ザ・兄貴っ！

……お前、その男のハァハァには何とも思わなかったのか！？

遥に痛いほど視線が集まる中、

「奈桜!?誰に付けられたんだ!?」



目が鋭く光る遥に疑惑の眼差しを向けていた周囲は首を傾げる


「え？あなたが付けたんじゃないんですか？」



副委員長の静に問われ、眉をﾋﾟｸﾘ、


「……奈桜？」



「ん～？ あ、さっきね!おじさんが虫を取ってくれたんだ。たぶん、そのときに虫に刺された痕じゃないかな？」


首を傾げ、困ったように笑う山田、しかし‥



「「「……………」」」


なぜか、異様に食堂中が静まり返る。



「…え、なに？ 俺、何かおかしなこと言った??」


鈍いと言われる山田もさすがに気づいた。その異様な静かさに--



「…一つ、いいか？」

「んー なぁに??」



旭の声に首を傾げる山田、


「…お前はその虫を見たのか？」



「んーん！見てないよ。廊下を歩いてたら、知らないおじさんに言われたんだよね、

『君、首元に虫がついてるよ？おじさんが取ってあげる… ハァハァ』って」



「……………お前、その男のハァハァには何とも思わなかったのか！？」


今まで黙っていた会長も突っ込む。



「え？言ったよ『おじさん、どうしたの？ハァハァ言ってるけど…しんどいの？？』って言ったら、

『ハァハァ！おじさんはね、能内で気持ちよくなる運動してるんだよ//君も一緒におじさんと運動するかい？すぐに気持ちよくなるよ』って言われたよー」



（へ、変態だってことに気づいてない！？）

（あ、ありえない…ッ）


（ドがつく程の超鈍感ヤローかよ？！）



「……………奈桜、それからどうなったんだ？ん？」


あ、あれー!? ハル、なんか怒ってるぅ!? なんで…!? 俺、怒らすようなことしたかなー?? 今日はハルのお菓子くすねてないし、いたずらだってしてないし… むぅ…? なんで～??


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