ザ・兄貴っ！

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待ちなさい！もしも逃げるなら…

   ｼｭﾙｯ…ｯ


伸びてきた蔓が窓の鉄格子に絡みつき…


そして・・・


ギシッ！


  ギ、ギギギギ…ッ



強引に壊した。


もはや道を塞ぐものは何もない。
じっ…と見つめれば、ネペンテス君は大きくて分厚い葉を窓辺に添えた。


山田はネペンテス君が来るのをわかっていたように窓に足を掛ける――…


―バンッ!!!!


「待ちなさい！奈桜！」


しかし、防犯カメラで気づいたのか山田の父、雪斗が扉を乱暴に開けて入ってきた

窓に足を掛けたまま、ゆっくりと振り返る-


「待ちなさい！奈桜！もしも逃げるなら…」


『無駄だよ。雪斗さん、ううん… 父さん。

俺ね、いっぱい考えたよ？いっぱい悩んで思ったんだ。父さんは… 父さんでしょ？俺の父親は… 父さん以外いないよ。


それとも父さんは…

俺に父さんとも呼ばしてくれないの？」



「ちが…っ！」

「あのね、父さんの側に俺がいたら駄目なの。父さんは… 俺に依存するから。


 だから…」



『ごめんなさい』


そう口にした途端、雪斗に仕える部下が前に出る。



『ギャァアアアアア！！！』


その瞬間、ネペンテス君がけたたましい声をあげた。

そして、


それと共に中庭の草村や木々から次々と顔を出したのは‥

『ウッキーッ！』


『ｳﾎｯ！』

『ギャアギャア！』


『ガルルルっ！』



バッサバサッ！


種族は様々。

そう… 山田が飼って？いた動物達だった。