王弟が愛した娘 —音に響く運命—

Aster22

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束の間の安堵、次の厄介ごとまで

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束の間の安堵、次の厄介ごとまで
晴れて誤解も解け、レオは麻薬のことも忘れて上機嫌で執務室に戻った。
「上手くいったようですね。」
「なんとかな。あわや逃げられるところだった。お前の手柄だ。」
「間抜けな主を支えるのも側近の役目です。」
「お前そろそろ罰を喰らいたいのか?」
「殿下が焦り散らかした書類を1人纏めていた身にもなって欲しいものですね。」
「くっ....お前な....」
「セラ様はこのお姿を見て何と思われるのかが非常に気になります。」
「セラは....いいんだ。大人しく晒すことにした。」
「そうなんですか?」
「お前の言う通り、俺の性格の悪さも受け入れて貰わねばな。また誤解を産みかねない。」
「賢明なご判断です。」
すっかりレオの扱いを覚えたクシェルに逆に振り回されている気がする。セラが来てからというもの、どうもこの従者の立場が上がったように感じるのは気のせいか。
「そろそろ本邸に戻らないとな。王に報告してコアルシオンに立つ。」
「そうですね。あと数日が目処でしょうか。」
「セラをどうするかだな....」
「もう侍女は無理でしょう。楽師として保護しておいてコアルシオンへ向かう途中、ベルシュタイン辺境伯に話されては?」
「いや、そのつもりだったんだが、そうするとコアルシオンには連れて行けんだろうからな....仕方ないんだろうが。」
「うっかりアラリック王子にセラ様が惚れられても厄介ですよ。」
「何となく好みっぽいよな。あいつは真面目なだけに柔らかい雰囲気の女に弱い。」
「その女にぞっこんの貴方様が言っても何の説得力もありませんがね。」
「黙れ。まあそうなれば仕方ない。とりあえず数日後にはここを出る。用意しておけ。」
「承知しました。」
 
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