王弟が愛した娘 —音に響く運命—

Aster22

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戦の果ての安堵

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「セラ!!クシェル!ついていけ!」
「殿下のお側を離れるわけにはいきません!」
「いいから行け!!殺されたいのか!!」
レオの凄みに負けたクシェルが去った。何か思いついたように見えた。戦が始まってから、セラが言っていた意味が分かった。腕は"多少"立つどころではないらしい。とはいえ単騎で出られては心配だった。無事ならいいのだが....
「殿下!賊は殆ど討ち取りましたが頭らしきものは見えませぬ」
「こっちもだ。東にも出てないんだな?」
「そのようです。」
「残った賊は捕まえておけ。何か知っているかもしれない。」
「はっ!」
粗方片付いた。残るはセラだが....
程なくしてクシェルが戻ってきた。
「セラはどうした?」
「森を突き抜けて行ったようで....申し訳ありません、見失いました。」
「森を?」
森にあったのは確か廃村ーーーー
「隠し通路か。」
賊の頭だからと侮った。知っている可能性もある。
「すぐに向かう。お前は残りを片付けていろ。」
「承知しました。」
森に向かって駆けていると向かいから馬のいななきが聞こえた。賊か、セラか。
「レオ様!」
聞こえた声に安堵する。後ろに気絶した男を乗せたセラの姿を見て安堵はかき消えた。
狭い森を抜けたからだろう。あちこちに切り傷があり、衣は返り血に塗れている。
「セラ!!無事....じゃないな。すぐに手当を。」
「大した傷ではありません。それよりこちらを何とかしていただければ。」
「賊の頭か?」
「そのようです。地下通路を使って逃げようとしていました。」
「よく気づいたな。」
「......昔、似たものを見たことがあったので。」
「そうか。」
聞きたいことは山ほどあるが今はそれどころじゃない。セラを連れて戻ると残る血の匂いを残して戦は終わりを告げようとしていた。

 
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