平凡くんの憂鬱

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あれが例の『マリモ』だ!

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『冬樹!!俺っ 授業ちゃんと受けに来たんだ!!偉いだろ!』

「…あのな、宮下。何度も言ってっけど、俺は教師でお前は生徒。先生を付けろ先生を」


「冬樹!!なんで友達の俺にそんな言い方すんだよ!!それに俺のことは宮下じゃなくて真央って呼び捨てでいいって言ってんだろ!?」

勢いよく扉を開けて入ってきた転校生のマリモにうんざりするホスト担任。


「……なんです、彼は?」

「……何処にいるんです、癒しのマリモは?」


だんだん目が据わってくるコイツに俺は静かに吐息つく

「…だーぁから言ったろ?期待すんなって。あれが言ってたマリモだ」

「……彼のどこがマリモですか!?本物のマリモに謝ってください。あれのどこに癒しが!?

髪がまだマリモらしく緑ならともかく!あんなの…っただの毛むくじゃらじゃないですかっ!!!」


「あーうん。確かに、まぁ… あれをマリモと呼ぶには本物のマリモに失礼だよな」

コイツの毛むくじゃら発言に俺も内心、頷く。確かに本物のマリモには癒しがある…


そんな会話をしていたら、

『あーーっ!!! あんたっっ誰だよ!!』


転校して来てまだ二週間と経っていない、ぶ厚い眼鏡のモッサリ黒髪頭の毛むくじゃらが指を指して、こっちにやってきた‥。
ヤツの関心がこっちに向いたのをこれ幸いとばかりに絡まれていた担任はさっさと自分だけ逃げやがったし。


「アレ、かなり面食いらしーぜ?良かったじゃねぇか。目ぇ付けられて。何にせよ、ご愁傷様。

巻き添え喰らったら面倒くせぇし… 俺、寝るわ」


「は!?」

腕を組んで枕にした俺は寝る態勢に入る


…だから俺は雪城の冷ややかな目にも気付かなかったし、雪城が何かを思い付いたように目を細めたのも――…

狸寝入りした俺がもちろん気づくはずもなかった。 
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