~~っ!」
順子はスマホを胸に抱きしめるようにして叫んだ。
「おめでとう! 本当に、本当におめでとう!!」
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麗子は照れ笑いを浮かべるように言った。
「東北の温泉とか、海とか、いろんなところを見て回りたいの。二人で、ね。」
順子は両手で口を覆いながら、嬉しそうに何度も頷いた。
「やだもう……麗子さんが結婚なんて、信じられない! でも、すっごく素敵だよ……! 一平さんって、どんな人なの?」
「ふふ、それは会ってからのお楽しみ。」
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