≪花の降る午後≫

dreams

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≪メイド in トレイン!≫

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私が待つ電車のホーム。

隣には、メイドの格好をした推定20歳ぐらいの若い女性。

髪はクリームシルバーな色で、スノーホワイトなファーの付いた短い丈のコート、そして白馬のメリーゴーランド柄のパラシュート開きしたスカート。

一体、それどこで売ってるん?

私の心が、声にならない声を彼女に投げ掛けた。

電車が来て、扉が開く!

開いた扉から車内に入るなり、彼女は

「お帰りなさいませ。ご主人様~💕」

とは、もちろん言わない。

そもそも、車内の人達からしたら、帰って来たのはメイドの方な訳だから、お帰りなさいませ!を言わなければいけないのは、むしろ先に乗っていた乗客の方である。

しかし、そう現実を突き付けて照らし合わせた処で、一体何が生まれるだろう。

メイドさんによって、人々は夢の癒しの時間を届けられるべき!
であるからして、これはもう最初からメイドがいた場所に、多くの乗客が帰って来た!
という風に、考えなければいけない事案なのである。

「お帰りなさいませ。ご主人様~💕」

この際、ご主人様は一杯いる。

車内の乗客全員だ!

サラリーマンあり、工事作業員あり、学生あり、バーコード頭のおじさんあり、ベビーカーを引いた若いママさんあり。

大家族なのである。

そう!
ここの設定は、大家族の大豪邸なのである。

ならば、数々の年齢と職業の人物達が一同に集っても全然おかしくない。

そして、果たしてこのメイドは、どういうタイプのメイドなのか?

「ご主人様、お疲れですね?温かいお飲み物でも御用意致しましょうか?💕」

『あぁ、頼むよ…』

と、こちらが言ったか言わないかのタイミングで、メイドはキッ❗と鋭い目つきでこちらを睨み付け、向こう100m先まで思い切り聞こえるような響き渡るような舌打ちの後、まるで阿修羅の面が瞬時に切り替わるかのように、今度は地上に舞い降りた天使の笑顔で

「かしこまりました。ご主人様~💕」

と、ツンデレという名を欲しいままにし、こちらの心をギューっと鷲掴みにして離さない上等メイドなのか?

全てを骨抜きにされ、明日からはもう仕事なんて出来なくなる魔法をかけられてしまうんじゃないか?


…というような妄想を抱きつつ、隣で吊り革に掴まるメイドをチラチラと横目で気にしながら、私は目的地を目指すーーー。


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