幼なじみプレイ

夏目とろ

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【第3話】幼なじみプレイ

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恋人ごっこ


 学園祭の準備やら何やらで、慌ただしい今日この頃。

「つか、笑いごとじゃないし!」
「や、ごめんごめん」

 真っ青な空に雄叫ぶように、俺は珍しく声をあららげた。

 三人寄ればなんとやら。あれから結木ゆうきさんと二人きりになるのは避けたくて、壱人と結木さんと俺との三人で昼休みを過ごすようになった。

「泉ちゃんと私がねえ」

 出来るだけ顔を突き合わすのも避けているのに、例の噂は広まってしまっている。

「壱人はやじゃないのかよ」

 まるで人ごとのような壱人に話題をふると、

「うーん。泉が橋本と噂になるよりはマシかなあ」
「はあ?!」

 そんな馬鹿なことを言って来た。

「だってさ。結木は安全あんぜん パイなわけじゃん。協力してくれるし」

 橋本は泉の側にずっといるからなと苦笑いながら、

「おまけに同じ男だし」

 壱人は真顔でそう付け加える。

 相変わらず俺ら以外は誰もいない屋上でのランチタイム。けど、よくよく考えたらこの状態を誰かに見られたら、結木さんの元カレと現在いまカレが結木さんを挟んで仲良くしてるように見られる気がしないでもない。

「なに。壱人ってホモなの?」

 おバカな壱人にそう聞くと、

「ちげえよ!」

 間髪入れずそんな返事が返って来た。

「だよな」

 壱人、無類の女好きだし。

 俺たちはたまたまお互いに同性を好きになってしまっただけで、一般的に言われている同性愛者じゃない。その証拠にお互い以外に性的な興奮を覚える対象は女の子だし、お互いに隠し持ってるいわゆる一人エッチのおかずもノーマルなアダルト雑誌や動画のたぐいだ。
 それでも壱人は俺が女の子といるより男友達といる方が心配らしく、その辺だけは俺には理解出来ない。

 元々が女の子にモテモテで、来る者拒まずだった壱人。どちらかと言えば女たらしだと言われる部類だっただけに、女の子はやだけど、俺は男が壱人に近づくのは全く気にならないんだけどな。
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