69 / 79
弟の言葉が刺さる午後
しおりを挟む
弟の言葉が刺さる午後
『ライ、どこか行きたいとこあるか?』
『ちょっと身体動かしたいですね』
『ならバスケコートでも行って昼飯でも行くか。』
『了解です』
決まったプラン通りに朝ライを迎えに行くとセラはもう出た後だった。
セラは今日はフェルと乗馬に行っているはずだ。
「レオさん、お迎えありがとうございます。」
「気にすんな。行くか。」
ライはどうも落ち着く。男兄弟のいないレオにとって初めてできた弟のような存在は不思議と心強かった。
「レオさんバスケ得意なんですか?」
「まあ多少出来る程度だ。お前は?」
「俺も似たようなものです。丁度いいかもしれませんね」
「そうだな。お前は休みは何してるんだ?」
「先週は友達と出かけましたよ。それ以外は……本読んだり、DIYしてみたりしてます。」
「もしかして玄関先にあったボックス、お前が作ったのか?」
「そうなんですよ。玄関で腰かけて靴はいたりちょっと置くのに便利かと思って。」
「あれは確かにいいアイディアだ。DIYか……セラは喜ぶか?」
「……レオさんはその視点で物事考えるのやめた方がいいと思います。」
シスコンの弟に言われては立つ瀬もない。着いたバスケコートで一通りバスケを楽しんだ。
「上手いな。やってたのか?」
「いや、小学生の時家に帰りたくなくてバスケコートにいたんですよ。」
「なるほど。昼、ハンバーガーとかでもいいか?」
「全然OKです。」
「美味い店があってな。」
店内に腰かけると店員が水の入ったグラスを持ってきてくれた。
「何にする?ここはラムやチキンもいけるぞ。」
「じゃあラムにします。」
オーダーをしてしまえば一息つく間もなくライが話しかけてきた。
「セラ姉とはこういうとこ来ないんですか?」
「……好きなのか?」
「さあ。あんまり外食したことないんで分からないけど、楽しむと思いますよ。」
「そうなのか?あまりイメージがつかん。」
「姉は変な話なんでも楽しいんです。多分訳の分からない遺跡に行ってもレオさんと行けば変な遺跡に行ったと笑いながら話してくれます。」
「……つい、いいところを選びたくなる。楽しくないと、思われたくなくてな。」
「レオさんはかっこいいんで仕方ないかもしれないけど姉はもう少し崩れたレオさんの方が好みだと思いますよ。」
「信じるのにえらい勇気を擁する言葉だな。」
「しかもまだ手出してませんよね?」
「ああ。」
「姉は元来愛情の深い素直な人です。俺は物凄く可愛がられた方だから分かるんですが、スキンシップも激しいし愛してるなんて言葉もするする出てきます。」
「この間その片鱗を見た……俺が持たん。」
「……なんでそこまで頑張るんです?多分セラ姉は嫌がらないし、なんなら安心するんじゃないですか?あれだけ未来の嫁だと言われてるのに手は出されないなんて不安になりますよ。」
「分かってるんだ……俺の情けない過去のことがあるから怖気づいてるだけで。」
「レオさんて意外と繊細ですよね……まあ俺が邪魔になったら言ってくださいよ。適当に出ていくんで。」
「お前はほんとによく出来た弟だよ。」
「俺を教育したのはセラ姉なんでセラ姉の教育がよかったことになりますね。」
「……お前は親についてなんとも思ってないのか」
「思うことがゼロかと言われればそれはまあ……ありますけど。でも俺は父親にも会ってないし今の生活に満足してる。だからそう苦しさとかはないです。いつもセラ姉が殴られたり、嫌味を言われてるのを見るのに腹が立って仕方なかったけど。」
「それは俺が聞いても今から殴り込みに行きたくなるレベルだ。まあお前が納得してるならそれでいいんだ。お前も何かあったら俺を頼れよ。兄だと思っていいから。」
「それは心強いですね。」
セラとは違う強さを持ったライ。レオの情けなさを快く受け入れ的確なアドバイスまでくれた彼になにかしてやりたくなった。結局、ライのリクエストでパフェを食べた。姉弟揃って甘党らしい。パフェを無邪気に食べるライは、セラと重なった。レオの胃を重くしたのはパフェか、これから来るセラとの会話か。
レオには判断がつかなかった。
『ライ、どこか行きたいとこあるか?』
『ちょっと身体動かしたいですね』
『ならバスケコートでも行って昼飯でも行くか。』
『了解です』
決まったプラン通りに朝ライを迎えに行くとセラはもう出た後だった。
セラは今日はフェルと乗馬に行っているはずだ。
「レオさん、お迎えありがとうございます。」
「気にすんな。行くか。」
ライはどうも落ち着く。男兄弟のいないレオにとって初めてできた弟のような存在は不思議と心強かった。
「レオさんバスケ得意なんですか?」
「まあ多少出来る程度だ。お前は?」
「俺も似たようなものです。丁度いいかもしれませんね」
「そうだな。お前は休みは何してるんだ?」
「先週は友達と出かけましたよ。それ以外は……本読んだり、DIYしてみたりしてます。」
「もしかして玄関先にあったボックス、お前が作ったのか?」
「そうなんですよ。玄関で腰かけて靴はいたりちょっと置くのに便利かと思って。」
「あれは確かにいいアイディアだ。DIYか……セラは喜ぶか?」
「……レオさんはその視点で物事考えるのやめた方がいいと思います。」
シスコンの弟に言われては立つ瀬もない。着いたバスケコートで一通りバスケを楽しんだ。
「上手いな。やってたのか?」
「いや、小学生の時家に帰りたくなくてバスケコートにいたんですよ。」
「なるほど。昼、ハンバーガーとかでもいいか?」
「全然OKです。」
「美味い店があってな。」
店内に腰かけると店員が水の入ったグラスを持ってきてくれた。
「何にする?ここはラムやチキンもいけるぞ。」
「じゃあラムにします。」
オーダーをしてしまえば一息つく間もなくライが話しかけてきた。
「セラ姉とはこういうとこ来ないんですか?」
「……好きなのか?」
「さあ。あんまり外食したことないんで分からないけど、楽しむと思いますよ。」
「そうなのか?あまりイメージがつかん。」
「姉は変な話なんでも楽しいんです。多分訳の分からない遺跡に行ってもレオさんと行けば変な遺跡に行ったと笑いながら話してくれます。」
「……つい、いいところを選びたくなる。楽しくないと、思われたくなくてな。」
「レオさんはかっこいいんで仕方ないかもしれないけど姉はもう少し崩れたレオさんの方が好みだと思いますよ。」
「信じるのにえらい勇気を擁する言葉だな。」
「しかもまだ手出してませんよね?」
「ああ。」
「姉は元来愛情の深い素直な人です。俺は物凄く可愛がられた方だから分かるんですが、スキンシップも激しいし愛してるなんて言葉もするする出てきます。」
「この間その片鱗を見た……俺が持たん。」
「……なんでそこまで頑張るんです?多分セラ姉は嫌がらないし、なんなら安心するんじゃないですか?あれだけ未来の嫁だと言われてるのに手は出されないなんて不安になりますよ。」
「分かってるんだ……俺の情けない過去のことがあるから怖気づいてるだけで。」
「レオさんて意外と繊細ですよね……まあ俺が邪魔になったら言ってくださいよ。適当に出ていくんで。」
「お前はほんとによく出来た弟だよ。」
「俺を教育したのはセラ姉なんでセラ姉の教育がよかったことになりますね。」
「……お前は親についてなんとも思ってないのか」
「思うことがゼロかと言われればそれはまあ……ありますけど。でも俺は父親にも会ってないし今の生活に満足してる。だからそう苦しさとかはないです。いつもセラ姉が殴られたり、嫌味を言われてるのを見るのに腹が立って仕方なかったけど。」
「それは俺が聞いても今から殴り込みに行きたくなるレベルだ。まあお前が納得してるならそれでいいんだ。お前も何かあったら俺を頼れよ。兄だと思っていいから。」
「それは心強いですね。」
セラとは違う強さを持ったライ。レオの情けなさを快く受け入れ的確なアドバイスまでくれた彼になにかしてやりたくなった。結局、ライのリクエストでパフェを食べた。姉弟揃って甘党らしい。パフェを無邪気に食べるライは、セラと重なった。レオの胃を重くしたのはパフェか、これから来るセラとの会話か。
レオには判断がつかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
罪悪と愛情
暦海
恋愛
地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。
だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――
ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!
タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。
姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。
しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──?
全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!
皇宮女官小蘭(シャオラン)は溺愛され過ぎて頭を抱えているようです!?
akechi
恋愛
建国して三百年の歴史がある陽蘭(ヤンラン)国。
今年16歳になる小蘭(シャオラン)はとある目的の為、皇宮の女官になる事を決めた。
家族に置き手紙を残して、いざ魑魅魍魎の世界へ足を踏み入れた。
だが、この小蘭という少女には信じられない秘密が隠されていた!?
借りてきたカレ
しじましろ
恋愛
都合の良い存在であるはずのレンタル彼氏に振り回されて……
あらすじ
システムエンジニアの萩野みさをは、仕事中毒でゾンビのような見た目になるほど働いている。
人の良さにつけ込まれ、面倒な仕事を押しつけられたり、必要のない物を買わされたり、損ばかりしているが、本人は好きでやっていることとあまり気にしていない。
人並みに結婚願望はあるものの、三十歳過ぎても男性経験はゼロ。
しかし、レンタル彼氏・キキとの出会いが、そんな色の無いみさをの日常を大きく変えていく。
基本的にはカラッと明るいラブコメですが、生き馬の目を抜くIT企業のお仕事ものでもあるので、癖のあるサブキャラや意外な展開もお楽しみください!
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる