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第1章 月森ヶ丘自由学園

修羅場

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『む……息子ッッ!!?』

我に返った途端、リポーターの口から思わず裏返った声が出る。

「………息子?!今、あの男、霧島のことを息子って言ったよな?しかも、あれCIAの上層部の奴じゃねーか!!それにあの容姿、帰国子女の日本人かと思ってたが、どうやら違ったみたいだな」

結城は学園長に銃口を向けながら言った。

 その後ろでは――…

「キサマ、私の弟に何をした!?話しによってはキサマの頭をぶち抜いてやるっ!!!!」

お兄様がたいそうお怒りだった。

そんな上司二人をそれぞれの部下達は必死に宥めている。その様子に心底愉しそうにニヤつきながら眺める崙にシフォンは呆れた眼差しを向けた。

(…っていうか、室長、お兄さんがいたんですね。しかも、兄はFBI、父親はCIA。…知らなかったとは言え、驚きですね)

遠い目をしていたシフォンはどっと疲れた気がして小さく溜息をつく。

そして、部下に宥められつつも今だ岬もといクリフェイドを舐めるように全身を視姦する学園長に怒涛の声を上げる父と兄。

「くっくっ…撃ちたければ撃ったらいい。その前に霧島君が死ぬがね?」

「んな゙ッッ!!!!あのっ男!!!」

父、アクシオン・シュバルクの反応に学園長は優越感を味わっていた。

「本当に、霧島君には驚かされてばかりだよ。なに、少しぐらい味見してもいいだろう……

公開プレイとやらも、いいんじゃないか」


学園長はするり、と岬のその頬を撫でる。

「き…キサマーーッッッ!!!!」

父、アクシオン・シュバルクは怒りが爆発寸前。本当に人を殺し兼ねない彼ら二人にFBIもCIAも、この際、関係ない!!部下達は互いの組織関係なしに二人を押さえつけた。

「だめですよ!!!少し冷静になってください!!」

「そうですよ!今の貴方々は周りに危害を加え兼ねないんですから!!少し自重してください」

押さえつける部下達も、とにかく必死だった。少しでも緩めると今にも銃弾を放ちそうな自分たちの上司を止めることで精一杯で、他に余裕がなかった。

それを良いことに、学園長は岬の頬に手を置き、岬の唇に顔を近付けていく――‥


「「クリフェイドっっ!!」」

キス寸前、


「…ン………(パチッ」


岬の瞼がついに開いた。
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