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火事ですか? 救急ですか?
しおりを挟む通報を受けた消防局員が電話越しに容態を訊ねます。
「胸を触ってみてください。痛みますか」
「はい。とても痛いです」
相手は弱々しい声で答えます。
「それでは、下腹部を触ってみてください。痛みますか」
「はい。とても痛みます」
「それなら、首を触ってみてください。痛みますか」
「はい。痛みます。もう触りたくありません」
「重大な病状かもしれません。救急車が付く前に病状を確定しておきたいんです」
「病状はわかってます」
「そんな複雑な痛みがするのに、あなたに病状が確定できるんですか?」
「もちろんです。指を骨折したんです」
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