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叔父上二人はいろいろと面倒くさい
しおりを挟む「あぁ、わかってる。
だから、時期を見て俺も…」
――‥ この学園を出て行く、そう口にしたときだった。
バンッ!!
『亜希くーーんッッ!!!ダメだよ!!亜希くんが出て行くなんて僕、絶ッッ対に認めないからね!?あ、そうだ!怪我したんだって?大丈夫!?』
ふわふわの少しクセのある髪を遊ばせ、心配そうに眉を吊り上げるその顔には少し大きめの眼鏡をかけていて草食系の見かけに関わらず、その強烈な登場に、生徒会と風紀が揃ってポカンとする。
そして俺はというと…
そいつの登場と共に覆い隠すことも忘れた溜息が、唇から漏れる…
こいつが来るといろいろと面倒くさいんだよな、と何故だろう。さらにドッと疲れが増した気がする
『あの人って確か…』
『学園長の恋人の… 秘書さんだよね?』
そんな会話がひそひそと生徒会のほうから聞こえる
皇 白兎
あだ名はシロウサギ。本人はその名前があまり好きじゃないとかなんとか言っていて、
言わずもがな… 皇一族の人間の一人で、
「叔父上」
叔父の一人だった。
「……っていうか、なにどさくさに紛れてハグしてんだよ」
ペタペタと俺の身体を触って怪我の確認をしてから、むぎゅっ!と抱きついてくる叔父に 早く離れろ、と言う
『亜希くんが酷い!!』
何かとスキンシップが激しいこの叔父はそう言うが、お前が早く離れないと…
『――‥ 楽しそうだね二人とも。白兎は彼氏の前で堂々と浮気かな?』
爽やかな笑顔と握り締めた拳を扉に置いて、首を傾げるのは…
『が、学園長!?』
ヒクッと顔が引き攣る
「お、叔父上…」
そう、言わずもがな。こいつは学園長で、皇 悠斗。こいつも皇一族の人間の一人で… 白兎が秘書で悠斗は学園長。…でもって、二人は恋人同士だ。
そして、白兎がいるところに必ずと言っていいほど現れる粘着質のある男で束縛が強く嫉妬深い。白兎のほうはさほど気にしてはいないようだが、周りからしたら傍迷惑だ。
なにしろ、白兎は皇一族の割にはどこか抜けていて… 天然混じりだ。だからこそ、その異常性には丸っきり気づいてない。本人の悪気なしのスキンシップの激しさに悠斗からは爽やかな顔立ちとは裏腹に、さらっと嫌味を言われるこっちの身にもなってほしい。
だから、白兎が来ると必然的にこいつも現れるわけで、その面倒くささにいつもげんなりしている…。
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