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第1章 月森ヶ丘自由学園
この僕にスピードとテクニックで勝とうなど、百年早いんですよ
しおりを挟むん?
「ちょっと待ってぇや!!委員長って、わいと同じ年やんなぁ!!?
い、いつ外車の免許を?!」
「おや、言っていませんでしたっけ?僕は、一応この学園に来るまでは海外暮らしだったのですよ…」
「ぅえっ!!?マジで!!?」
幸村は驚く。何故なら、委員長の弱みを握ろうとパソコンで調べたが、岬に関する情報が一切出なかったのだ。
「…僕にも事情というものがありまして‥
向こうでは僕の事情を知って免許があると何かと便利だろうということで特例として、僕だけ認められたんですよ」
「…………」
「まぁ、僕は国が認めるほどの天才ですからね‥。こちらの事情も含め(主に仕事関係で)他にも資格を持っていますが…
今ほど、それが役立とうとは思いませんでしたよ」
ドンッ!と、相変わらず並ぶ車から体当たりする。その度に後ろから、ぎゃっ!!という声が聞こえる。
岬は、うっすらと笑みを浮かべた…
「…この僕にスピードとテクニックで勝とうなど、百年早いんですよ」
それと同時に、
ブォォォオンッッ!!
結城に言われ、速度を落としていた岬は再び… アクセルを全開にする。
「お、おお前っっ!!!」
すっかり、岬の運転に恐怖を感じつつある結城は助手席のひじ掛けにひしっと掴まっている。
「…まぁ、見てて下さい。伊達にただ、免許を取ったわけじゃありませんから。見せつけてやろうじゃ、ありませんか。僕の持つテクニックを…」
「お、おいっ!!!待て、霧島っ早まるな!!」
光の必死な説得も虚しく…
――‥ ブォォォオンっ!!!
岬は猛スピードで道路を突き抜ける!!
パッパーッ!!
対向車線にも構わず岬は道ある道を突き抜けるものだから、対向車線から来る車からクラクションが鳴る。
ぐるんっ
ハンドルを左へ切る。その度に後部席では、
「「「ぎゃーっっ!!!」」」
主に幸村と望が、互いに抱き合い、泣き叫び‥
光にあたっては、岬の無茶苦茶な運転の恐怖のあまり、両耳をふさぎ、目を閉じ、俯いていた…。
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